アイコン 先細りする韓国の造船業界 大宇造船海洋は引き続き暗雲

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造船・海運市況を分析する英クラークソンが16日までに、手持ち工事量ベースの造船所の世界順位を発表した。
8月末時点で世界上位20位に入った韓国の造船所は5ヶ所だった。昨年末に比べ2ヶ所減った。一方で、中国の造船所は6ヶ所から7ヶ所に、日本も5ヶ所から6ヶ所に、それぞれ増えた。

韓国の造船会社は、今年受注獲得に苦戦しており、手持工事量で世界上位に位置する造船所の数も減った。造船市場は世界的に低迷しているが、自国の海運会社の発注で持ちこたえる中国と日本勢に韓国は押され気味となっている。(世界的な景気後退から、船会社や海洋油田会社からの発注が大幅に減少し続けており、さらに韓国のビッグ3は挙って、海洋プラント船などで大赤字を出し、支援する金融機関から選別受注の強化を指示されている)

手持工事量トップ3は、韓国造船大手の大宇造船海洋、サムスン重工業、現代重工業の順で、変動はない。
しかし、4位だった韓国・現代三湖重工業が中国に抜かれ5位に後退し、韓国・現代尾浦造船所も6位から8位に順位を下げた。韓国の造船所は城東造船海洋と(経営破綻した)STX造船海洋がトップ20から外れたほか、20位より下でもほとんどの造船所が順位を大きく下げた。

業界関係者は「韓国の造船所では建造が続いているものの、受注が減っているために手持ち工事量の減少幅が比較的大きい」と説明した。

クラークソンによると、今年1~8月に中国勢が130隻を受注したのに対し、韓国勢は37隻の受注にとどまった。韓国の受注実績の減少幅は中国を上回っている。
以上、韓国紙参照

<生き残れるか世界ビッグ3一角の大宇造船海洋>
こうした中、マッキンゼーは、(粉飾決算と大赤字の)大宇造船海洋の独自生存の可能性は低いと結論付けた。
その根拠は、来年4月から11月まで9400億ウォン(約858億円)の社債を償還しなければならず、人員削減にも費用がかかる。資産売却しても追いつく金ではない。また、大赤字の海洋ボーリング船も引き渡しとなる。
これに対して、政府系の産業銀行は昨年、大宇造船に対して4兆2千億ウォンを支援することを明らかにしている。しかし、その前提になっているのが今期108億ドルの受注計画だった。しかし、世界同時不況から船舶の発注量は減少し続け、また、赤字受注を回避させるため選別受注も強化させている。その結果、今年6月には計画を62億ドルにほぼ半減し、さらに最近では35億ドルまで減らしている。

このままでは、前提が崩れ、4兆2千億ウォンの支援を受けられるかどうかも不明であり、政府が緊急発注する軍艦なども含め受注が減少し続ければ、おのずと淘汰されることになる。また、韓国特有の強力な組合が控え、人員削減などに反対をしてストでも打てば、さらに費用は増加することになる。
以上、
世界第8位の海運会社であった韓進海運を政府が破綻させたことも、今後、造船業界は自国企業からの受注が減ることになってしまった。
韓国の造船業界は、世界№1の造船国として君臨し続けた結果、巨大になり過ぎ、政府の手に負えないものになっている。
構造調整が必要だろうが、韓進海運に見られるように、政策不在となっている。大宇造船海洋については、財閥解体の2000年から政府系の産業銀行が筆頭株主(韓国産業銀行 31.26%、韓国資産管理公社 19.11%)であり、最大の融資銀行かつ軍艦や潜水艦など軍事企業の側面も持ち、潰すわけには行かない事情もある・・・。

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[ 2016年10月17日 ]

 

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