アイコン 大阪有機化学工業/超親水性コーティング材開発 EV車などに朗報

同社は、超親水性コーティング材を開発し、平成25 年5 月17日に工業技術賞を受賞したと発表した。その製品開発要旨は次のとおり。

1)要旨
当社は、水の接触角が常に5度以下である超親水性を発現するコーティング材料を開発した。
本材料は様々な基材に対し、簡単なプロセスでコーティングすることが可能であり、その表面は超親水性の特長である「防曇」「防汚」などの機能を発現する。多岐に渡り応用が可能な本材料は自動車ガラスやメガネ、鏡、建築用の窓ガラス、汚れ防止塗料、農業用フィルム、医療機器などに好適である。

2)背景
自動車では燃料がガソリンから電気に変わるとき、エンジンの排熱も無くなるため、自動車のフロントガラスはより曇りやすくなる。電気で温風を作ることでも対応できるが、走行距離を長くするためには、高レベルの曇りにくい材料の開発が急務であった。

3)特徴、新規性
ポリマーを設計する場合、最も水溶性を出すためには水溶性モノマー100%の組成にする必要があるが、それでは基材表面に永久的に固着させることが困難。その課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、「片末端にシラノール基を有するポリマーブラシ材」が最も高いパフォーマンスを発現することが分かった。ガラス質表面のシラノールに対して、ポリマーブラシのシラノールが縮合することで基材表面に水溶性ポリマーが共有結合で固定化される。
本材料は、ガラス、金属(鉄、アルミ、銅など)に対しては直接表面を修飾することが可能。またプラスチックの場合はシリカ層を形成させることで、コーティングが可能。本材料でコーティングした材料は、安定して水の接触角が5度以下という超親水性を示す。またポリマーは電気的に中性を示すため、静電的な汚れが付きにくく、汚れが付いても水を流すだけで汚れが流れ落ちるセルフクリーニング機能を有する。

4)実績
現在、本材料は浴室鏡の曇り止めフィルムとメガネレンズで採用が決まり、末端商品での商品化が進んでいる。また自動車用フロントガラス、建築用の窓ガラス用フィルム、汚れ防止塗料、医療機器、農業用フィルム(ビニールハウスの防曇)などで実用化の検討が進んでいる。
本材料は、当社が長年蓄積してきた独自性の高い自社開発のアクリル酸エステルや紫外線硬化技術、特殊重合技術が応用されている。
紫外線硬化や熱硬化に対応することで、幅広い基材への応用が可能になり、従来よりも高い親水性を示すコーティング表面を実現している。
今後、量産技術などの完成度を高めるとともに、市場への展開を進めていくとしている。
以上。
当制品は視界不良の曇り止め効果を発揮することから、ビッグ商材に発展する可能性を秘めている。
 

[ 2013年5月22日 ]
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