2020年度の飲食店倒産は715件 - 「酒場・ビヤホール」は過去最多更新
帝国データバンクはこのほど、2020年度(2020年4月~2021年3月)の飲食店事業者の倒産動向向について、集計・分析した結果を発表した。対象は、飲食事業を主業とする事業者(法人・個人事業者)で、法的整理かつ負債1,000万円以上。
2020年度における飲食店事業者の倒産は715件発生。2年連続で700件を上回り、過去3番目の倒産件数となった。月別にみると、6月が90件で最多、次いで7月が89件、4月が75件、3月が74件と続いた。なお、弁護士事務所や裁判所の業務縮小などの影響があった5月と、感染拡大第3波発生以降で営業時間短縮の協力金の効果などがあった12月以降は、前年度を大きく下回った。
オンキヨー厳しい救世主探し 上場廃止、経営瀬戸際に
音響機器メーカー、オンキヨーホームエンターテイメントが債務超過を解消できず、7月末ごろに上場廃止となる見通しになった。スマートフォンの普及で音楽の聴き方が変わり、オーディオ機器市場全体が縮小する中、事業転換を図れなかった。再建に向けた資本増強策はことごとく失敗。上場廃止で資金調達の道がさらに狭まり、経営は瀬戸際まで追い込まれた。
オンキヨーは2020年3月期に債務超過に転落。上場廃止を回避するためには21年3月末までに債務超過を解消する必要があった。取引先が持つ債権の株式化で債務を圧縮したが補えず、頼みの綱だった英領ケイマン諸島の投資ファンドと直前まで協議を重ねたものの、期待した金額を調達できず、3月31日に「誠に遺憾ながら、上場廃止基準に抵触する見込みとなった」と発表した。