エアバッグ問題のタカタ(株)(東京)/民事再生申請へ 負債額は1兆円超か
エアバッグ等自動車部品のタカタ(株)(東京都品川区東品川2−3−14、代表:高田重久)は16日、早ければ来週中、遅くとも今月中にも東京地方裁判所へ民事再生法の適用申請を行うと報じられている。
負債額は1兆円を超える可能性がある。
これは、エアバッグ問題で、タカタ側は、原因や責任所在が明確になっていないとして、リコール費用の多くを自動車メーカーが負担しており、その自動車メーカーが民事再生において、その費用を届け出ることにより膨らむ。
同社の簿内の負債額は2017年3月期では約4007億円であるが、自動車メーカーが負担している分が届けられれば、負債額は1兆円を超えてくるものと見られている。
タカタは、支援を仰ぐ中国寧波均勝電子傘下の米自動車部品メーカー、キー・セーフティ・システムズ(KSS)との合意を目指しているが、民事再生申請前には合意を得られない可能性があると見られている。
再建構想は、KSSと新会社の(新)タカタを設立して、シートベルトやエアバッグなど現業部門を、新社へ譲渡し、リコール費用や訴訟費用などの債務は旧社に残し、債権者へ弁済を担ってくというもの。
事業継続のため、部品の安定供給を図るため、金融機関は下請け企業などへ支援し続ける。
エアバッグ問題は、米国など海外で16人が死亡、負傷者が150人超に上っているという。リコール対象は世界で1億個に膨らみ、リコール対応する費用総額も1兆円を超える見通し。
なお、米国子会社のTKホールディングス(ミシガン州)も日本の民事再生法に当たる米連邦破産法11条の適用を申請する予定。
タカタ(株)業績推移
|
|||
連結/百万円
|
2015年3月期
|
2016年3月期
|
2017年3月期
|
売上高
|
642,810
|
718,003
|
662,533
|
営業利益
|
32,958
|
42,133
|
38,958
|
経常利益
|
40,657
|
35,206
|
42,999
|
当期利益
|
-29,558
|
-13,075
|
-79,588
|
総資産
|
475,435
|
443,036
|
430,954
|
自己資本
|
147,224
|
121,803
|
30,250
|
負債額
|
328,211
|
321,233
|
400,704
|
資本金
|
41,862
|
41,862
|
41,862
|
有利子負債
|
86,308
|
84,054
|
83,978
|
自己資本率
|
31.0%
|
27.5%
|
7.0%
|
コメントをどうぞ