米国のインフレは大幅に下がったように見えるが、昨年のインフレ率が高かっただけに低く見えるだけであり、目標の2%台はインフレ退治の金利上昇を6月は一旦休止、様子を見る動きがFOMCメンバーの主流になりつつある。
危険警告
IMFは、米国はインフレ率が目標の2%になるまで金利を上昇させるべきだと発表している。早期にインフレを落ち着かせなければ世界経済に影響するというもの。すでに多くの商品価格が下げ止まりから、上昇を再度伺う展開となっている。
米国のインフレは大幅に下がったように見えるが、昨年のインフレ率が高かっただけに低く見えるだけであり、目標の2%台はインフレ退治の金利上昇を6月は一旦休止、様子を見る動きがFOMCメンバーの主流になりつつある。
危険警告
IMFは、米国はインフレ率が目標の2%になるまで金利を上昇させるべきだと発表している。早期にインフレを落ち着かせなければ世界経済に影響するというもの。すでに多くの商品価格が下げ止まりから、上昇を再度伺う展開となっている。
元凶
米バイデン政権は大統領就任祝いに2021年に新コロナ経済対策と称して1.9兆ドルの経済対策予算を市場にバラ撒き、その年の10月からインフレが顕著に現れてきていた。それを退治するために金利を上昇させているものだが、世界各国は大迷惑だ。
も一つの元凶、ウクライナ侵攻の露プッチン・プーチン大統領、世界の二大軍事大国の両ボスは世界経済の大敵のようだ。
エネルギー・資源や穀物などの先物商品取引価格が急騰し、原油資源のない外貨準備高の脆弱国は燃料さえ購入できなくなりデフォルトする国も。
商品価格上昇だけではなく、米国のインフレ退治による為替安(ドル高)に原油資源のない外貨準備高の脆弱国は何もかも輸入できなくなったり、各国が新コロナから経済回復させる対策どころでなくなっている。
米バイデン政権の火遊びは世界経済を奈落の底に突き落としている。
火種
債務上限問題の解決
米国では政府債務上限問題により、最悪、国債がデフォルト、米信用剥落、世界経済はトンではない状態に至ると共和党に譲歩を迫り続けてきた。その甲斐あって下院を制する共和党の議長と上限を増額することで基本合意した。
共和党内超保守(テパーティ派=コーカスグループ)勢力は合意に反対し、議長不信任案を提出する動きにある。今や共和党主力のトランプ派も以前から合意には反対だが、今回の合意内容についてはあからさまな態度は示していない。
当問題が解決すれば株価は大幅上昇する。また金利上昇が休憩すれば、これまた株価上昇、堅調な雇用増と賃金の上昇は購買力を引き上げ、物価が上昇しても吸収してしまい、さらに物価は上昇することになる。
インフレ退治は経済を悪化させるしかない。そのための金利上昇であるが・・・
景気悪化は失業率の増加=購買力の低下=インフレ退治となる。
その金融政策はFRB+FOMCだけで行い、金利政策だけとなっている。すでに金利を上昇させる前に、金融緩和策により購入していた債権を市場売却して、ドルを吸い上げ、金融緩和策は終了=テーパーリングを終了させ、昨年3月からの金利上昇の退治策となっている。
バイデン政権のインフレ促進策
インフレ退治は政治と金融当局がその政策において一体となるべきだが、バイデン政権は、インフレ退治はFRBの仕事、政治政策の遂行は大統領の仕事と大きな勘違いをして大統領職にいる。
昨年8月制定のCHIPS法も今年1月から始まったEV補助金のIRA法も、米国内生産物に対する巨額補助金制度。
米国では巨大工場が半導体、半導体材料メーカー、EV工場、EV用電池工場、材料メーカー工場など建築ラッシュになっている。
米国では半導体もEV用電池もほとんど製造してこなかったことから新規需要となり、それぞれの多くのサプライチェーンも米進出を図っている。形だけ中国を槍玉に挙げた保護貿易主義の極みの政策となっている。
当然工場が完成したら、雇用が膨大に生じ、賃金上昇圧力となる。
世界経済がこれまで安定的に成長してきたのは、生産のグローバル化にあり、安価な労働力により安価に製品が作られ、安価に販売され、経済が回ってきた。
しかし、米国の高い賃金により生産される半導体もEV用電池も当然、高く販売され、中流階級は下に押し下げられ続け、貧富の差は極度に拡大し続け、市場はパンクすることになる。
一方、中国が安価な製品を販売し続け、その差は拡大するのみとなる。
性能・機能・デザイン性がほぼ同じ車両、500万円で販売される車両と300万円で販売される車両、米国外で米ブランドだけで高い車両を購入する人たちはどれだけいるだろうか。
米国では中国車は実質販売停止されているが、米国外は別。米国を除く欧州はじめ世界各国の市場を中国車が席巻することになる。
結局、米国はアメリカナンバー1主義、大義を持ち出しているものの、孤立経済を選択することになる、今ドキ。
すでに賃金は大幅に上昇しており、今後低賃金層以外の賃金を下げることはなかなかできないだろう。米国内の格差は拡大し、国別にも格差が広がる。当然日本はガラパゴス國、世界から今後とも取り残され続ける。
米国ではもう一つ強いインフレ要因が発生している。
露×ウクライナ戦争における軍需特需。150ミリ榴弾砲弾は控えの在庫だけでも100万発以上あったものが枯渇、生産はしているもののまったく間に合わず、急遽、韓国から110万発以上を購入して、ウクライナ近隣の米軍基地に送っている。
各種ミサイルを製造しているレイセオン社などは軍需企業のフル生産状態は続いている。
欧州でも兵器や砲弾の生産国はフル生産状態が続いている。
当然、韓国の韓火など砲弾メーカーや装甲車・戦車などの斗山などフル生産状態が続いている。
ウクライナ近隣のNATO国は所有兵器をウクライナに送り自国防衛の兵器が不足、そこで安価な韓国製が注目され、多くの国が韓国製兵器の調達に動いている。
韓国製兵器の性能は10年前とは比較にならないほど進化。東南アジア・中東アフリカ・北欧・東欧・中央アメリカ・豪州へ大量販売している。
軍艦・潜水艦・戦車・装甲車・自走砲、軽戦闘機、各種ミサイルシステム・・・・。
結局、販売することでコストが下がり、技術も向上するという好循環を作り上げている。
日本製兵器は世界一高かろう・・・、高ければ誰も買わない。以前から国内軍需企業の不正も多発し続けている、不正の温床である天下りも抱えすぎ、それに歴代の首領たちが米国様と仲良くするため米国様から購入、国内メーカーに発注もかけない有様が続いてきた。発注はかからず、組織や整備は維持しなければならず、重機のコマツなどあほらしくなり、兵器製造契約を防衛省と破棄したほど、現在のハマコーの倅も一緒。
米国の各種インフレ率 |
||||||||
|
基準 |
インフレ率 |
消費者 |
|||||
|
金利 |
総合 |
食料 |
コア |
家賃 |
サビス |
エネ |
CPI |
21/9. |
0.25 |
5.4 |
4.6 |
4.0 |
3.2 |
3.2 |
24.8 |
|
21/10. |
0.25 |
6.2 |
5.3 |
4.6 |
3.5 |
3.6 |
30.0 |
276.58 |
21/11. |
0.25 |
6.8 |
6.1 |
4.9 |
3.8 |
3.8 |
33.3 |
277.94 |
21/12. |
0.25 |
7.0 |
6.3 |
5.5 |
4.1 |
4.0 |
29.3 |
278.80 |
22/1. |
0.25 |
7.5 |
7.0 |
6.0 |
4.4 |
4.6 |
27.0 |
281.14 |
22/2. |
0.25 |
7.9 |
7.9 |
6.4 |
4.7 |
4.8 |
25.6 |
283.71 |
22/3. |
0.50 |
8.5 |
8.8 |
6.5 |
5.0 |
5.1 |
32.0 |
287.50 |
22/4. |
0.50 |
8.3 |
9.4 |
6.2 |
5.1 |
5.4 |
30.3 |
289.10 |
22/5. |
1.00 |
8.6 |
10.1 |
6.0 |
5.5 |
5.7 |
34.1 |
292.29 |
22/6. |
1.75 |
9.1 |
10.4 |
5.9 |
5.6 |
6.2 |
41.6 |
296.31 |
22/7. |
2.50 |
8.5 |
10.9 |
5.9 |
5.7 |
6.2 |
32.9 |
296.27 |
22/8. |
2.50 |
8.3 |
11.4 |
6.3 |
6.2 |
6.8 |
23.8 |
296.17 |
22/9. |
3.25 |
8.2 |
11.2 |
6.6 |
6.6 |
7.4 |
19.8 |
296.80 |
22/10. |
3.25 |
7.7 |
10.9 |
6.3 |
6.9 |
7.2 |
17.6 |
298.01 |
22/11. |
4.00 |
7.1 |
10.6 |
6.0 |
7.1 |
7.2 |
13.1 |
297.70 |
22/12. |
4.50 |
6.5 |
10.4 |
5.7 |
7.5 |
7.5 |
7.3 |
296.79 |
23/1. |
4.50 |
6.4 |
10.1 |
5.6 |
7.9 |
7.6 |
8.7 |
299.17 |
23/2. |
4.75 |
6.0 |
9.5 |
5.5 |
8.1 |
7.6 |
5.2 |
300.84 |
23/3. |
5.00 |
5.0 |
8.5 |
5.6 |
8.2 |
7.3 |
-6.4 |
301.83 |
23/4. |
5.25 |
4.9 |
7.7 |
5.5 |
8.1 |
6.8 |
-5.1 |
303.36 |
前年 |
|
-41% |
-18% |
-11% |
57% |
26% |
-116% |
4.9% |
国際商品価格の推移 |
||||||
トレーディング・エコノミックス、日経指標等より/単位は下記表/月末価 |
||||||
2022年 |
相場/月末 |
5月31日相場 比較 |
||||
|
19/12. |
22/5. |
22/12. |
23/5末 |
前年比 |
19/12比 |
米金利 |
1.75% |
1.00% |
4.50% |
5.25% |
|
|
対ドル円 |
108.8 |
129.4 |
131.1 |
139.3 |
7.7% |
28.0% |
海運指数 |
1,090 |
2,571 |
1,515 |
1,123 |
-56.3% |
3.0% |
金 |
1,515 |
1,856 |
1,824 |
1,962 |
5.7% |
29.5% |
|
||||||
エネルギー |
19/12. |
22/5. |
22/12. |
23/5末 |
前年比 |
19/12比 |
原油WTI |
63 |
111 |
80 |
68 |
-38.7% |
7.9% |
東京原油(円) |
40,918 |
80,618 |
63,087 |
59620 |
-26.0% |
45.7% |
天然ガス(米) |
2.152 |
8.560 |
4.475 |
2.252 |
-73.7% |
4.6% |
TTFガス(欧) |
13 |
94 |
76 |
26 |
-72.3% |
100.0% |
灯油 |
1.985 |
3.846 |
3.123 |
2.250 |
-41.5% |
13.4% |
石炭 |
67 |
427 |
404 |
138 |
-67.7% |
106.0% |
エタノール |
1.415 |
2.757 |
2.195 |
2.438 |
-11.6% |
72.3% |
鉄鉱石 |
92 |
136 |
117 |
103 |
-24.3% |
12.0% |
亜鉛 |
2,304 |
3,900 |
2,972 |
2251 |
-42.3% |
-2.3% |
木材 |
405 |
653 |
373 |
479 |
-26.6% |
18.3% |
|
|
|
|
|
|
|
食料 |
19/12. |
22/5. |
22/12. |
23/5末 |
前年比 |
19/12比 |
小麦 |
555 |
1,087 |
792 |
594 |
-45.4% |
7.0% |
大豆 |
915 |
1,683 |
1,519 |
1,299 |
-22.8% |
42.0% |
トウモロコシ |
388 |
753 |
678 |
592 |
-21.4% |
52.6% |
砂糖 |
13.42 |
19.4 |
20.04 |
25 |
28.9% |
86.3% |
ココア(チョコ) |
2,463 |
2,496 |
2,600 |
3,007 |
20.5% |
22.1% |
ヤシ油 |
3,052 |
6,304 |
4,174 |
3,201 |
-49.2% |
4.9% |
菜種油 |
411 |
616 |
584 |
395 |
-35.9% |
-3.9% |
チーズ |
2.04 |
2.41 |
2.05 |
1.60 |
-33.6% |
-21.6% |
牛肉 |
14.3 |
20.3 |
19.6 |
17.3 |
-14.8% |
21.0% |
鶏肉(家禽) |
5.35 |
7.68 |
7.68 |
6.17 |
-19.7% |
15.3% |
リーン豚(赤肉) |
71.8 |
108.0 |
87.7 |
82.5 |
-23.6% |
14.9% |
鮭 |
57.3 |
103.0 |
83.7 |
100.0 |
-2.9% |
74.5% |
尿素(肥料) |
244 |
670 |
515 |
292 |
-56.4% |
19.7% |
|
|
|
|
|
|
|
EV・レアメタル |
19/12. |
22/5. |
22/12. |
23/5末 |
前年比 |
19/12比 |
スチール |
3,774 |
4,522 |
4,019 |
3,474 |
-23.2% |
-7.9% |
アルミ |
1,807 |
2,787 |
2,378 |
2,249 |
-19.3% |
24.5% |
マンガン |
31.50 |
33.5 |
31.25 |
32.00 |
-4.5% |
1.6% |
銅・EV |
2.796 |
4.296 |
3.805 |
3.631 |
-15.5% |
29.9% |
ニッケル |
13,950 |
28,343 |
29,866 |
20,866 |
-26.4% |
49.6% |
コバルト |
32,750 |
74,000 |
51,955 |
29,525 |
-60.1% |
-9.8% |
リチウム(千) |
49 |
468 |
519 |
297 |
-36.5% |
506.1% |
ネオジム(千) |
362 |
1195 |
955 |
595 |
-50.2% |
64.4% |
|
単位 |
|
|
米金利 |
% |
対ドル円 |
対ドル円 |
海運指数 |
バルチック |
半導体指数 |
SOX |
金 |
USD/t.oz |
|
|
原油WTI |
USD/Bbl |
天然ガス(米) |
USD/MMBtu |
液化TTFガス |
Dutch/(ユーロ) |
ナフサ |
USD/T |
石炭 |
USD/T |
鉄鉱石 |
CNY/T(中国・元) |
スチール |
CNY/T(中国・元) |
木材 |
USD/千board feet |
|
|
小麦 |
USD/Bu |
大豆 |
CBOT(シカゴ) |
トウモロコシ |
CBOT(シカゴ) |
コーヒー |
USD/Lbs |
ヤシ油 |
MYR/T(マレーシア) |
キュノーラ油 |
CAD/T(カナダ) |
菜種油 |
EUR/T(ユーロ) |
牛肉 |
BRL/Kg(ブラジル) |
鶏肉(家禽) |
BRL/Kgs(ブラジル) |
リーン豚(赤肉) |
USD/Lbs |
鮭 |
NOK/KG(ノルウェー) |
米 |
USD/cwt |
尿素 |
USD/T |
|
|
アルミ |
USD/T |
銅 |
USD/Lbs |
亜鉛 |
USD/T |
マンガン |
CNY/T(中国・元) |
ニッケル |
USD/T |
リチウム |
CNY/T(中国・元) |
コバルト |
USD/T |
パラジウム |
USD/t.oz |
マグネシウム |
CNY/T(中国・元) |
ネオジウム |
CNY/T(中国・元) |