アイコン 中国TCL集団 世界のTVを牽引へ サムスンの驚異へ

  過去、日本家電メーカーが世界のTV家電業界を席捲したころ、韓国勢の安価な液晶TVが市場を少しずつ駆逐していた。特に新興国がBricsと持て囃され るようになると、新興国の家計取得は大幅に増加。そこに着目したのが韓国勢で、瞬く間に新興国市場を凌駕していった。それに対し、日本勢は高品種、高付加 価値品へ駒を進め、韓国勢と差別化を図った。市場キャパがまったく異なる低・中流層向けの韓国勢に対して、日本勢は市場が小さな富裕層向けに特化してし まった。韓国勢は、瞬く間に世界市場を席捲、獲得した膨大な利益で高品種TVも矢継ぎ早に開発、リーマン・ショックを前後して、また、日本の一過性の地デ ジに浮かれた日本勢は完全に、(日本を除き)世界市場から駆逐されてしまった。

<同じことは起きる>
中国の電気機器メーカーTCL集団は、2013年上半期決算を発表、営業収入は390億6千万元(約6300億円/16.25円)で前年同期比31.5%増加、純利益は10億7千万元(約173億円)で同122.2%増加した。
このうちマルチメディア事業では、同20.3%増加の160億2千万元の営業収入を達成し、液晶テレビの販売台数は同20.7%増加の781万8千台に達した。同期にはTCLだけではなく、海信集団や康佳集団、長虹集団などのテレビブランドもそれぞれ成長を遂げた。
 業界筋によると、上半期に経済環境が低迷を続ける中、中国テレビ産業がモデル転換とグレードアップに成功したことがあると見ている。
TCLによると、収入と利益が伸びた重要な原因の一つは、ハイエンド製品の占める割合が上昇したことだという。
これまでのテレビ市場は、完全競争が展開される薄利の厳しい市場だったが、TCLを代表とする中国メーカーは、従来の市場の局面をうち破ることに成功。3Dテレビ、スマート・クラウドテレビに続き、ハイエンド製品である4Kテレビの分野で絶対的な優位に立ち、ハイエンド市場への進出をよりどころとして、より高い付加価値を獲得することに成功した。

  TVの世界市場は、有機ELテレビがテレビの未来の方向性とされ、その他は過渡的な製品とみなされている。中国では、有機ELテレビについては、華星光電技術有限公司は第8.5世代テレビ生産ラインを建設し、有機ELテレビの生産を検討している。のた、長虹や京東方科技集団株式有限公司なども有機ELテレビの研究開発プロセスを積極的に推進している。

中国テレビ産業は、有機ELテレビの研究開発を加速すると同時に、4Kテレビの発展チャンスをしっかりつかまえ、4K産業の発展の主導権を握りつつあり、すでに巨大市場である中国市場では主導権を握っている。
中国製テレビは、中国4Kテレビ市場で95%近いシェアを獲得し、日韓ブランドをはるかに上回っている。
中国TV市場では、日韓勢が3Dテレビやスマート・クラウドテレビおよび4Kテレビで大きく後れを取っているのが現実だ。
シャープは今年7月に初めて普及タイプの4Kテレビを発表し、特大サイズで超高価品は、韓国のサムスンやLG、日本のソニーなどの4Kテレビと変わらず、一般消費者の手の届くものにはなりそうもない。
 一方、中国勢は、4Kテレビ普及推進の主役となっており、中国の4Kテレビ技術も成熟、ハイエンドモデルには4コアCPUと最新のアンドロイド4.2システムが搭載され、最高品質の4K視聴効果が実現されている。
中国勢の強みは、4Kテレビの価格を一般消費者が買ってみようという気になる金額まで率先して引き下げていることにある。
こうしたことから、中国製テレビは、業界の追随者から主導者への脱皮を遂げ、今年第1四半期(1-3月)にTCLは初めてシャープとソニーを抜き、世界のテレビメーカー上位3社に名を連ねた。
中国勢は下半期についても楽観的な味方が広がっている。4Kテレビの大流行やスマート・クラウドテレビの普及にともない中国テレビ市場はさらに急速な発展を遂げるとみられる。またTCLが4Kテレビでの圧倒的な優位を世界でも獲得しつつある。
以上、参考:中国人民網

 中国は、世界市場が巨大な分野では、国有系の金融機関が全面的にバックアップしており、その成長は目覚しいものがある。肝心の品質管理には、日本製の品質チェックのセンサー機器が多用され、品質レベルも並行して向上している。巨大市場である中国で利益を稼ぎ出し、その利益で新技術開発製品を造り出すパターンは、過去の韓国勢の例と類似している。

<4K>
4K解像度とは、横縦の解像度を意味する4K2Kと呼ばれることもあるように、横4,000×縦2,000前後の解像度に対応した映像に対する総称。
4K UHDTV(4K UHD)はITUが定めた規格でフルハイビジョンのちょうど4倍の画素数の映像。
テレビ受像機は、2011年12月に東芝が世界で最初に商品化した。アメリカではSEIKIから1499ドルと低価格のテレビが発売されている。日本においては2014年7月から、4Kテレビ放送を開始する方針。韓国ではケーブルテレビによる4Kテレビの試験放送が2013年7月から開始されている。

<日本の後進性>
 パナ社がスマートTVのTV-CMを行おうとしたところ、ネットにTVを奪われるとして、TV放送業界がTV-CMを拒否している。こうした通信行政を司る総務省も時代遅れながら、既得権にしがみ付くTV放送業界もすでにガラパゴス化しているといえよう。 
これでは、日本勢は、TVを核とした次世代メディア産業では、スマホの米中国製(Iphone)や韓国製(GALAXY)のように、次世代メディア対応機器の市場を完全に奪われてしまうことだろう。

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[ 2013年9月 4日 ]
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