韓国で2022年第4四半期以降、5四半期連続で20代以下の働き口の減少傾向が続いていると韓国紙が報じている。青年たちが求める良質の働き口の創出のため、財政投入が必要だという主張が高まっているという。
韓国統計庁が発表した「2023年第4四半期(11月基準)賃金勤労働き口動向」によると、昨年第4四半期の賃金勤労者は2074万9千人で、前年同期比で29万3千人増加している。
<世代別雇用者増減>
年代別でみると、
60代以上で24万9千人増、
50代は11万3千人増、
30代は5万2千人増加した。
その一方で、
20代以下は▲9万7千人減、
40代は▲2万4千人減の雇用が減少した。
20代以下の雇用は、新型コロナウイルス感染パンデミックが発生した2021年第2四半期以降、6四半期連続で増加傾向を示したが、2022年第4四半期以降では、5四半期連続で減少している。
統計庁は青年層の働き口減少の原因について、少子高齢化による青年人口数の減少と無関係ではないと分析する。
50~60代より人口数が少ないため、そもそも青年層を想定した働き口が相対的に少ないとみている。
<世代別人口>
実際、行政安全省が発表した「2023年住民登録人口統計」によると、昨年の20代人口は619万7千人、全住民登録人口5132万5千人の12.3%。50代は869万5千人で16.9%の割合を占め、続いて40代の15.4%、60代の14.8%、30代12.8%、70代以上の12.3%で、20代の人口がとりわけ少なくなっている。
スクロール→
韓国人口年代別 2023年基準/万人
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年齢代別
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人口
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構成率%
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70歳以上
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631.3
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12.3
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60代
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764.7
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14.9
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50代
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869.5
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16.9
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40代
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795.5
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15.5
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30代
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657.0
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12.8
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20代
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619.7
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12.3
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20歳未満
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794.8
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15.3
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合計
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5,132.5
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<50代以上への依存>
保健・社会福祉は10.7万、
宿泊・飲食は3.9万人、
運輸・倉庫は3.8万人
などの業界では、働き口の大部分を50代以上に頼っている。
それに伴い、20代の働き口が相対的に減っている。
40代の10年の人口と20歳未満の20年の人口がほぼ一緒であり、40台に比し、20歳未満の人口は半減している。
(50代以上の就労職業と20代の職業に重複が見られ、これらの職業での就労チャンスは高齢者が高いとされる)
<20年後の2052年までに▲540万人あまり減少4620万人に>
韓国統計庁が2022年人口総調査を基礎に市・道別の出生・死亡・人口移動推移を反映して2052年までの人口変動を予測した結果、韓国の総人口は2022年の5167万人から今年は5175万人まで増加した以後、減少し続け、20年後の2052年には4627万人まで減ると推算されている。
韓国では合計特殊出生率が2023年には0.72人まで減少している。
15~49歳の女性の10人に3人が1人も子供を生まない計算となる。
男女は生物学上ツガイとなるため、未来の人口減少を回避するためには最低2.1人の出生率が必要となるのだが・・・、産む産まない権利もある。社会構造が商品化された快楽至上主義に陥ってもいるようだ。
以上、韓国紙等参照
韓国は見栄社会、住宅価格の高騰とともに共稼ぎ世帯が増加し続け、儒教封建社会の崩壊とともに、女性の自立心が強くなっており、女性の高学歴化と晩婚化、結婚拒絶・忌避女性の増加、子育て世代や夫婦に子を持つメリットも考えられなくなってきている。酒・暴力・潜在的な男尊女卑社会の拒否・・・。
青年失業率は2017~19年当時(10~11%)より低い。韓国でもインバウンド効果により、宿泊や旅行関連産業の雇用は大幅に増加しているが、国民の消費が低迷して店舗等は忙・暇の差が出て、全般として雇用の増加は緩慢となっている。
現在、忙しいのは、旅行関連、造船(外国人が多い)、半導体・EV用電池、自動車などで、新規投資による人員増は少なく、自然に減った人員の補充が主となっている。
総じて若年失業率の低下は、人口減による相対的な就労者の増加によるものと見られる。
<韓国の失業率>
●預金や年金問題から高齢者の就業者数が非常に多く、結果、計算のベースとなる労働人口(15~60歳)以上の高齢者の就業者数が多く、全体の失業率は低くなるが、実際の15~60歳までの失業率は高くなる。
●韓国の大学の卒業月は兵役の関係もあり2月(多い)と8月(少ない)。
景気が回復した半導体産業、しかし、産業従事者の増加は新工場の建設は僅かで就労者の増加は限定される。EV用バッテリーは韓国で生産されるより、バッテリー韓国勢大手3社は挙って欧米へ大口進出しており、韓国での就労者の増加は限定される。ましてや材料は中国からの輸入、若干の加工を加え、米国へ加工材料が輸出され、欧米で生産されている。自動車産業は従来の内燃機車は部品点数が多く、多くの協力工場で生産されているが、EVは点数が少なくなり、産業としては大幅な就労者減となる。
日本は製造工場を海外へ移転させ、中は自動車産業など限られ、結果、製造業は安い賃金求めて中身はスッポンポン、さりとてスイスのような世界大手は限られ、賃金も上昇させず、内需は限られ、輸入物価高騰では、食品など内需型企業は、値上げを続け、国民から掠め取っている。
これでは景気は悪化するのみ、超低金利下でもお金の国内循環不足が続き長期消費低迷、貿易赤字=国際競争力剥離、未曾有の政府負債は、金融市場で国際審判にかけられ、結果、日米長期金利差縮小の影響さえ喪失、超円安定着。
その定着さえ、神田大明神の後光はいつまで差すかわからない。トラリスクのみ反転可能か。
スクロール→
韓国の若年失業率(15~29歳/学生除く)
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総合
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うち青年
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22年
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23年
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24年
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22年
|
23年
|
24年
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1月
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3.6
|
2.9
|
3.0
|
5.7
|
5.9
|
6.0
|
2月
|
2.7
|
2.6
|
2.6
|
6.7
|
7.0
|
6.5
|
3月
|
2.7
|
2.7
|
2.8
|
7.0
|
7.1
|
6.5
|
4月
|
2.7
|
2.6
|
2.8
|
7.4
|
6.4
|
6.8
|
5月
|
2.8
|
2.5
|
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7.2
|
5.8
|
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6月
|
2.9
|
2.6
|
|
6.9
|
6.3
|
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7月
|
2.9
|
2.8
|
|
6.8
|
6.0
|
|
8月
|
2.5
|
2.4
|
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5.4
|
4.5
|
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9月
|
2.8
|
2.6
|
|
6.1
|
5.2
|
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10月
|
2.8
|
2.5
|
|
5.6
|
5.1
|
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11月
|
2.9
|
2.8
|
|
5.7
|
5.3
|
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12月
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3.1
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3.2
|
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5.2
|
5.5
|
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