アイコン 今期の日本半導体メーカーの動向 対中制裁の影響は・・・

Posted:[ 2023年5月31日 ]

米国のCHIPS法、(昨年)10.7の対中半導体制裁、日本も同調を求められ対中制裁するが、日本の半導体製造装置メーカーは今期の予想をどうみているのだろうか。

8035東京エレクトロン、6857アドバンテスト、7735スクリーンHD、6146ディスコをみてみる。

米国では昨年8月制定のCHIPS法という保護貿易の手法と10.7BIS対中半導体制裁、一方で、現在超大型半導体工場が米各地に建設中。すでに発注がかかっている装置、来期まで発注かかる装置も多くなる。本格生産開始に入る前、1年前からテスト生産に入り、装置調整、精度向上、歩留まり向上などが図られ続けることになる。

そうしたことを受けてか、米政権の予算合意からか、生成AIの普及ラッシュからか、最近、半導体メーカーの株価が急騰、半導体メーカーの株価指数のSOX半導体指数も棒揚げ状態となっており、3500ドルまですっ飛んでいる(半導体メーカー、ファブレスメーカー、ファンドリーメーカー、半導体製造装置メーカーなど半導体関連メーカーの株価指数)。

連れて、韓国の半導体2社、日本の半導体関連銘柄も株価が高騰している。



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日本のお坊ちゃまの対中米追随制裁の内容は、

1、洗浄装置:不純物除去装置

2、成膜装置:プラズマ、EUV用、シリコン類の成膜装置

3、熱処理装置:薄膜内隙間除去装置

4、露光装置:EUVだけではなく、次世代のArF液浸露光装置も、

5、立体構造実現のエッチング装置、

6、EUVマスク検査装置。上記は原則対中輸出禁止事項、類する装置や機器は事前に相談し、経産省当局の認可をとること。

 

SOX指数

5/10.

2,997

5/15.

3,052

5/22.

3,215

5/25.

3,336

5/30.

3,545

過去最高

21/12/27.

3,946

 


スクロール→

株価 

/円

8035

6857

7735

6146

 

東京エレ

アドテスト

スクリーン

ディスコ

22/12/30.

12,959

8,480

8,460

12,583

23/1/31.

15,056

9,200

9,570

12,899

23/3/31.

16,040

12,160

11,650

15,300

23/4/28.

15,495

10,540

11,000

15,410

 5/22.

18,660

14,330

13,180

19,020

 5/30.

19,710

18,090

14,620

20,490

昨年末上昇率

52.1%

113.3%

72.8%

62.8%

 

↓23年3月期は円安効果がわずかしか業績に反映していない。半導体不況を反映している。

8035 東京エレクトロン 233月期決算 /百万円 

 

・半導体製造装置で世界3位。コータデベロッパー、エッチング装置、成膜装置など前工程に強み

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

 

19/3

1,278,240

310,571

24.3%

321,662

248,228

 

20/3

1,127,286

237,292

21.0%

244,979

185,206

 

21/3

1,399,102

320,685

22.9%

322,103

242,941

 

22/3

2,003,805

599,271

29.9%

601,724

437,076

 

23/3

2,209,025

617,723

28.0%

625,185

471,584

 

 前期比

10.2%

3.1%

 

3.9%

7.9%

 

24/3

1,700,000

393,000

23.1%

395,000

300,000

 

23/3

-23.0%

-36.4%

 

-36.8%

-36.4%

 

 

6857 アドバンテスト 233月期決算 /百万円 

 

・半導体デバイスが正常に動くかをテストする半導体検査装置を手掛ける世界大手。非メモリー用中心、DRAM用では首位。システムレベルテストも。

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

 

19/3

282,456

64,662

22.9%

66,211

56,993

 

20/3

275,894

58,708

21.3%

58,574

53,532

 

21/3

312,789

70,726

22.6%

69,618

69,787

 

22/3

416,901

114,734

27.5%

116,343

87,301

 

23/3

560,191

167,687

29.9%

171,270

130,400

 

 前期比

34.4%

46.2%

 

47.2%

49.4%

 

24/3

480,000

105,000

21.9%

103,500

78,000

 

23/3

-14.3%

-37.4%

 

-39.6%

-40.2%

 

 

7735 SCREEN-HD 233月期決算 /百万円 

 

・半導体製造装置の大手、うちウエハ洗浄装置では世界断トツ。液晶製造装置や印刷機器も展開

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

 

19/3

364,234

29,645

8.1%

29,279

18,059

 

20/3

323,249

12,561

3.9%

11,636

5,010

 

21/3

320,322

24,492

7.6%

22,720

15,164

 

22/3

411,865

61,273

14.9%

59,438

45,481

 

23/3

460,834

76,452

16.6%

77,393

57,491

 

 前期比

11.9%

24.8%

 

30.2%

26.4%

 

24/3

495,000

85,000

17.2%

82,000

58,000

 

23/3

7.4%

11.2%

 

6.0%

0.9%

 

 

6146 ディスコ 233月期決算 /百万円 

 

・半導体ウエハを切削、研磨、切断工程で独自技術を持つ装置メーカー、世界シェア首位。(注)同社は今期予想は第一四半期の予想しか開示していない。

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

 

19/3

147,500

38,645

26.2%

38,974

28,824

 

20/3

141,083

36,451

25.8%

38,314

27,653

 

21/3

182,857

53,106

29.0%

53,629

39,091

 

22/3

253,781

91,513

36.1%

92,449

66,206

 

23/3

284,135

110,413

38.9%

112,338

82,891

 

 前期比

12.0%

20.7%

 

21.5%

25.2%

 

24/3Q1予

53,300

16,500

31.0%

16,600

11,600

 

23/31

-10.8%

-23.6%

 

-27.1%

-27.7%

 

 

3436 SUMCO 2212月期決算 /百万円 

 

・シリコンウエハ世界シェア2位の大手。大口径ウエハに強み。

・(注)同社は第2四半期(累計)予想しか発表していない。

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

 

18/12

325,059

85,465

26.3%

83,068

58,580

 

19/12

299,460

50,636

16.9%

48,310

33,112

 

20/12

291,333

37,897

13.0%

35,650

25,505

 

21/12

335,674

51,543

15.4%

51,107

41,120

 

22/12

441,083

109,683

24.9%

111,339

70,205

 

 前期比

31.4%

112.8%

 

117.9%

70.7%

 

23/122

217,900

42,900

19.7%

43,300

47,100

 

22/122

5.1%

-13.8%

 

-15.0%

50.4%

 

 

4063 信越化学工業 23/3月期決算 /百万円 

 

・塩ビ生産で世界一、シリコンウエハなど電子材料が売上高の1/38756億円(営業利益3014億円/営利率34.4%)。ほかに機能材料やウエハ関連容器など電子材料関連売上高も別途ある。子会社に信越ポリマー。

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

 

19/3

1,594,036

403,705

25.3%

415,311

309,125

 

20/3

1,543,525

406,041

26.3%

418,242

314,027

 

21/3

1,496,906

392,213

26.2%

405,101

293,732

 

22/3

2,074,428

676,322

32.6%

694,434

500,117

 

23/3

2,808,824

998,202

35.5%

1,020,211

708,238

 

 前期比

35.4%

47.6%

 

46.9%

41.6%

 

24/3期予

・まだ未公開

 

 

↓半導体製造にかかわる材料メーカーは厳しい。

同社はメモリ半導体向け生産材料が主力、メモリ半導体は在庫過多で各社生産調整中。同社は下半期には回復するとみている。

同社のフォトレジスト製品は2019年7月の対・制裁により輸出規制対象となった。ただ、同社の2020年3月期決算ではデジタルソリューション事業は、フォトレジストなどは堅調だったが、液晶向け材料が振るわなかった。需要先の電子製品業界の有機ELシフトによるもので制裁とは関係なかった。

制裁の発端は元徴用工問題であり、1965年締結の日・基本条約に基づき 日本政府は協議要請を・国政府に対して正式に申し入れしたところ、・国政府が完全無視、回答しなかったことから「(条約を)なめとんのかぁ」と怒った日本政府がとった日本のプライドをかけた措置だった。しかし現実は世界情報戦に敗れオロオロ、一貫性もない感情的な腹いせ措置となっていた。

こん日、・国政権が変わり再度蜜月時代に突入した日・関係だが、基本問題を完全解決しない限り、1度あることは2度あり何度でもある。

隣国の政権が変わるたびに・・・。国会で批准された条約でさえ司法が条約を認めない、裁判官が自らの感情と思考により判決を下す大・・国という国であり、日本の尺度では決しておし測れない国だ。

 

祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響あり。

娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす。

奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。

4185 JSR 23/3月期決算 /百万円 

 

・デジタルソリューション事業は、売上高の約半分、最先端フォトレジストやプロセス材料販売、半導体洗浄剤は米国で縮小、大型液晶パネル向け材料も中国で停滞、スマホ向けNIR(近赤外線)カットフィルターもスマホ販売不振で低迷。

 
 

連結

売上高

営業利益

同利率

税前利益

株主利益

 

18/3

421,930

43,569

10.3%

46,206

33,230

 

19/3

495,354

45,261

9.1%

46,408

31,116

 

20/3

471,967

32,884

7.0%

32,629

22,604

 

21/3

312,000

34,233

11.0%

33,310

-55,155

 

22/3

340,997

43,760

12.8%

45,521

37,303

 

23/3

408,880

29,370

7.2%

29,846

15,784

 

 前期比

19.9%

-32.9%

 

-34.4%

-57.7%

 

24/3期予

442,000

42,000

9.5%

 

25,000

 

 23/3

8.1%

43.0%

 

 

58.4%

 

 


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※記事の削除等は問合せにて。

 




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