アイコン 韓国の輸出に暗雲立ち込める 主要輸出業界を見る

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1、9月の韓国の輸出額は前年同月比▲5.9%減の409億ドル。

  主要輸出物は、「自動車」・「スマホなど電子・半導体・電気製品」「造船」・・・

 

<造船>

2、大宇造船海洋の巨額粉飾決算、造船大手3社の巨額赤字問題。

  日本を追い抜き久しく世界一だった韓国の造船業界、しかし、韓国造船業者同士で世界で造ったこともない海上プラントを安値競争で取り捲り、一昨年・昨年と完成・引渡しにおいて巨額赤字を3社とも露呈してしまった。大宇造船に至っては財閥解体以来政府系産業銀行の管理下であるにもかかわらず、粉飾決算まで露見させている。約1割に当たる1000人をリストラすると発表している。

韓国造船4位のSTXグループの中核企業であるSTX造船海洋は5月、負債額約3000億円を抱え、経営破たん。中国子会社のSTX造船大連も昨年3月約3000億円の負債を抱え倒産させていた。

現在、大手3社とも金融機関の管理下にあり、子会社や資産売却を行いリストラ中、選別受注強化により受注も激減している(世界不況などにより世界の発注量も減っている)。1~2年で受注残もほとんど食い潰す状況にある。

韓国最大の海運会社であった韓進海運(所属船141隻、世界第7位のコンテナ船運航会社)も、政府の無策により8月末、負債額約5200億円を抱え経営破たんした。海運会社は傭船も含め密接に韓国の造船会社と関係しているが、今後、見込めなくなった。

<自動車>
3、1~8月の韓国の自動車輸出台数は、前年同期比▲14.4%減の169万2906台と大幅に落ち込んだ。これまではドイツ、日本に次いで世界3位だったが、メキシコに抜かれて4位。
国内生産台数でもインドに抜かれ6位に後退している。
 韓国の自動車業界は、現代自動車と傘下の起亜自動車が抜きん出ているが、両社ともすでに海外工場での生産が多く、中国では現在2ヶ所(計50万台年生産可)工場建設中でもあり、韓国での生産を増加させる予定はない。
大票田の中国では新工場生産も計画される中、販売は中国勢に追い立てられ、販売不振に陥っている。最近の販売台数の増加は、昨年悪すぎた反動と大幅値引き効果によるもの、新工場創業の暁にはどうなるのか、ソウルの本社ビル建設にも霞がかかろうとしている。

4、高給取りの現代自動車の従業員(正社員の平均年収900万円+α)のストによる生産減。

5、韓国国土交通部は、現代自が昨年6月に製造した「サンタフェ」の助手席のエアバッグが「センサー設定ミス」などで正しく作動しない可能性を把握していながら、これを法に定められた30日以内に政府に届け出なかったとして、9月30日に同社を検察に告発している。

6、現代自「i30」と起亜自「ソレント」のエアバッグ作動異常、
現代自「サンタフェ」「ツーソン」などのエンジンオイル漏れなどの問題も発生している。

7、米国では9月、シータ2エンジン(=GDIエンジン)搭載のYFソナタ(2011-14年製)約88万台に対し、米消費者の集団訴訟により無償のエンジン点検と修理、保証期間の延長などに合意した。これを受け、韓国当局は、韓国内で販売した同型のエンジン搭載車の調査に入った。(原因は米エンジン工場において、エンジンの金属に不純物が混じり、エンジン自身が急劣化した結果としている・・・あまり考えられないこと)

<電子製品・電化製品・半導体>
8、サムスン電子の縦型乾燥洗濯機が、米国で爆発問題を発生させている。米国特有の弁護士事務所主導で集団訴訟問題にいたっている。

9、サムスン電子が、iPhone7より先に販売するとして8月19日販売開始した「ノート7」の発火問題、9月2日、出荷済の全250万台のリコール表明、販売停止、9月20日からリコールの電池交換開始、10月1日から販売再開、しかし、交換したバッテリーからも出火、10月10日までに全世界で販売停止、生産停止に至った。(なお、同時に販売された「7」のバッテリーに問題は生じていない)
 同社は、半導体と有機ELなど電子部門が利益を牽引している。ただ、自社スマホにも連動しており、その影響が心配されている。

10、LG電子は、家電は世界で好調なものの、スマホでは苦戦している。
以上、
これまでは、日本などが先行開発し市場を作り上げてきた業界や製品を、模倣・改良生産することで経済を牽引してきた韓国輸出業界、造船・家電・半導体などはその頂点に立っているが、同じ土俵で中国が台頭、今後、自らの開発新製品で世界市場を牽引する立場に至っている。
しかし、新分野の新製品開発には膨大な資金とリスクを伴い、目先利益を追い求め、リスクに対しては石橋を叩いて渡る性格も災いし、望めようもないのが現実となっている。
 

 

中国市場における韓国系車の販売台数推移
 
2014
2015
2016
/万台
台数
前年比
台数
前年比
台数
前年比
1月
17.52
7.5%
15.94
-9.0%
12.39
-22.3%
2月
11.74
11.0%
11.95
0.9%
9.28
-21.7%
3月
14.75
14.0%
16.25
10.2%
15.21
-6.4%
4月
14.27
8.7%
14.62
2.5%
14.22
0.5%
5月
14.31
10.0%
12.90
-9.9%
15.05
16.7%
6月
13.77
4.6%
9.77
-29.0%
14.69
45.5%
7月
12.52
12.3%
8.42
-32.7%
11.10
31.8%
8月
13.10
7.0%
9.62
-26.6%
12.41
29.0%
9月
15.23
11.9%
13.23
-13.1%
 
 
10月
14.95
19.0%
15.79
5.6%
 
 
11月
16.16
11.4%
18.02
11.5%
 
 
12月
18.28
25.5%
21.47
17.5%
8月までの累計
年計
176.61
12.0%
167.88
-4.9%
104.35
4.9%
中国
1,970.06
9.9%
2,114.63
7.3%
1,444.23
12.8%
・乗用車の工場出荷に販売台数(商業車除く )
・韓国勢の殆どは現代自と起亜自。
・販売増のため、大幅値引き合戦を行っている。

 

 
<2010年を100とした韓国の輸出指数>過去5年分
1012_03.jpg

 

[ 2016年10月12日 ]
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