VW排ガス不正 米販売店の損失補償12億ドルで和解 1100万台の問題車両
VWの排ガス不正の顛末
1、所有者と当局との和解は147億ドル
2、州との和解は6億300万ドル
3、販売店損失補償和解は12億ドル
別途、
3、州当局の訴訟
4、投資家の集団訴訟
リコール
1、2.0リットル対象車
2、3.0リットル対象車
VWは25日、排ガス不正問題をめぐる米訴訟の和解の一環で、米国の652の系列販売店に損失補償することで原則合意したと発表した。補償額は12億ドル(約1200億円)前後と見られている。
この結果、VWが米国で和解コストとして支払う額は車の所有者や当局が起こした訴訟も含めて計165億ドルとなった。
これに加えて同社は、米国で州当局による提訴や投資家の集団訴訟のほか、ドイツと韓国でも問題を抱え、これら3ヶ国で刑事訴訟の被告となる可能性もある。
系列販売店側の代理人を務める弁護士は発表資料で、VWは消費者や独立系販売店を対象にしたプランと同条件で、修理不可能な中古車を買い戻すと説明。ただ具体的な和解額は明らかにしなかった。VWは別の資料で、系列販売店への現金支払いやその他補償で合意したと発表した。
VWは既に、147億ドルの支払いで車の所有者および米司法当局、カリフォルニア州規制当局と合意。
同合意では、排気量2.0リットルのエンジンを搭載する車両48万2千台の修理ないし買い戻しを求められた。また、44州に6億300万ドルを支払うことでも同意している。
サンフランシスコの連邦地裁のチャールズ・ブレイヤー判事は25日、2.0リッター・エンジン車の保有者らとの和解を7月暫定承認したが、3.0リッター・エンジンを搭載した車についても解決を急ぐようVWに要請している。
同エンジンの修理計画と、その有効性を示す証拠を10月24日までに米当局に提出し、11月3日に同判事に折り返し報告するよう命じた。
販売店側の弁護士は、合意案を数週間以内に提出する見込みだと明らかにした。
以上、ブルームバーグ参照
<韓国をクリアしなければならないが・・・>
韓国では、(法律上)リコールのみの補償しかせず、当局が米国並みに補償せよと息巻いている。VWも韓国の該当車約12万台に対しては、米国とは異なり支払う根拠がなく、支払う意思もない。
そうしたことから、韓国当局はディーゼル車の輸入車全車を検査、特にVWは過去に遡り、輸入車の(韓国輸入当局との癒着とも見られる)不正を山ほど暴き出してきた。32車種の計8万3000台の性能成績書偽造などで認証取り消しや、VW関係者(韓国法人の韓国人幹部)が逮捕されてもいる。
そうした韓国の調査の一環で、日産のキャシュカイも槍玉に挙げられた。
VWは、韓国では所有者からの裁判も起こされており、このままだと、世界の常識など通用しない自国最優先の判決しか出さない裁判所であり、VWは米国並みの膨大な請求が認められる判決が出る可能性もある。
あまりにも内容が厳しい場合VWは、ISD条項に基づき、国際仲裁裁判所に逆提訴する可能性もある(韓国はEUと自由貿易協定を締結している)。
<ドイツ・米国以外に770万台販売>
VWの不正ガス車は世界で約1100万台、うちドイツが約280万台、米国約50万台、その他の国々での販売台数は770万台にものぼり、米国での制裁や判例が、米国以外の国に影響を及ぼせば、VWの存立にかかわるおそれがあり、他国で簡単に認めることはできない事情がある。
(なお、VWは中国や日本ではディーゼル車の生産や販売を行っていない)
<きつい下請け納品価格の値下げ>
こうした、事情からかVWは、部品の納品業者に対して、大幅な値切り交渉をしており、エンジン部品などの大手2社がサプライチェーンから外された。怒った2社は過去受注して納品する予定の契約中の部品を納入せず、VWのドイツ10工場のうち6工場がストップする事態に至っていた。それほど厳しい内容になっているようだ。
台数が台数だけにリコールの改修も大幅に遅れている。
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