アイコン 米ビッグテックの小型原発投資加速 AIデータセンターで電力不足顕在化 SMR各社の動き

Posted:[ 2024年10月19日 ]

 米国のビッグテックが、人工知能(AI)開発と駆動のために原子力発電などエネルギー関連の投資を増やしている。
AIの主要インフラであるデータセンターの電力需要が爆発的に増加すると予想され、環境にやさしい電力などで足りるわけでもなく、電力と水がデータセンター進出の必需要件に急浮上してきている。

 従来型データセンターで10万Kwh必要であり、AI搭載型サーバーを使用する場合は20万から大型になると40万Kwh必要となる。
 原発1基100万Kwh(旧型65万~新型145万)であり、新たに発電所を造らない限り、新たに設置できない問題に直面することになる。

 



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1、AIでは10倍増の消費電力
グーグルで一般的な検索をする時には平均0.3Wh(ワット時)の電力が必要だが、チャットGPTに同じ内容を尋ねる時は、約10倍の2.9Whの電力が消費される。AI半導体でもディープランニング過程で大量のデータ演算を高速で処理させることから、消費電力が格段に増加する。最新の低電力消費のGPU、HBM、SSDにしろ、膨大に学習させ推論させることから、膨大な電力を消費することになる。
(サムスン製HBMが、NVIDIAのAI半導体搭載サーバー向けに搭載認可がまだ下りていないのは消費電力量にあるとされているほど)

2、小型モジュール炉の原発とは、
小型モジュール炉原発=マイクロ原発/SMR/Small Modular Reactors/30万Kwh以下もしくは1000MWth未満をいう。

3、グーグルは「カイロスパワー」社と提携
グーグルは(2024年10月)14日、米国の小型モジュール原発のスタートアップ企業の「カイロスパワー」と電力購入契約を締結したと発表した。
カイロスパワーは2030年にSMR原発の初稼動を目標にしており、グーグルはこの会社がSMRを通じて発電する計500MW(メガワット)の電力供給を受ける計画。

ただし、小型モジュール原発SMR原発は、まだ商業化の事例がないため未来計画に近い。
現実には、海洋や宇宙では、原潜や原子力空母、原子力偵察衛星などにすでにSMR原発は製造され使用されている。放射線等直接環境賦課がかかる陸上での発電はなされていない。


4、アマゾンは「Xエナジー」社へ出資
米アマゾンは(2024年)10月16日、次世代原発「小型モジュール炉(SMR)」の開発を通じてデータセンター向け電力を確保するための3件の契約を締結したと発表した。
人工知能(AI)の利用拡大に伴ってデータセンターの電力需要が急増している状況に対応する。
アマゾンは、「Xエナジー」が開発予定のワシントン州でのSMRプロジェクトの事業化のために5億ドルを出資する。
プロジェクトは州の公益企業連合が主導しており、SMRを活用して発電能力を960メガワット(MW)に拡大し、この拡大分をアマゾンと公益企業連合が利用する取り決めとなっている。

5、マイクロソフトのビル・ゲイツは「カスケード・インベストメント」
マイクロソフトのゲイツは自ら個人の投資会社「カスケード・インベストメント」が出資した「テラパワー」が、SMRではなく燃料交換が100年に1回のTWR=進行波炉(TWR, Traveling Wave Reactor)の開発に当たっている。
TWRではウラン濃縮過程で生成される劣化ウランを使用し、最長100年間燃料交換なしで運転可能とされる。テラパワーが研究中のTWRの出力は軽水炉並みの100万キロワット以下とみられている。韓国のSKグループはテラパワーとMOU契約を締結している。

6、SMR先行の「ニュースケール・パワー」
「ニュースケール・パワー」社はオレゴン州立大学発のスタートアップ企業/エンジニアリング会社Fluorのグループ企業。
同社は、最大12基の「NuScale Power Module」(NPM)を搭載する「VOYGR-12」は、小型モジュール式原子炉(SMR)の標準プラントとして初めて、米国原子力規制委員会(NRC)の設計認証審査を2020年に完了している。
日本からは国際協力銀行を通じて2022年以降、日揮やIHI、中部電力が国際協力銀行と株式持分譲渡に関する契約を締結している。韓国ではサムスン物産と斗山エナビリティーが出資している。

原発は、小型でも中型でも大型でも、一旦、爆発したり、メルトダウンすれば環境破壊は同じ。
巨大な電力消費を行っている仮想通貨のマイニング、抽象的には問題となるが、電力を盗むなどして摘発されてない限り、問題とはならない。
COP21のパリ協定などの追加議案で、データセンターやマイニングについて、はっきり対策を採らなければ、現行60%以上の電力が石炭などの化石燃料により発電されており、地球温暖化も地球環境もますます悪化していくことになる。

EVは環境破壊元素
リチウムは、リシア輝石(スポジュメン/豪州・米国産)から電解により他の元素と分離され抽出される。もしくは南米産のように鉱泉や塩水溜まり、堆積塩などから抽出される。
金属リチウムは、55%の塩化リチウムと45%の塩化カリウムの混合物を450°Cで溶融塩として電解することによって生産される。リシア輝石は米国産も豪州産も中国で電解溶融されており、中国で膨大な(安価な・地球環境を破壊する)石炭発電力が使用されている。
EV用電池の金属リチウムの含有量は1.4㎏/kWhであり、
テスラ・モデル3のスタンダードでは50kwh(409km)、リチウムだけでも70キロがバッテリー内部に搭載されていることになる。
欧州選挙の道具になってしまったEV普及、世界へ普及が拡がり、連れて、バッテリー材料生産における膨大な石炭燃焼ガスに、地球が対応できず、急激に地球温暖化を進め、異常気象も含め取り返しがつかなくなってきている。


 

 


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