アイコン 「北品川非常口」トンネル工事進まず 問題発生 リニア中央新幹線

Posted:[ 2022年5月28日 ]

東京―名古屋間のリニア中央新幹線の工事で、「北品川非常口」(東京都品川区)から進めているシールドマシン(掘削機)による「調査掘進」が計画より遅れている。
その理由について、JR東海の金子慎社長は27日の定例会見で「マシンに運転操作室を連結する作業に時間がかかっているほか、土をうまく(マシン内部に)取り込めず、掘削の効率が上がらない」と説明した。

調査掘進は昨年10月に始まり、今年3月末までに同非常口から南西に300メートルにわたって掘る計画だった。掘られたトンネルはリニア新幹線の路線の一部になる。だが、3月中旬に約50メートルまで掘った後、掘削機は進んでいないという。
(トンネルルートは、北品川から南南西の戸越公園方面へ掘られている)

シールドマシンは、前部のカッターで土を削り、内部に取り込んで掘り進めていく。土を取り込めない原因について、金子社長は「点検しないと申し上げられない」と明言しなかった。その上で「安全のため、先を急がず、しっかりと点検をしていく」と述べ、専門家の意見を聞く考えを示した。調査掘進終了の時期は、現時点では見通しが立っていないという。

 



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リニア新幹線の工事では、静岡県中部を流れる大井川の流量減少問題などで静岡で着工できず、JR東海が目指す2027年の開業は難しい状況となっている。
(静岡県はJR東海が県内に駅を作らないことから、県としては流量リスクばかりでメリットはなく、総じて反対しているもの。静岡県副知事は土木の専門家、JR東海側が解決策として安易な案を出しても説得できない状況にある。こうしたところは政府・国交省に依存している)。

掘り進めるトンネルは、品川方面から名古屋方面に向って下っていく。斜度は40パーミル。1km進むごとに40mの高低差が生じる。既存の新幹線トンネルとしては35パーミルの九州新幹線が最高、車輪のないリニアだからこそ40パーミルが可能だという。

<工事遅延の可能性>
1、地盤に硬い岩盤層の存在は考えられず、海にも近く埋立地の可能性も高く水を含んだ軟弱地盤や地下水脈からの水問題が浮上している可能性がある。
2、70~90メートルの深度地盤は海成シルト層(=沈泥/砂より小さく粘土より粗い砕屑物の層)とされ、固形シルト層ともされているが、シルト岩層ではないため、トンネル支持が場所によりできない可能性もある。

北品川駅付近で標高3~4メートル、南南西に向け標高が河川に向け一旦下がり、それから700メートル先の標高17メートルの権現山公園に向け丘陵地となっている。東京湾では氷河期終了の1万5千年前から海面が上昇、6000年前2~4メートル現状より高く、その後、低くなったとされている。丘陵地としても深度100メートル以内に岩盤層があるとは考えにくいが・・・。
河川付近は低くなっており、昔から入江になっていた可能性が高い。

多くのボーリング調査が必要だろう。しかし、民間地の下の大深度(地下40メートル以上)は国や地方公共団体の許可により、上部私有者に断りなくかつてに使用することができるものの、私有地を利用してのボーリング調査には限界があるのかもしれない。

<施工は>
2018年4月13日報道
JR東海は、大深度地下に建設するリニア中央新幹線のシールドトンネルで初弾となる北品川工区の施工者を熊谷組・大豊建設・徳倉建設JVに決定した。この工区は品川駅から延長9.2kmの区間で、土かぶりは最大約90m。JR東海が設計・施工一括で発注し、契約日は4月13日、契約金額は非公表。
(なお、当工事はJVながら熊谷組のチャンピオン工事であるものの、何故か2019年3月期の決算短信で、受注について掲載していない。お上からおふれが出たのだろうか)

2018年11月28日の報道
「北品川非常口」が11月28日に報道機関に公開され、直径40m、深さ約90mで、25~30階建ビルに匹敵する高さだという。

新幹線開発では初めて鉄道開発機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)ではなく、民間企業のJR東海が施工者となっている。
そのため、工事遅れ等の問題が生じても施主が公表しなければ原因追求にも限度がある(国会ならば別)。
リニア新幹線工事の発注価格は、当初は発表されていたが、スーパーゼネコンの談合が摘発され、その後はJR東海からの発注額は非公表となっている。
安倍さんとJR(故)葛西さんとの親密な関係から巨大国家事業にもかかわらず鉄道機構飛ばしが実現している。当開発は国からJR東海側への巨額貸付金により賄われている。

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