ホンダは北米市場でのEV（電気自動車）の需要増加に対応するため、カナダにEVと電池を生産する工場を建設する方針を発表しました。総投資額はおよそ1兆7000億円に達します。カナダのオンタリオ州で行われた記者会見で、ホンダの三部社長はEVの生産体制の強化策をトルドー首相と共に発表しました。具体的には、現在の工場に隣接する形で新たにEVの工場と電池の工場を建設する方針です。EVの生産台数は最大で年間24万台を想定しており、2028年に稼働を始める計画です。

さらに、会社は電池の部材も旭化成などとの合弁でカナダで生産する予定で、これによってコストをおよそ20％削減できる見通しです。総投資額はパートナー企業の出資も含めて150億カナダドル、およそ1兆7000億円で、カナダ政府などから補助金を受ける方向で協議も進めています。

ホンダは2040年に販売する新車のすべてをEVとFCV（燃料電池車）にする目標を掲げており、今回の巨額の投資は北米でのEVの需要増加に対応し、競争力を高める狙いがあります。同様に、トヨタ自動車も北米でのEV事業に14億ドル（約2200億円）を投資する計画を発表しており、日本メーカーの間ではEV市場への投資が相次いでいます。この動きは、北米市場におけるEVの成長を見込んだもので、ホンダの三部社長も「主要な北米市場でEV市場を拡大していきたい」と述べています。