アイコン 防衛省報告書 オスプレイ事故原因を「乱流」とする

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沖縄県知事の翁長雄志氏は19日、急きょ開かれた記者会見において、今回のオスプレイ飛行再開について「言葉を尽くしても尽くしきれないほどの、怒りとむなしさを感じる」。述べている。

飛行を容認した日本政府に対しても「日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない」と不信感をあらわにした。

そもそも今回の事故は機体の構造上の問題ではないことははっきりしている。
飛行訓練再開は当然のことであり、何ら問題はない。
翁長知事にも、(農と島のありんくりん)を読むことをおすすめしたい。

農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/

移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する

防衛省報告書 オスプレイ事故原因を「乱流」とする

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もう私はオスプレイ事故から離れて、別のテーマに行きたいのですが、飛行訓練再開となったせいなのか、騒ぎは続きますね。

飛行訓練再開は、機体の構造上の問題ではないので当然です。
夜間飛行訓練時に起きたわけですから、それについては事故原因が特定されて、対策が打たれるまで一時中止となります。

あくまでもこれらは米軍の判断であって、米軍は独自判断で済ませることも可能ですが、日米同盟の建前上、日本政府に配慮してあらかじめ打診しただけのことです。
ましてやコメントにあったような、「地域の合意が第一」などということはまったくありえません。

あるとしても、接受国と相談程度のことです。

そもそも国の安全保障は国の専管事項であって、「地域との合意を第一」とはしません。
地方自治体とは相談はしますが、あくまでも決定権限は国にあります。
さて、飛行再開について、本土メディアにも「沖縄県民の怒りの声」ばかりが溢れんばかりに報じられています。

メディアは、こういう時にせめても航空専門家の意見を報じて、冷静な判断材料を与えるべきなのに、せっせと率先して燃料投下に勤しんでいるようです。
マスコミにかかると、不時着水は「墜落」、前部脚故障により垂直着陸して無傷だった事例は「胴体着陸」ときたもんです。

言葉のハイパーインフレです。

自分で煽っておいて、煽られた人たちが「怖い」といえば、「ほれ、見ろ。住民は怯えているぞ」と「怒りの声」を得々と報じるわけですから、なんともかとも。
マスコミによる煽りの自給自足体制です。こんなことばかりをやっていると、本質が見えなくなります。

今回の事故では、客観的検証がなされないままに、危険機プロパガンダが復活してしまいました。

ミソもクソも一緒にしたまま、感情論に流されてしまっています。

整理しておけば

①事故原因が機体の構造的欠陥にあるのか、あるいは給油機側の問題か、また訓練上に問題があったのか。※報告書では原因を「乱流」としています。

②パイロットが取った事故措置は妥当であったか否か。

③ニコルソン四軍調整官の発言問題はどうして起きたのか。

④翁長沖縄県知事の対応は妥当であったのか。
これらがきちんと切り分けられないままで、進行してしまっています。

「やはりオスプレイは欠陥機だ」と叫んでいたかと思えば、今度は「ニコルソンは生意気な植民地主義者だ」となり、機体の欠陥が公的に否定されればされたで、「こんな危険な訓練はするな」と言うわけです。

何が問題なのでしょう?

オスプレイの「機体の欠陥」ですか?それとも「米軍の傲慢な対応」?はたまた「危険な訓練」ですか?

自分の論理が一貫していないから、その都度くるくる論点がすり替わっていますが、場当たり的感情論なので、気がつきません。

機体の欠陥という最大の眼目に絞れば、もう既にほぼ解明されているのに、えんえんと恐怖を煽りたいのであれやこれや言っているだけです。

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さて、ほとんどのメディアが無視していますが、防衛省が今回のオスプレイ事故の概要を公表しています。

http://www.mod.go.jp/j/press/news/2016/12/19b.html
本来はこういう資料を材料にして冷静に議論を進めるべきですが、報道が報道として機能せずにただのプロパガンダ機関に堕っしているために国民の目にふれることはありません。

報告書自体は、詳細な事故報告書ではなく概要にすぎません。
事故報告書は、機体のメカニカルな検証とボイスコーダーなどの飛行記録、関係者の聞き取りなどをせねばなりませんから、相当に時間がかかるからです。

したがって内容的にはほとんど私が記事で書いてきたことですが、新たにわかった箇所のみゴチック太字としておきます。

ただ一点注目点は、防衛省報告書は事故原因をこう記しています。
「給油が終了し、オスプレイのプローブとMC-130の給油ホースを分離させた後、21時5分頃、乱気流等により、給油ホースとオスプレイのプロペラのブレード(羽)が接触し、ブレードが損傷した」

乱流ですか。なるほどもう少し追加情報が欲しいところです。
以下、防衛省資料です。

※おことわり

「突発的乱流」と表記しましたが、乱流は突発的に起きるものですが、報告書にはただ「乱流」とありますので、その表記に従って修正いたしました。
                      ~~~~~~
■沖縄県名護市沖に不時着水したMV-22オスプレイについて
                                       平成28年12月19日
                                               防衛省
 防衛省は、今月13日に沖縄県名護市沖に不時着水したMV-22オスプレイ(以下、「オスプレイ」という。)について、事故直後から、在日米軍から情報提供を受け、継続的に様々な照会を行ってきたところ、本日までに確認された事故の概要、事故の状況及び原因、米側が取った対策並びに飛行再開に係る情報については次のとおりです。
■1.事故の概要
・ 2016年12月13日(火)、21時30分頃、沖縄県名護市東海岸の沖合で、米海兵隊普天間基地所属のオスプレイ1機が不時着水した。

・ 搭乗員5名は無事(うち2名は負傷したため入院したが、意識あり。1名は12月15日(木)に退院。1名は19日現在経過観察のため引き続き入院中)。

■2.事故の状況及び原因
・ 不時着水したオスプレイは、沖縄北東の海上で、他のオスプレイ1機とともに米空軍嘉手納基地所属MC-130×1機から空中給油を受ける夜間訓練を実施していた。空中給油訓練は、常に陸地から離れた海の上空で行っているが、事故当時も陸地から数十Km離れた沖合上空で実施していた。当時の天候は、強風により良好なものではなかったが、夜間空中給油訓練に関する既定の条件の範囲内であった。

・ 空中給油機から出される給油ホースにオスプレイ側の受け手の給油管(プローブ)を差し込み、給油が行われた。給油が終了し、オスプレイのプローブとMC-130の給油ホースを分離させた後、21時5分頃、乱気流等により、給油ホースとオスプレイのプロペラのブレード(羽)が接触し、ブレードが損傷した。

・ オスプレイの空中給油に際してこのような接触が発生したのは、今回が初めてであり、詳細な原因につき、現在、調査が行われている。

・ オスプレイのブレードの損傷は回転するうちに大きくなり、飛行が不安定な状態となった。パイロットの判断により、訓練地点から相対的に距離が近いキャンプ・シュワブを目的地として飛行する中で、地元への影響を極小化するため海岸沿いを飛行していたが、途中辿り着けないことが分かったため、パイロットが意図した地点である浅瀬に不時着水した。

・ したがって、本件事故は、搭載システム、機械系統及び機体構造を原因とするものではなく、空中給油に際して給油ホースとオスプレイのプロペラが接触したことによるものである。
■3.米側が取った対策
・ 日本におけるオスプレイへの昼夜全ての空中給油を一時停止。

・ その上で、搭載システム、機械系統及び機体構造についても、安全性を改めて確認するため、飛行を一時停止し、米側において普天間基地所属のオスプレイ全ての機体に対し、機体構造、電気系統、エンジン、油圧機構等の飛行安全上の重要箇所全てについて確認したが、問題は発見されなかった。

・ さらに、不測事態発生時における安全手順について、搭乗員の理解度を再確認するため、搭乗員全員に対し集合教育を行った。
■4.飛行再開
 詳細についての調査は継続中であるが、今般の事故の原因は、もっぱら空中給油中に当該航空機のプロペラのブレード(羽)が給油ホースに接触したことによるものであると考えられることから、次のとおり対処することとする。

・ 昼夜ともに空中給油の再開にあたり慎重かつ段階的なアプローチがとられる。空中給油は、集合教育、手順の確認及び地上におけるシミュレーションなどの手順が完了した後に実施される。

・ その上で、その他の飛行については、オスプレイの機体自体の安全は確認されたことから、12月19日(月)午後から再開する。
■5.日本政府の評価

・ 本事故の状況・原因及び同日に発生した脚部故障事案への対応(別添参照)に関しては、これまで米側から得た情報等に基づき、防衛省・自衛隊の専門的知見に照らせば、合理性が認められる。

・ 米軍は、本事故の発生原因に関わる空中給油については、集合教育、手順の確認、地上におけるシミュレーションが完了した後に実施することとしている。

・ 米軍は、本事故がオスプレイの搭載システム、機械系統及び機体構造が原因ではないと考えられる中で、同日に別のオスプレイの脚部故障が発生したことも踏まえ、他の全ての機体について、脚部を含む点検を実施し、問題がないことを確認している。

・ 以上を踏まえると、本日19日午後から空中給油以外の飛行を再開するとしたことは理解できるものと考えられる。

・ 今後、空中給油の再開の前に、同種事故の防止のために米側においてとられた安全上の措置について、引き続き日本政府に対する具体的な情報の提供を求め、米側もこれを了承した。
                                             以 上
                       ~~~~~~~~
もうひとつ、前部脚の故障事故(マスコミ名称「オスプレイ胴体着陸事故」)についても、レポートされていますので、掲載しておきます。
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2016/12/19b_1.pdf

■MV-22オスプレイの脚部故障事案について
防衛省は、MV-22オスプレイの脚部故障事案についても、在日米軍から情報提供を受け、継続的に様々な照会を行ってきたところ、本日までに、事案の概要と米側の対策に係る情報を得ましたのでお知らせします。

■ 事案概要
・ 12月13日(火)、米海兵隊普天間基地所属オスプレイが、今般不時着水したオスプレイに給油した空中給油機と同じMC-130から空中給油を受けた後、不時着水したオスプレイからの救難連絡を受け、着水現場に向け飛行し、救難要員が到着するまでの間、空中監視を行っていた。

・ その後、空中監視任務を終えて普天間基地に帰還したが、機体に格納されている着陸装置(脚部)を機体から出すことができなかった。

・ 当該オスプレイは、同日23時45分頃、垂直離着陸モードにて、着陸時の衝撃を吸収するパッドの上に緩やかに着陸した。

・ これは、着陸前に脚部が機体から出ない場合に安全に着陸するための確立されたマニュアルに従って行われたものである。

・ 当該機の脚部以外の全ての機能は正常であった。

・ 負傷者及びオスプレイの機体も含め財産被害はない。

■ 米側の対応
・ 当該オスプレイに対し、修理と検査が行われている。

・ このほか、全ての普天間基地所属オスプレイに対し、脚部を含む機体の点検が行われ、問題は発見されなかった。

・ 着陸前に脚部が機体から出ない場合の手順は、搭乗員の理解を徹底するため、常日頃から継続的に搭乗員全員に対し確認している。
                                               以上
※改題しました。

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[ 2016年12月21日 ]

 

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