日本監査役協会の岡田譲治会長は11日、関西電力幹部の多額の金品受領をめぐる同社監査役の対応について「個人的には(昨年9月の)調査報告を読んで、問題ないと考えたとしたら、おかしいと思う」と疑問を呈した。
関電の監査役は、社内調査報告で金品授受の実態を把握したにもかかわらず、「違法性はない」として取締役会に報告しなかった。
会社法では、取締役に法令違反や著しく不当な事実が認められた場合、遅滞なく取締役会へ報告する義務を監査役に課している。
関電は昨年9月、岩根茂樹社長、八木誠会長を含む20人が森山栄治元助役から約3億2000万円分もの金品を受領したとする報告書をまとめた。
報告書には、多額の金品を個人で管理していたことや、森山氏に対する原発関連工事の情報提供などが「会社全体を大きなリスクにさらすことになりかねない」と記載されていた。
監査役の一人は、「社外の弁護士が半数入った調査で『違法性はない』という結論だった。それ以上は追及する必要はないと考えた」と語っている。