現行の大気環境保全法は、リコール命令を履行しない場合には５年以下の懲役または3000万ウォン（約280万円）以下の罰金刑に処すと定めている。

VWは今年1月、最初のリコール計画書を提出したときから不誠実な態度を見せた。この計画書では、欠陥の原因について「ソフトウエア装置により、一部環境で道路を走行した場合に窒素酸化物（NOx）の排出量が増加する可能性がある」と記されていただけで、改善計画についても「ソフトをアップグレードする」と簡単に書かれていただけだったという。
以上、

＜韓国２０車種検査＞
マツダ車や高排気量の高級車のディーゼル車でなければ、低燃費かつクリーンディーゼルとして販売用のキャッチフレーズにより販売されているディーゼル車は、実際は規制値の１０倍～２０倍という極めて高い濃度の排ガスを排出していることが判明している。

EV移行まで世の主流になるとされたダウンサイジングディーゼルエンジン車の高濃度のNOxやSoxの有害排ガス放出問題。
高濃度排出は、肝心の欧州基準でも認められていたことが日産キャッシュカイ問題で明らかにされている(エンジン本体に付加がかかり過ぎ破損するおそれがある場合には、排ガス再循環装置(EGR)を停止させてもよいという条項が存在し、こうしたディーゼル車のほとんどに温度(エンジン吸気温度)により停止プログラムが設定されていたことが、韓国当局の２０車種検査で明らかになっている)。

当然、EGRを停止させればエンジンに負荷もかからず、低燃費を実現できるというなんとも怪しい条項が欧州基準に存在していた。
VWの場合は、謳い文句の圧倒的な低燃費を実現するため、検査時には機能し、購入者が運転時には機能しないという検査のためだけにEGRを取り付けていたことから大問題となり、世界で大リコールとなっている。

韓国の２０車種検査では、１８車にエンジン吸気温度によりEGRが停止するプログラムが組み込まれ、日産キャッシュカイだけが３５度に設定され、ほかは４５度に設定されていたという。なお、２車については問題がなかったという。

＜韓国ではディーゼル車が全体の４３%で首位のシェア＞
韓国では、ディーゼル乗用車が一番多く販売されており、大気汚染の原因にもなっている。これは、韓国と欧州が自由貿易協定を締結し、現代自動車などが輸出のため、欧州で主力を占めるディーゼル車開発を進めた結果でもある。また、数年前まではガソリン価格も高く、ディーゼル車は燃費が安いことからも販売台数を増やし、ガソリン車を上回る販売占有率となっていた。
輸入車もダウンサイジングクリーンディーゼルエンジンと称し、VWを中心に排ガスは綺麗で燃費が非常に良いという宣伝文句にバカ売れしていた。

現代自動車のディーゼル乗用車を欧州で通常運転検査した結果は、やはり基準値の十数倍の排ガスが検出されていたと報道されていた。

　韓国が今回検査した２０車種には、槍玉に挙げた日産キャッシユカイ以外、調査対象車に国産ディーゼル車が入っているのかも含めて具体的内容が明らかにされていない。

　日産のゴーンさんは、欧州自動車工業会の会長も務めている。米環境省が問題のVWを槍玉に挙げたとき、欧州自動車工業会の会長として「米国陰謀説を唱え、アメリカを批判」したと報道されていた。ゴーンさんの米国批判は、日産・ルノーのディーゼル車の性能技術が、それほど排ガスも燃費基準に未達であることを知り尽くし、また、欧州基準が見掛け倒しであることも熟知した発言だったと見られる。

　それもこれも、今回、韓国当局により世界一厳しい欧州の車両環境基準は、EGR停止許可付という前代未聞の基準であったことが世界に拡散された。