アイコン 米経済NOW 製造業リセッション 消費も来年早々か

Posted:[ 2019年9月10日 ]



「真っ赤なうそだ。大統領はそれを承知だ」。
米ウィスコンシン州で農機メーカー、クーン・ノース・アメリカの工場を経営するグレッグ・ペトラス氏は不満を隠さない。
中国との貿易戦争は、クーンにコスト上昇と売り上げ減少というダブルパンチを浴びせている。
関税のコストは中国が負担していると、大統領が話すのを運転中にラジオのニュースで聞くたびに、ペトラス氏はハンドルを拳でたたき、「なぜそんなことを国民に言うのだ」と声を上げるのだという。

約600人を雇っているクーンでは、250人程度がレーバーデーの祝日を挟んで2週間の自宅待機扱いとなった。自宅待機は10月初めにも予定されている。夏の社員ピクニックは中止せずに済んだが、週末シフトは廃止。設備稼働率は50%まで落ちた。研究開発(R&D)用の新施設建設は棚上げとなった。

米経済がリセッション(景気後退)に向かっているかどうかの議論は活発だ。だが、ペトラス氏とクーンの社員らを取り巻く経済の一角では、すでにリセッション入りを示す兆候がたくさんある。
米国の製造業では不確実性の高まりと設備投資の抑制、輸出の不振、ドル高、関税による仕入れコストの上昇で、状況は1年前より悪くなった。



米供給管理協会(ISM)が3日発表した8月の製造業総合景況指数は、市場の予想外に低下し3年ぶりに活動縮小を示した。

トランプ政権最初の2年には、製造業の雇用が大幅に拡大したが、これも地域によっては反転している。
6日発表された8月の雇用統計によれば、製造業の雇用者は全米で年初から4万4千人増加したが、前年同期の17万人増からからは著しくペースが落ちた。
シンクタンクのエコノミック・イノベーション・グループのデータによれば、ウィスコンシンやペンシルベニアなど大統領選の鍵を握るとされる州を含む22州では、製造業の雇用者が1~7月に減少した。
以上、
トランプのツイッター砲はフェイクニュースばかり。
書き示されているとおり、関税が上昇し、輸入コストが上がり、また、労働コストも上昇し製造コストが大幅増加、GDP1位2位の米中貿易戦争激化で世界経済低迷、輸出鈍化、ドル高、設備投資様子見の減退、消費で持ってる米経済も、9月1日と12月15日からの15%課税は米企業が直接間接中国で製造している物品であり、消費者を直撃する。

トランプの失策は、著名な対中強硬派ばかりを取り巻きにしてしまったことだろう。それは軍事安保、政治、通商・経済に至っており、取り巻きにトランプは踊らされたと見られる。
トランプにとっては大統領再選に必死なのだが、強硬派の面々は次期政権がどうなろうと関係ないことである。

来年11月の大統領選挙を控え、これまでは民主党支持者も喜んだ対中強硬策であるが、今後は国民の消費を直撃する事態に、ますます窮地に自ら陥らせることになる。

そうした面々により貿易交渉内容を強化し続ける米トランプ政権に対して、中国は交渉の余地なしと見ており、交渉しても米国が譲歩しない限り、決して合意になることはないと見られる。

6月末大阪サミットの米中首脳会談で、ファーウェイに対する制裁解除発言、強硬派取り巻きの反対により、強硬派はファーウェイと北朝鮮との関係を報道機関にリークし報道させ、いまだ制裁したまま、トランプ自身も解除するつもりはないと発言している。

選挙を控える米大統領、選挙のない一党独裁政権の中国、貿易戦争で長期戦になれば、米国に勝ち目はない。それが体制の違いだ。
また、現在の経済軍事大国の中国にしたのは、米国の新自由資本主義自身であり、米国の大統領であり、問われるのは米国自身でもある。
2018年7月、340億ドル相当に追加関税25%
2018年8月、160億ドル相当に追加関税25%
2018年9月、2000億ドル相当に10%追加関税
5月10日、9月の2000ドル相当を10%から25%に追加関税引き上げ
9月1日、新たに1120億ドル相当iに追加関税15%(スマートウォッチ入る)
12月15日、新たにスマホ・パソコン、ゲーム機の一部1600億ドル相当に追加関税15%
※検討中、5月までの2500億ドルにつき、25%を30%に検討中(ヒアリング中)、10月にも発効する可能性あり。
・その後、上記全5220億ドルを30%に引き上げる計画。
ヒステリーと忍耐力の戦い。

↓<米ISMインデックス>
米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が製造業約350社の仕入れ担当役員にアンケート調査を実施して発表されるISM製造業景況感指数。


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↓<米製造業PMI、5年チャート>
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<米消費者信頼感指数>
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