アイコン 韓国の合計特殊出生率の低下が止まらない 2020年0.84まで下がる 日本も

Posted:[ 2021年10月13日 ]

韓国の2020年の合計特殊出生率は0.84で、暫定値ながら2019年の0.92を大きく下回った。(合計特殊出生率=一定期間に15~49歳までの女性が子供を産む人数/出生率)
出生率が1を下回るのは3年連続で、0.84は過去最低。
出生率は、2以上でなければ人口減となるが、0コンマ台だと加速度的に少子高齢化が進み、人口減少に至る。

韓国の出生率はOECD平均1.61(2019年)を大きく下回り、OECD加盟国中最低。韓国では2020年に生まれた子どもの数は27.2万人で30万人を切るのは初めて。2020年の大学の入学定員が約47.3万人であることを考えると(4年制大学約31.0万人、短大約16.3万人)、生まれた子どもの数がいかに少ないかが分かる。
このままだと今後多くの大学が廃校に追い込まれる可能性が高い(2020年の大学進学率は72.5%)。

地域別の出生率は
ソウルが0.64、
釜山が0.75、
仁川が0.81、
大邱が0.81、
光州が0.81
と大都市の出生率が全国平均を下回っている。
一方、出生率が最も高い世宗市でも出生率は2019年の1.47から2020年には1.28まで低下するなど、全地域(第一級行政区画)における出生率が2019年より下回っている。



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理由は大きく2つ。
その一つが、新コロナ感染症の拡大であろう。幼児ほど免疫力が強く、感染リスクは低いとされるが、当初はどんな影響が出てくるのかまったく不明だったことに起因している。
も一つは、女性および男性の結婚に対する願望が失せたこと。
その原因は、子育て世帯の経済的負担問題、未婚化や晩婚化問題などいろいろあろうが、女性の自立心が強力に作用しているものと見られる。男性社会中心で金銭、家庭内暴力、酒、喧嘩、家長制・・・離婚などほとんどが周囲に生じていることでもある。

韓国で一番出生率が高い世宗市は、遷都計画は修正されたものの多くの行政機関が移転しており、公務員として報酬が安定して若い世代が多いことに起因しているようだ。
世宗市の人口は2015年に20万人を突破、2020年には34.4万人まで増加している。人口急増の新興都市にあり、女性の比率が男性より高くなっている。行政府に付随する機関や関連業界、商業、教育など人口増加に伴う人口増の相乗効果が続いている。増加は若い世代に多く、少子化対策の政府の支援も相乗的な効果を得ており、文政権の公務員増の政策も寄与している(2017~20年までに正規公務員約15万人増)。
結局、少子化対策は、生活できるだけの安定した報酬にあり、大企業⇒公務員・・中堅企業・中小企業・個人事業主に勤務する人たちの報酬が、大企業を頂点に1/4まで減り続けることにあり、それも安定せず、非正規雇用者の労働者率も日本並みに高く、そうした是正こそが対策となる。

それを是正するために近視眼的に動いたのが文在寅大統領、最低賃金を大幅に増加させ所得主導の経済成長を描いたものの、内需経済が不景気に見舞われている最中に執行し、大量の失業者を生み出し、就業の機会さえ失わせ、本末転倒の政策執行の時期となっていた。
結果、失業率を調整するため、膨大な予算により、特に高齢者や卒業予定の学生など実質失業者を何十万人も非正規雇用者として官庁や研究室で抱え込み、表面上の失業率を大幅に減少させてもいる。
皮肉にも文氏が大統領に就任した2017年から出生数も出生率も大幅に減り続けている。

それに対して韓国の若者たちは自己防衛に走り、一攫千金を夢見て金融機関から借金して株や仮想通貨投資に夢中、仮想通貨には今年1月から5月までに新規参入者が500万人も増加するという異常ぶりを見せている。
当然、若い人たちは、大金持ちになり、嫁さんをもらい、住宅を購入する算段だろうが・・・・、世の中そんなに甘くないのが現実。首都圏のマンション価格は現在も上昇し続けている。

見栄、権威主義により軍事費を膨張させ続けるより、高齢者の年金の増額に使用した方がよほど経済や高齢者のためになろうか。社会主義者の欠陥であるこうした権威主義が頭をもたげて5年目を迎えている。

日韓は子育て世代への支援中心策より、ハゲタカの新自由主義(=日本は財界主導による東南アジアの賃金と戦わせる賃金政策)の制度を変えない限り人口減少は続く。
日本ではアベノミクスにより企業は巨額の利益を出しながら生産効率アップのための設備投資も行わず、政府が2016年に策定した1億総活策(内容は非正規雇用者数の増加策)により、2005年の1.26から2015年の1.45まで回復していた出生率が2019年には1.36まで下がり、2020年には1.34まで下がり続けている。この間上がったのは子育て世代女性の労働参加数、消費税率と社会保険料徴収率、介護等個人負担額の上昇であろうか。

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↓韓国の人口減少
下記シミュレーションは2017年の出生率1.050に基づき算出されており、0.9前後での将来人口はさらに落ち込むことになる。現在の韓国の人口は5127万人。

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