名護漁協を分断する基地利権の裏側
古波蔵組合長の言葉は住民からも非難囂々だが、その古波蔵氏を背後から動かしていた人物こそ西川氏である。
西川氏は古波蔵氏と豊島氏を引き連れて防衛省や首相官邸、砂利業者等を訪れては、名護の”窓口”はアピールしてきた。
暴力団関係者とも右翼関係者とも言われる西川氏は、古波蔵氏といつから付き合うようになったのか。名護の土建関係者はこう話す。
「いつのまにか名護漁協『相談役の名刺を持って名護市内を歩くようになっていました。どんな人間なのか、何の目的で名護に来ているのか、不審に思う人は少なくありませんでした」しかし古波蔵氏は「基地に関する工事については西川さんに任せてある」とまで話すようになり、西川氏も「自分は古波蔵の代理人」だと公言するようにまでなっていた。
防衛省の名刺の影響力西川氏について調べるべく、私は大阪の土建業界に詳しい人物X氏のもとを訪れた。X氏はこんな話をした。「西川が沖縄に向かったのはひとえにカネ集めのためですよ。新しい米軍基地が建設されるというとき、工事に参入したい業者は大阪にもたくさんある。誰に依頼すれば参入できるのか当然考えるわけで、西川はそのことを重々わかっていた」X氏によれば、大阪の老舗商社阪和興業(株)(古川弘成代表取締役社長)は西川氏に3億円以上の資金を提供していたという。