南アフリカで発見された新コロナウイルスの変異株であるオミクロン株、すでに全世界へ急速に拡散され、英国・米国・ノルウェーなど各地で市中感染も確認されている。現在のところ、現実に感染者が多発していることから、感染力が強いことだけは示されているが、重症化率などはほとんど不明、各国の研究機関やワクチンメーカーや治療薬メーカーが検査に当たっている。
ボスニアから侵入したオミクロン株ウイルスは、南アフリカでは先月中旬から少しずつ拡散され、24日から増加に転じ、30日から感染が爆発状態に急増している。
南アフリカは、エイズ(後天性免疫不全症候群) 感染者が多いことでも知られている。エイズ感染者は、薬を飲み続ければ日常的にはまったく問題ないが、これまでの新コロナウイルスに感染した場合の致死率は感染していない人より20~30%と高いと英ネーチャー誌が発表している。
さらにエイズに感染したばかりで発症中のエイズ患者が新コロナウイルスに感染すれば、致死率は数倍に跳ね上がるとされ、そうした人たちへの対策も急務になっている。
サハラ砂漠以南には1950万人がエイズの発症を押さえる抗レトロウイルス薬を処方しているとされる。低貧国も多く、ワクチン購入原資に乏しく、世界からの新コロナウイルスに対する救済ワクチンの提供が急務となっている。
南アフリカでは、ボスニア国に近い内陸部の都市人口800万人のヨハネスブルグがあるハウテン州を中心に感染が拡大している。