令和8年7月27 日
大村市長 園田裕史 殿
大村市総務部長 殿
大村市契約担当部局 御中
大村市新庁舎建設担当部局 御中
大村市農林水産担当部局 御中
大村市新庁舎建設工事の特記仕様書における「大村市産材供給協議会」の指定及び木材調達の公平性に関する公開質問状
提出者:中山 洋次
住所:長崎市
団体名:JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次
代表者:中山 洋次
第1 質問の趣旨
大村市は、新庁舎建設に当たり、「大村市木材利用促進基本方針」等に基づき、内装材等に地元産木材を活用する方針を示しています。
森林資源の循環利用、地域林業の振興、環境負荷の軽減等の観点から、大村市産材を積極的に活用するという政策目的については、一定の合理性があるものと理解しています。
しかしながら、新庁舎建設工事の特記仕様書に「大村市産材供給協議会」という特定団体が明記され、その記載又は実際の運用によって、同協議会若しくはその構成員から木材を調達することが事実上義務付けられているのであれば、これは単なる産地指定ではなく、特定の供給者又は供給経路を指定するものとなります。
公共工事の仕様書は、政策目的を達成するために必要かつ合理的なものでなければならず、特定団体又は特定事業者に利益や取引機会を集中させる結果を生じる場合には、その必要性、公平性、競争性、透明性及び価格の妥当性について、十分な説明が求められます。
そこで、以下の事項について、市民及び入札参加者に分かるよう、具体的な回答と関係資料の公表を求めます。

第2 特記仕様書の意味及び拘束力について
質問1
特記仕様書に「大村市産材供給協議会」を明記した具体的な目的及び理由を回答してください。
質問2
同協議会の記載は、次のいずれを意味するものですか。
1. 大村市産材の供給先としての例示
2. 大村市産材であることを証明する機関の指定
3. 木材の購入先又は調達先の指定
4. 協議会構成員からの調達の義務付け
5. その他
「その他」の場合は、その具体的内容を回答してください。
質問3
受注者は、大村市産材供給協議会又はその構成員以外の製材業者、森林組合、木材商その他の事業者から、大村市産材を調達することができますか。
「できる」「条件付きでできる」「できない」のいずれかを明示してください。
質問4
協議会以外の事業者が、同等の品質、強度、乾燥状態、合法性及び産地証明を備えた大村市産材を供給する場合、その木材を使用することは認められますか。
認められない場合は、法令、条例、規則、要綱、要領又は契約上の根拠を示してください。

質問5
「大村市産材」という材料・産地指定だけでは政策目的を達成できず、特定団体名を特記仕様書に明記しなければならない理由を具体的に回答してください。
第3 協議会の組織及び構成員について
質問6
大村市産材供給協議会について、次の事項を公表してください。
• 設立年月日
• 設立目的
• 所在地
• 代表者及び役員
• 現在の構成員
• 設立時の構成員
• 事務局の所在
• 規約、会則及び各種規程
• 法人格の有無
• 加入及び脱退の要件
• 会費、負担金及び手数料
• 意思決定方法
• 木材供給に関する役割分担
質問7
協議会への加入は、市内の森林所有者、素材生産業者、製材業者、森林組合、木材商等に公平に開かれていますか。
加入に既存構成員の承認が必要な場合、その審査基準及び過去の加入申請・承認・不承認の件数を示してください。
質問8
大村市職員、市議会議員、市関係団体の役職員又はこれらの親族が、協議会若しくは構成事業者の役員、株主、従業員、顧問等になっている事実がありますか。
市が把握している範囲で回答してください。
第4 木材の選定、価格及び流通経路について
質問9
新庁舎に使用する大村市産材の樹種、規格、品質、数量及び使用箇所を示してください。
現時点で確定していない場合は、予定数量及び算定根拠を示してください。
質問10
木材の供給事業者は、誰が、どのような基準及び手続によって選定しますか。
協議会が構成員に供給量を割り当てる場合は、その割当基準を示してください。
質問11
木材の販売価格又は納入価格は、誰が、どの時点で、どのような資料に基づいて決定しますか。
また、複数の供給事業者による見積比較、相見積り又は価格競争は行われますか。
質問12
協議会又は構成員に支払われる予定の費用について、次の内訳を示してください。
• 原木代
• 伐採・搬出費
• 運搬費
• 製材費
• 乾燥費
• 加工費
• 保管費
• 証明手数料
• 協議会手数料
• 管理費
• その他の費用
質問13
協議会が手数料、管理費、証明料その他の金銭を受領する場合、その金額、算定方法、使途及び最終的な負担者を示してください。
質問14
市は、協議会を通じた木材価格について、市場価格、県内産材価格又は他自治体の公共建築物における調達価格との比較を行いましたか。
行った場合は比較資料を公表してください。行っていない場合は、その理由を回答してください。
第5 産地証明及びトレーサビリティーについて
質問15
大村市産材であることを確認するために必要な証明書、伐採記録、搬出記録、製材記録、納品書その他の書類を具体的に示してください。
質問16
協議会の構成員でない事業者でも、大村市産材について協議会の証明を受けることができますか。
申請資格、審査基準、手数料及び処理期間を示してください。
質問17
協議会以外の第三者が発行する産地証明、合法木材証明その他の同等の証明書を認めますか。
認めない場合、その合理的理由を回答してください。
質問18
伐採地から製材、加工、保管、納入までの間に、市外産材又は外国産材が混入しないことを、誰がどのように確認しますか。
第6 契約・法務審査について
質問19
特記仕様書に特定団体名を記載することについて、競争性、公平性、透明性及び経済性の観点から、庁内の契約審査又は法務審査を行いましたか。
行った場合は、審査年月日、担当部署、審査内容、指摘事項及び結論を示してください。
質問20
市の顧問弁護士、外部弁護士、設計者、発注支援事業者その他の専門家から意見を聴取しましたか。
聴取した場合は、相手方、年月日、質問内容及び回答の概要を公表してください。
質問21
特定団体名の記載によって、木材供給部分の競争が制限される可能性について、市はどのように検討しましたか。
検討記録、比較資料及び決裁文書を公表してください。
質問22
市は、協議会又はその構成員から、仕様書への団体名の記載を求める要望、提案、陳情又は働き掛けを受けましたか。
受けた場合は、年月日、相手方、対応者及び内容を明らかにしてください。
質問23
設計者又は発注支援事業者が「大村市産材供給協議会」という文言を仕様書に記載した場合、その指示者、提案者、協議過程及び最終決裁者を明らかにしてください。
第7 市と協議会との関係について
質問24
過去10年間に、大村市が同協議会又は構成員に支出した補助金、助成金、委託料、負担金、工事代金、物品購入費その他の公金について、年度、相手方、目的及び金額を公表してください。
質問25
市が協議会の設立、運営、事務局業務、会員募集又は事業者選定に関与した事実がありますか。
ある場合は、その具体的内容と根拠を示してください。
質問26
市職員が協議会の会議に出席した記録、協議会から市に提出された要望書、協議記録、電子メール、面談記録等を公表してください。
第8 入札参加者への情報提供について
質問27
入札参加予定者に対し、協議会からの木材調達の条件、価格、納期、供給可能量及び責任分担について、同一の情報が同一の時期に提供されていますか。
質問28
一部の入札参加者又はJV構成員だけが、協議会若しくは構成員から事前に価格、供給量その他の情報提供を受けることがないよう、どのような措置を講じていますか。
質問29
木材の価格及び供給条件が入札後に確定する場合、入札参加者が適正な工事費を算定できないおそれがありますが、市はその点をどのように考えていますか。
質問30
協議会による供給遅延、品質不良又は数量不足が発生した場合、その責任と追加費用を受注者だけに負わせるのでしょうか。
市、受注者、協議会及び実際の供給事業者の責任分担を示してください。
第9 関係資料の公表要求
回答に併せ、次の資料を公表してください。
1. 該当する特記仕様書の全文
2. 特記仕様書の作成過程が分かる起案・決裁文書
3. 設計者及び発注支援事業者との協議記録
4. 協議会の規約、名簿、役員名簿及び事業計画
5. 協議会との協定書、覚書、契約書等
6. 木材供給量及び価格の算定資料
7. 市場価格との比較資料
8. 契約審査及び法務審査の記録
9. 協議会から提出された要望書、提案書及び陳情書
10. 市と協議会又は構成員との面談・協議記録
11. 木材の産地証明及び品質証明に関する基準
12. 協議会以外の事業者による供給の可否を検討した記録
13. 過去10年間の市から協議会及び構成員への公金支出一覧
第10 回答方法及び回答期限
本質問状に対する回答は、各質問番号に対応させ、令和8年 月 日までに書面及び電子データで提出してください。
回答できない事項がある場合は、単に「回答できない」「把握していない」とするのではなく、
• 回答できない具体的理由
• 調査を行った部署及び範囲
• 根拠となる法令又は規定
• 今後調査する意思の有無
を明記してください。
また、本件は大型公共工事における競争性、公平性及び公金支出の妥当性に関わる問題であるため、回答及び関係資料については、市ホームページ上でも公表するよう求めます。
以上
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公開時の結び
大村市産材を使うことと、特定の協議会から買わせることは同じではない。
「地元産材の活用」という美しい看板を掲げれば、その内側にある供給業者の選定、価格決定、手数料、利益配分まで見えなくしてよいことにはならない。
地元貢献とは、特定団体に仕事を集めることではない。地元の事業者に広く、公平に、透明な機会を保障することである。
大村市が本当に公正な仕様だというのであれば、協議会を指定した理由、供給価格、構成員、選定方法、法務審査の記録を堂々と公表すればよい。
問われているのは木材の産地だけではない。
その木材を、誰が、どのような仕組みで、いくらで供給し、最終的に誰が利益を得るのか――そこまで明らかにして初めて、「市民のための新庁舎」といえるのである。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次