アイコン 自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する 尖閣中国公船・漁船侵入 何ができて、何ができないのだろうか?

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(農と島のありんくりん)
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/

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県の海域に大量の外国漁船の侵入を受けながら、誰を恐れてか無言の業を貫いている翁長知事とは対照的に、宮古市議会が抗議声明を出しました。

 本来県がやらねばならないことを、日常的に中国漁船の大量侵入にさらされている地元自治体にやらせてどうするのですか。

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 辺野古移設に反対するのもけっこう。米兵犯罪に抗議するのもけっこうです。ただし、県知事としての責務を果たしてからにして頂きたいものです。

 いつもは米兵の酒酔い運転にまで事細かく抗議する翁長知事が、200隻を越える外国漁船と大量の中国公船の侵入に沈黙するとは、二重規範にもほどがあります。
もし、侵入した中国漁船に乗り組んでいるといわれる海上民兵が武器を使用して、地元漁船を攻撃でもしたら、その時はまた女性殺害事件の時のように、「私の責任だ」とうなだれてみせるのでしょうか。

 翁長知事よ、知事としての仕事をしろ! 知事は運動家じゃないぞ。
さて、中国漁船の侵入についてもどかしく思うコメントも多く頂いています。
今、日本が何ができて、何ができないのか考えていきましょう。
まず、この尖閣諸島水域で、海保の巡視船が侵入した中国漁船を取り締まれるかどうかです。

よく、侵入した中国漁船をなんと58隻も爆破してしまったインドネシアと比較されます。http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160819-00000711-fnn-int
Photo_2
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私も個人的にはあの程度やらないと無法者には通じないと思っていますが、残念ですが不可能です。

 たしかにあの尖閣諸島周辺海域は、日本の領海であることは間違いありません。
「いやあそこは中国領海だ。日清戦争で奪ったんだ」などと言う方は、これ以上読まなくてけっこうです。
では領海に他国の船舶が侵入した場合、直ちに「領海侵犯」事案として実力で排除していいのでしょうか?
できません。できるのは、公船と軍艦だけです。

領海侵犯が成立するためには、以下の条件が必要です。

①侵入した船舶が、政府公船であること。
民間船の侵入は単なる不法入国の範疇ですので、扱いが別枠になります。領海侵犯という概念は、あくまでも政府公船・軍艦が対象なのです。
②侵入した外国公船に対しては、海保は国際海洋法に則って無害通航権の有無の判定を行います。

 無害通航に当たらないと領海国が判断した場合、初めて排除宣言が可能となります。

以上二つの手続きを経て、なおも外国公船・軍艦が出て行かない場合、初めて領海侵犯による排除ができます。
実にやっかいですが、日本政府が領海侵犯とした事例すべて、この要件を充たしています。

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では、民間船が日本のEEZ(排他的経済水域)で違法操業した場合はどうでしょうか。
日本と中国は日中漁業協定を結んでいます。実に細かく水域がゾーニングされているのでご注意ください。

日中漁業協定 - Wikipedia
Photo_4宮古毎日より引用

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原則としては、他国のEEZ内で操業する場合には、相手国の許可が必要です
当然、相手国漁船を取り締まることもできます。
ただし、日中漁業協定によって北緯27度以北は「暫定措置水域」として、互いに許可なく操業が可能です。

 問題はこの北緯27度線以南です。実はこの27度以南の水域は日中漁業協定第6条(b)によって棚上げとなっているのです。
つまり尖閣諸島周辺水域は、日中漁業協定の枠外であって、海保は領海にまで侵入されない限り、退去勧告すらできないわけです。
ですから、今回の日本政府の中国への抗議はすべて、「中国公船の領海侵犯」に対してのみ行われているはずです。

 このような約束を厳守する日本と違って、今回、中国が北緯27度以南の暫定水域にまで大挙して漁船を入れてきたのは、「お互いにもめたくないから棚上げにしておこうね」という大人の対応を、中国が一方的に破ったことになります。

 こんな無法な中国公船など、海上警備行動を発令して海自が打ち払ってしまえ、という意見も聞かれます。
気持ちは分かります。今回の現状を見てみましょう。
押し寄せた中国公船は15隻で、海保は1隻につきマンツーマンで挟み込むようにして2隻で対応しています。

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この海域は、海保第11管区海上保安本部が担当しています。
「尖閣警備専従部隊」を整備して、今年2月には大型巡視船「いぜな」「あぐに」を就役させ、大型巡視船12隻相当、ヘリコプター搭載型巡視船2隻の計14隻体制で日夜対応しています。

 ちなみに辺野古の海上警備も第11管区の仕事ですから、カヌー部隊の諸君たち、ただでさえ日本一忙しい第11管区の「海猿」たちをこれ以上、下手なカヌー遊びで煩わせないでほしいものです。

 こんな時期にそんなことばかりやっていると、「後方攪乱」と言われますよ。
それはさておき、今回のように一斉に15隻もの中国公船によって飽和攻撃された場合、当然のこととして海保は対応不可能になります。

 今は他の管区の応援で凌いでいますが、今後もなおこのような公船と漁船の飽和攻撃が続くなら、予算を倍増してでも2倍以上の体制にする必要があるでしょう。
イージス1隻諦めれば可能です。

 海自は今ていどの状況で、出動すべきではありません。
何が中国の意図か、よく考えて下さい。

 中国の狙いはエスカレーションなのです。

海保を挑発し、海自を引きずり出して小戦闘を交えて、この水域が紛争地域だと宣伝することが目的です。

 ここで海自が中国公船を排除すれば、中国の思うつぼです。
それは日本が先に軍隊を投入したことになるからです。
当然、中国は、「日本が中国の領海周辺で軍事挑発を開始した」とプロパガンダするでしょう。

 中国軍艦は、先日接続水域にまで侵入しましたが、原則として北緯27度線以北の海域を巡回しています。

 この状況で、日本が先に27度線以南の水域で、海自艦艇を出せば、日本が先にエスカレーションの階段を登ったと国際社会は理解します。
まさに昨日の記事にも書いたように、米国からさえ、「このように行動したら、結果はどうなるのか。どのようなメッセージを送ることになるのか」を問わない行動と非難を受けることになります。

 うぶん、イライラする神経戦は続きます。
ぶち切れないように、海保を応援していきましょう。
                         ~~~~
■「中国船の尖閣接続水域への侵入 宮古島市議会が抗議決議
沖縄タイムス2016年8月18日
【宮古島】中国船が尖閣諸島の接続水域に繰り返し侵入しているのを受け、宮古島市議会(棚原芳樹議長)は18日午前、市議会臨時議会を開き、同水域への入域に抗議する決議案を全会一致で可決した。中国国家主席、中国駐日特命全権大使に郵送する。
 抗議決議は、尖閣諸島は「日本政府が国際法上正当な手段で日本の領土に編入し、歴史的にも日本固有の領土であることは明らか」と指摘。尖閣諸島周辺の接 続水域や領海への中国船侵入に、「国際法を無視する行為は県民に強い衝撃を与え、漁業者へ大きな不安と恐怖をもたらしている」と訴えている。
市議会は尖閣諸島周辺の警戒監視体制の充実や周辺海域で操業する漁業者の安全確保などを求める意見書案と、県や県議会に領土・領海を守る取り組みを強化す るよう政府への働き掛けを求める要請決議案も全会一致で可決した。意見書は内閣総理大臣や外務大臣、国交大臣など6者に、要請決議は県知事、県議会議長に 郵送する。」

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[ 2016年8月20日 ]

 

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