隣国政府は20日に現行の社会的距離措置の終了を控え、「営業時間午後10時まで、私的な集まり8人までの案」を検討しつつ、私的な会合の人数制限廃止、営業時間を午前0時までに延長、もしくは24時間営業を認め、中断していたウィズコロナ策の復活も検討しているという。
理由として、「外国の場合、感染者数が大幅に増え、2週間後には重症患者数もともに増える傾向を示したが、隣国は重症患者が増えていない」ことを前提にしているという。
まだ、隣国ではオミクロン株での感染はピークに達しておらず、性急なウィズコロナ策復活もしくは大幅規制緩和は無謀と思われる。
経済と防疫対策を両立させるのは並ではなかろうが、防疫対策を感染者数に置くか、死亡者数に置くかでその対策内容も大きく変わる。
隣国は確かに重症化率が高くなる高齢者に対する追加接種率が87%と非常に高いが、感染リスク者がいないわけではなく、追加接種による重症化抑制率の有効性も100%ではない。
その結果、現在の感染者増なより、重症者数も死亡者数も徐々に増加してきている現実がある。
デルタ株に対してオミクロン株では、いったん重症化した場合の致死率は倍以上高く、12月のように重症者対応の病院がパニックにならなくとも、死亡者数が増加することから、1週間の平均で日に何人死亡すれば規制強化するのか・しないのか、もしもここで緩和するとしても、事前に明確にしておく必要があるのではなかろうか。
また、規制を強化している現在でも9万人超えの感染者が発生しており、規制緩和もしくは撤廃では大幅に感染者は増加し、ウイルスがさらに拡散され、特に自ら防疫対策を強く講じている免疫脆弱者に対しても容赦なくウイルスが襲うことになる。
↓下記資料はすべて隣国当局の公表数値に基づき作成
スクロール→
隣国のワクチン追加接種状況 2月16日現在
|
|
接種者数
|
人口比
|
12歳以上
|
18歳以上
|
60歳以上
|
接種完了数
|
44,127,550
|
86.2%
|
94.0%
|
95.9%
|
95.5%
|
3回接種数
|
29,628,134
|
57.7%
|
|
66.9%
|
87.1%
|
スクロール→
隣国
|
日
|
月
|
火
|
水
|
木
|
金
|
土
|
1/2~8
|
3,833
|
3,129
|
3,024
|
4,444
|
4,126
|
3,717
|
3,510
|
9~15
|
3,376
|
3,007
|
3,097
|
4,388
|
4,167
|
4,542
|
4,423
|
16~22
|
4,194
|
3,859
|
4,072
|
5,805
|
6,603
|
6,769
|
7,009
|
23~29
|
7,630
|
7,513
|
8,571
|
13,012
|
14,518
|
16,096
|
17,523
|
30~5
|
17,532
|
17,085
|
18,343
|
20,270
|
22,907
|
27,433
|
36,362
|
2/6~12
|
38,691
|
35,286
|
36,719
|
49,567
|
54,122
|
53,926
|
54,941
|
13~19
|
56,431
|
54,619
|
57,177
|
90,433
|
|
|
|
隣国では、ウィズコロナ策を中断した後もデルタ株の余韻が続き、重症者がオミクロン株感染者に置き換わったのは重症数がこの間の最低の257人まで下がった2月4日以降と見られる。
なお、死亡者数がこれまでに一番多かったのは12月23日の109人で当日の重症者数は1083人だった。7日間の移動平均で死亡者数が一番多かったのは12月25日の76人が最高となっていた。
先週5万人台が続いた感染者のなかで重症化するのは1週間から2週間後、今後、重症者数も死亡者数もともに増加することになる。
7日間移動平均値での重症化致死率(当日の死亡者に対する当日の重症者数)は、これまでの最高は12月20日の7.1%、今月に入ってのオミクロン株では2月16日に12.6%になっており、増加傾向が続いている。
オミクロン株の特異性=脅威は、いったん重症化すれば、亡くなる比率がデルタ株より倍以上高くなることを念頭に、隣国当局は20日からの防疫対策を取り仕切ってもらいたいものだ。
今回も2月20日から試行期間を設けるという。前回も試行期間(10月18日~)を設定し、その間感染者数が増加したにもかかわらず想定内として規定路線どおり実行に踏み切った。試行期間は単に形式的なものであり、今回は2月18日に決定する内容で、20日から試行期間入り、その後3月から実施されることになると見られる。
3月9日は大統領選挙、卓越した選挙参謀が両陣営ともおらず、マスコミを動員したスキャンダル合戦の泥仕合となっている。当然、選挙により人と人の接触が増加し感染拡大にも影響している。
↓過去1ヶ月間の重症者数と死亡者数の推移
スクロール→
隣国
|
重症者数
|
死亡者数
|
当日
|
7日間
移動平均
|
当日
|
7日間
移動平均
|
重症化
致死率
|
2月16日
|
313
|
293
|
39
|
37
|
12.63%
|
2月15日
|
314
|
289
|
61
|
34
|
11.76%
|
2月14日
|
306
|
282
|
21
|
31
|
10.99%
|
2月13日
|
288
|
277
|
36
|
30
|
10.83%
|
2月12日
|
275
|
275
|
33
|
27
|
9.82%
|
2月11日
|
271
|
274
|
49
|
25
|
9.12%
|
2月10日
|
282
|
272
|
20
|
22
|
8.09%
|
2月9日
|
285
|
271
|
21
|
22
|
8.12%
|
2月8日
|
268
|
270
|
36
|
21
|
7.78%
|
2月7日
|
270
|
270
|
13
|
19
|
7.04%
|
2月6日
|
272
|
271
|
15
|
20
|
7.38%
|
2月5日
|
269
|
272
|
22
|
21
|
7.72%
|
2月4日
|
257
|
275
|
24
|
23
|
8.36%
|
2月3日
|
274
|
283
|
25
|
23
|
8.13%
|
2月2日
|
278
|
294
|
15
|
24
|
8.16%
|
2月1日
|
272
|
309
|
17
|
26
|
8.41%
|
1月31日
|
277
|
326
|
23
|
27
|
8.28%
|
1月30日
|
277
|
347
|
20
|
27
|
7.78%
|
1月29日
|
288
|
369
|
34
|
26
|
7.05%
|
1月28日
|
316
|
389
|
24
|
25
|
6.43%
|
1月27日
|
350
|
413
|
34
|
25
|
6.05%
|
1月26日
|
385
|
433
|
32
|
24
|
5.54%
|
1月25日
|
392
|
454
|
23
|
30
|
6.61%
|
1月24日
|
418
|
475
|
25
|
33
|
6.95%
|
1月23日
|
431
|
498
|
11
|
33
|
6.63%
|
1月22日
|
433
|
524
|
28
|
35
|
6.68%
|
1月21日
|
481
|
552
|
21
|
35
|
6.34%
|
1月20日
|
488
|
577
|
28
|
39
|
6.76%
|
1月19日
|
532
|
607
|
74
|
41
|
6.75%
|
1月18日
|
543
|
638
|
45
|
38
|
5.96%
|
1月17日
|
579
|
672
|
23
|
37
|
5.51%
|
1月16日
|
612
|
702
|
29
|
39
|
5.56%
|