アイコン スーパーゼネコン4社ランキング 4社計の業績・受注・受注残の状況 官・民・海外 

Posted:[ 2021年5月27日 ]

スーパーゼネコン4社合計の業績・受注・受注残の状況 官庁工事20%受注増
スーパーゼネコン4社の2021年3月期の業績および受注と受注残をまとめてみた(スーパーゼネコンは非上場の竹中入れて5社だが、竹中は別途掲載)。
スーパーゼネコンを見ることで、ほかのゼネコンの業績動向も窺い知れようが、大型土木工事や再開発事業などはやはりスーパーゼネコンが総合力や底力で分があることは歪めない。

<業績>
2021年3月期のスーパーゼネコン4社は挙って減収減益となっている。減収幅は▲12.2%、減益幅は▲16.0%に及んでいる。ただ、営業利益率は7.8%から7.3%と0.5ポイントしか落ちておらず、売上高の減少により利益が減少している。
ほかのゼネコンに比べてもスーパーゼネコンは高い営業利益率を維持している。その原動力は官庁土木の大型工事は利益の宝庫となっていることによるものだろう。

当期は新コロナで内外とも混乱の状況にあり、今期はある程度落ち着くものと見られ、4社合計で売上高は前期比7.5%増の7兆11百億円を見込んでいる。
なお、利益については、大幅な減益を予想しているが、スーパーゼネコンは公共投資を多く受注している関係から、ボッタクリ批判をかわすため、毎年当初は低くおさえ、決算が近づくに連れ修正、ここでは評価しない。



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スクロール→

スーパーゼネコン4社合計の業績

連結/百万円

売上高

営業利益

営利率

当期利益

4社合計

20/3

7,533,416

586,507

7.8%

437,399

21/3

6,610,683

481,126

7.3%

367,032

前期比

-12.25%

-17.97%

 

-16.09%

今期予

7,110,000

365,500

5.1%

272,500

/21

7.55%

-24.0%

 

-25.8%

 

鹿島

20/3

2,010,751

131,987

6.6%

103,242

21/3

1,907,176

127,298

6.7%

98,522

前期比

-5.15%

-3.55%

 

-4.57%

今期予

2,010,000

104,000

5.2%

80,000

 

大林

20/3

2,073,043

152,871

7.4%

113,093

21/3

1,766,893

123,161

7.0%

98,780

前期比

-14.77%

-19.43%

 

-12.66%

今期予

1,910,000

95,000

5.0%

71,500

 

大成

20/3

1,751,330

167,755

9.6%

122,087

21/3

1,480,141

130,516

8.8%

92,554

前期比

-15.48%

-22.20%

 

-24.19%

今期予

1,640,000

90,000

5.5%

63,000

 

清水

20/3

1,698,292

133,894

7.9%

98,977

21/3

1,456,473

100,151

6.9%

77,176

前期比

-14.24%

-25.20%

 

-22.03%

今期予

1,550,000

76,500

4.9%

58,000

 
<受注・受注残状況>
スーパーゼネコン4社は、2021年度から5ヶ年計画で始まる「国土強靭化加速度計画」を前に、官庁土木工事を2020年度に前期比で48%も受注を増加させている。
スーパーゼネコンにあり、2025年度まで官庁発注の土木工事は超安泰のようだ。ただ、官庁工事も建築は▲15%あまり減少している。
安倍政権の2013年からの国土強靭化政策、東京五輪特需、2021年からの国土強靭化加速度政策、土建国家立国の面目躍如。

民間工事は建築がまだ増勢基調で前期比3.6%増加している。東京都心に加え、都心周辺部や地方大都市でも再開発事業が行われており、駅前など土地区画整理事業の大規模再開発事業をスーパーゼネコンがほとんどを受注している。

受注残については、
4社合計の受注残は、官庁土木工事が牽引して6.4%増、約5000億円増加して8兆32百億円となっている。1社平均2兆円越えとなる。
(個別については、これまでにJC-NETで個別にゼネコン決算掲載分を参照のこと)

官庁工事が前期比12.4%増の1兆98百億円、再開発やリニアを含む民間工事も6.3%増加して5兆70百億円を有しており、前述の国土強靭化加速度計画も含めて2025年までは明るいものとなっている。

ただ、受注や受注残については、国内が儲かり忙しいことからか、海外受注が疎かになっており、鹿島に至っては、海外はよほどおいしい仕事しか受注する気もないようだ。受注は▲8割減、受注残も7%あまり減少している。ただ、東南アジアの新コロナ感染拡大の影響を受けたのかもしれず、今期も見る必要がある。
日本企業はお人よしであるため、海外では工事を完成させてもいつも難クセつけられ支払いをストップさせられ、小切り倒され、ほとんど利益を出せないのも現実、それが日本のODA工事であっても然りで情けない。中国や韓国企業並みに執拗且つ喧嘩腰が求められようか。

竹中工務店については、別途個別に掲載している(20/12期売上高は1兆,2377億円)。

 

 

↓スーパーゼネコン4社合計の受注と受注残(単体による)


スクロール→

スーパーゼネコン4社 受注合計

単体/百万円

20/3

21/3

前期比

官庁土木

513,945

764,613

48.77%

民間土木

546,597

526,771

-3.63%

海外土木

182,595

31,349

-82.83%

土木計

1,243,137

1,322,733

6.40%

官庁建築

429,312

365,340

-14.90%

民間建築

3,285,793

3,404,395

3.61%

海外建築

205,743

36,241

-82.39%

建築計

3,920,848

3,805,976

-2.93%

国内官庁

943,257

1,129,953

19.79%

国内民間

3,832,390

3,931,166

2.58%

海外工事

388,338

67,590

-82.60%

工事合計

5,163,985

5,128,709

-0.68%

不動産開発

178,816

180,826

1.12%

その他

9,268

8,081

-12.81%

受注総計

5,352,069

5,317,616

-0.64%

 

スーパーゼネコン4社合計 受注残

単体/百万円

20/3期末

21/3期末

前期比

官庁土木

1,034,742

1,187,376

14.75%

民間土木

862,408

889,873

3.18%

海外土木

269,003

250,720

-6.80%

土木計

2,166,153

2,327,969

7.47%

官庁建築

684,376

745,377

8.91%

民間建築

4,503,967

4,814,807

6.90%

海外建築

301,197

277,326

-7.93%

建築計

5,489,540

5,837,510

6.34%

国内官庁

1,719,118

1,932,753

12.43%

国内民間

5,366,375

5,704,680

6.30%

海外工事

570,200

528,046

-7.39%

工事合計

7,655,693

8,165,479

6.66%

不動産開発

163,990

156,939

-4.30%

受注残総計

7,819,683

8,322,418

6.42%

・リニア新幹線工事はJR東海が発注者で民間の土木や建築工事に分類される

 

 


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