やっと同社冷凍食品の製造工程で、農薬マラソンをバラ撒いていた犯人が検挙されたが、６４０万個に及ぶ回収とその費用の損害、信用毀損・販売機会の損失は計り知れないものとなっている。　今後、被害者による慰謝料や医療費の請求を受ける可能性もある。
同社では今３月期の決算予想を、回収関連費用等で３５億円計上など、次のとおり下方修正した。
なお、犯人は、８年間もマルハニチロ子会社のアグリーズで契約社員として働き、正社員に登用されることもなかった。また、昨年導入されたという能力賃金制で少ないボーナスもさらに減じていたといい、仲間の社員たちに給与等の不満を漏らし、上司にも報酬の不満を上申していたという。
不景気で仕事にありつけるだけましとの考え方もあるが、一方で派遣や契約社員が大量導入され、低賃金に据え置かれ、本格的な消費拡大は望めそうにない時代に入っている。
こうした問題や会社情報の漏洩は、首切られた人たちや派遣・契約社員など非正規雇用組により生じているケースが殆どである。当然、不満が根底にある。
もう今の日本の企業に、愛社精神を持つのは経営者だけのようだ。ここまで日本企業をダメにしたのは、政治もさることながら、目先しか見ない財界などの経営者たちの玉の小ささによるものだ。