半導体のルネサスエレクトロニクスが英半導体設計会社のダイアログを買収する。
ルネサスはかつて日立と三菱電の半導体製造会社を2002年に11月に統合して設立された非メモリー系半導体製造会社、2010年4月にNECの半導体子会社も合流して今日がある。
ブルームバーグの報道と同社リリースによると、ダイアログは7日、ルネサスの買収提案を受けて交渉を始めたことを発表。買収価格は49億ユーロ(約6220億円)。ルネサスは現金買収を提案している。
1株当たり67.5ユーロだ。独フランクフルト証券市場に上場されたダイアログの先週末の株価より20%ほど高い価格となっている。
最近ダイアログの株価は、アップルへの5G部品を追加納品決定と、買収される可能性があるという説が出回って上昇が目立っていた。
ダイアログは「適切な時期に追加発表があるだろう」と付け加えた。
ルネサスは車両用パワー半導体に強く、車載用では世界最大級。同社は2019年3月には米半導体企業のIDT(アナログ半導体やアナログ+デジタル半導体混合の半導体設計製造会社)を60億ドルで買収するなど規模を拡大している。
ルネサスとしては、車両用半導体は完全自動運転車に向けて今後とも拡大すると見込み、買収を決定したものと見られる。
なお、自動車向け半導体は昨年10月、旭化成子会社の半導体製造会社の大規模火災もあり、品不足に陥っている。同社が製造していた車載用半導体は世界で2社しか製造しておらず、もう1社の独社は手間隙かかり儲からないことから、製造主流をゲーム機向け半導体にシフトしていた。そのため、世界中の自動車メーカーはサプライチェーンが寸断され、世界的な半導体不足、自動車工場の操業停止に追い込まれている。
また、独社が急遽、自動車向けの生産を拡大させたことから、今度はソニーやマイクロソフトのゲーム機向けの半導体が不足し、ゲーム機も半導体が不足し製造に遅れが生じ、供給不足に陥っている。
旭化成は一部を台湾TSMLなどに製造委託していたことから、自動車業界の要請も受け急遽TSMLも増産体制に入っている。
そんなこんなで自動車向け半導体は全般品不足に陥り、高騰している。
スクロール→
ルネサス決算
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連結/百万円
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18/12期
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19/12期
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20/12期予
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IFRS基準
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売上高
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756,503
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718,243
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710,000
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営業利益
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68,196
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6,845
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営業利益率
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9.01%
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0.95%
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19.0%
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税前利益
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67,723
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257
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株主利益
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50,989
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-5,914
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総資産
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1,055,235
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1,667,359
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自己資本
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598,100
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620,666
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資本金
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10,699
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22,213
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有利子負債
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192,248
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771,759
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自己資本率
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56.7%
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37.2%
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