米国のインフレは原油価格に大きく依存している。直接的にはガソリンや軽油等車両費の増、電力価格の上昇のほか、石油精製品、石油化学製品へ浸透していく。
原因因子の原油価格は平常の需給バランスならば、急激には動かないが、産油地帯での戦争では大きく上昇する。22年3月のウクライナ戦争における露制裁では22年3月末に111ドル台に達し、そして26年2月28日のトランプが仕掛けたイラン戦争では、反撃され、また中東産原油の輸出基地であるペルシャ湾をイランがホルムズ海峡封鎖、トランプもイラン船攻撃で逆封鎖、6月の終戦交渉入りも早期に決裂、7月には戦闘再開、事前通告していた親イラン派のイエメン・フーシ派が紅海南端マンデブ海峡を封鎖、サウジタンカーを攻撃、そして9月10日にはサウジのパイプラインも攻撃炎上、サウジの原油積出代替港である紅海側のヤンブーからの出荷停止した。
サウジの2025年の生産実績1150万バレル/日量が、今年7月830万バレル、8月にはフーシ派の攻撃もあり630万バレルまで低下、そして、9月10日、送油管のパイプラインが一部で破壊され送油停止、回復には1~2週間かかるとみられるが、サウジもフーシ派を空爆しており、フーシ派により再びパイプライン(送油量700万バレル/日)が破壊されたり、ヤンブーの原油輸出(500万バレル)施設や、石油精製施設(合計200万バレル)に大きな損傷が出る可能性も高い。
更にサウジ×フーシ派の戦闘が激化すれば、サウジと長く国境を接するイラクの親イラン派武装勢力がパイプライン攻撃に参戦する可能性もある。
それはイラン戦争で際立った動きをしてこなかったイラクの武装勢力(アラブ人/イランはペルシャ人…同じシーア派)を7月29日、トランプに乗せられたムハンマド皇太子は、米+サウジ共同して、イラクの武装勢力を奇襲攻撃、幹部含め数十名が死亡、イラクの武装勢力は報復攻撃を留保しているだけで、パイプラインや石油精製施設に大きなリスクとなっている。
9 月10日前後、ムハンマド皇太子はトランプに対し、フーシ派攻撃に強く協力要請(2日間続けて)、しかし、トランプはそれを断った。
トランプは7月下旬、イランに対して大規模攻撃を実施すると表明したものの、米軍制服組トップのケイン総合参謀議長がミサイル不足から反対表明、今になって迎撃に加え、攻撃用ミサイルの在庫も問題を抱えていることが急浮上、大規模攻撃は中止され、イラク戦争はホルムズ海峡をはさみ長期戦にもつれ込んでいる。
そして紅海最南端のマンデブ海峡を島嶼も含めフーシ派が制圧(フーシ派は北イエメン系)の宗派系武装組織・実質イエメン政権)。
マンデラ海峡は、元々サウジや米国が支援する南イエメン政府(政府機能はサウジに移転)が支配していた地域だが、海峡のほか、9月10日までにフーシ派はイエメン北部から南下、紅海南端の港湾都市モカもフーシ派が完全制圧している。
結果、紅海でイエメンが面する沿岸や島嶼をフーシ派が完全制圧している。
今回、サウジの支援要請に対するトランプの拒否は、米軍において攻撃用ミサイル不足が深刻であることを裏付けたものとなった。
11月3日に中間選挙を控える米連邦議会選挙、トランプは大統領権限の私物化を最大化させ、選挙に向け成人1人当たり5千ドル支給「トランプ配当」を公約(総支給額1.3兆ドル)するなどとんでもない老害爺、もしも行った場合、2021年のバイデン爺が大統領就任祝いに行った新コロナ対策と称する巨額政府投資(1.9兆ドル)により、22年3月の露制裁直前の2月にはすでに7.9%のインフレ率に達し、露制裁の影響もまだ実数に表面化していないなか3月から金利引き上げに入っていた。
トランプに呪われたウォーシュ
当然、今回は、バイデン投資の再来となるが、現金支給であるため、消費関連の物価が急上昇することになる。
トランプが指名した申し子のウォーシュFRB 議長、眼下のトランプが仕掛けたイラン戦争により、原油・ガソリン価格の高騰によりインフレ再燃、対するインフレ退治の金利上昇を余儀なくされる運命にあり、9月15・16日のFOMC(政策金利決定会合)で決定されFRBより発表される。
こうした中でもトランプは「(FRBは)金利を下げよ」と言い続けている。
ウォーシュ議長が11月3日の中間選挙を控え、トランプの圧力に屈して金利を上げなければ、イラン戦争が、紅海を挟みフーシ派×サウジの戦争へ拡大する中、万言勝利のトランプの性格からして終戦の糸口は見えず、物価上昇はさらに深刻な事態に陥る。需給バランスが崩れ、原油価格は高止まり必至となっている。
また、現在、政策金利のベースは現在3.75%と高い水準にある。トランプが米成人全員へ5千ドルのトランプ配当を行えば、最近のインフレ退治の最高金利5.5%どころではなくなり、ノー足りんで最悪なFRB議長としてウォーシュ氏は歴史に刻まれることになる。
純粋に、好景気に賃金も上昇して物価が上昇すれば、景気の過熱化を抑えるため金利を上昇させるが、景気に関係なく、露制裁による露産原油や天然ガス購入の欧州勢の停止・急減により、露産以外の原油・天然ガス(LNG含む)の需給バランスが崩れ高騰、今回のイラン戦争における中東湾岸産油国からの輸出がホルムズ海峡封鎖による停止による需給関係悪化による急騰、特にアジアの需給バランスが崩壊し、急騰している。
こうした戦争を起因にした資源価格の上昇は、回復途上の欧州経済なども再度落ち込むことになる。すでに欧州国は金利を上昇させている。
トランプは米国のガソリン価格が急騰し、米国民が不満を抱える中、原油の輸出国である「米国は大儲かり」とイラン戦争を称賛する言動も繰り返している。
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米国のインフレ率 前年比%
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総合
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エネ
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食料
|
サービス
|
住宅
|
原油
|
前年比
|
|
|
%
|
%
|
%
|
%
|
%
|
WTI
|
%
|
|
25/1.
|
3.0
|
1.0
|
2.5
|
4.2
|
4.4
|
72.53
|
-1.6
|
|
25/2.
|
2.8
|
-0.2
|
2.6
|
4.1
|
4.2
|
69.76
|
-11.8
|
|
25/3.
|
2.4
|
-3.3
|
3.0
|
3.7
|
4.0
|
71.48
|
-14.0
|
|
25/4.
|
2.3
|
-3.7
|
2.8
|
3.7
|
4.0
|
58.21
|
-25.5
|
|
25/5.
|
2.4
|
-3.5
|
2.9
|
3.7
|
3.9
|
60.79
|
-21.0
|
|
25/6.
|
2.7
|
-0.8
|
3.0
|
3.8
|
3.8
|
65.11
|
-20.1
|
|
25/7.
|
2.7
|
-1.6
|
2.9
|
3.8
|
3.7
|
69.26
|
-5.8
|
|
25/8.
|
2.9
|
0.2
|
3.2
|
3.8
|
3.6
|
64.01
|
-13.8
|
|
25/9.
|
3.0
|
2.8
|
3.1
|
3.6
|
3.6
|
62.37
|
-10.2
|
|
25/10.
|
政府予算枯渇で政府機関閉鎖未集計
|
60.98
|
-12.0
|
|
25/11.
|
2.7
|
4.2
|
2.6
|
3.2
|
3.0
|
59.43
|
-12.6
|
|
25/12.
|
2.7
|
2.3
|
3.1
|
3.3
|
3.2
|
57.42
|
-19.9
|
|
26/1.
|
2.4
|
-0.1
|
2.9
|
3.2
|
3.1
|
65.21
|
-10.1
|
|
26/2.
|
2.4
|
0.5
|
3.1
|
3.1
|
3.0
|
67.02
|
-3.9
|
|
26/3.
|
3.3
|
12.5
|
2.7
|
3.1
|
3.0
|
101.38
|
41.8
|
|
26/4.
|
3.8
|
17.9
|
3.2
|
3.4
|
3.3
|
105.07
|
80.5
|
|
26/5.
|
4.2
|
23.5
|
3.1
|
3.5
|
3.4
|
87.36
|
43.7
|
|
26/6.
|
3.5
|
15.7
|
3.0
|
3.2
|
3.3
|
69.50
|
6.7
|
|
26/7.
|
3.4
|
14.7
|
3.0
|
3.1
|
3.2
|
84.67
|
22.2
|
|
26/8.
|
3.4
|
16.3
|
2.7
|
3.1
|
3.0
|
85.76
|
34.0
|
|
26/9/10.
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|
|
|
|
|
102.48
|
60.9
|
|
・住居インフレは住居費用インフレ=シェルターインフレ/エネはエネルギー
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|
・原油価格は米WTI先物価格、ドル表示/指定日以外月末相場/前年比は前年同月末比
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・26/2/28、トランプによるイラン戦争勃発、イランホルムズ海峡封鎖、報復合戦、6月終戦交渉入り、6月末決裂、7/7トランプ戦闘再開議会通告
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・7月、親イラン勢力のイエメン・フーシ派が紅海南端マンデブ海峡封鎖/9月10日サウジパイプラインを攻撃炎上さす、サウジの製油所も攻撃
・2020年3月~2022年まで新コロナパンデミック、2022年3月露制裁、原油高騰。
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日本、
日本は賃金を上げず、小泉時代から聖域なき削減を官民揃って玉条化させデフレ経済の超低成長経済にシフトさせてきた。
こうして増加し続ける政府負債・国債残に対する国債費の増加を抑制させるため金利上昇を抑え込んできた。最近では、政府が主導してきた財政規律の反故策に対して、2023年4月からのバフェット以来国際化した日本市場は表立ってノンを突き付け、長期国債利回りの上昇=長期金利の上昇、超円安にシフトさせてきた。
現在、円高にシフトしているのは、日米協調介入による円買い=円高策動/9月17・18日の日銀の金利決定会合で上昇を織り込んでの円高となっている。
今年から実質賃金の上昇もプラスに転じ、やっと国内経済もプラスが続いている。
しかし、長期金利の上昇は実質景気の好調も伴っているが、国内景気は再開発ブームが牽引していおり、不動産バブルなどにより一部では過熱感も出ている。
原油高に起因する物価上昇圧力は根強く、金利で退治することになる。
6月の日銀の金利上昇策は、市場の信認や外部環境に適していなかったからか、1%に0.25%金利を引き上げたにもかかわらず、対ドル円も長期金利も反応しなかった。
ただ、長期金利が上昇しており、新規・中古の不動産マンションバブルは、住宅ローン金利の上昇から、住宅産業全体が沈静化する恐れもある。
物価上昇により名目の経済成長率は上昇しても、実質では2023年以降、かなり低くなっている。
スクロール→
|
日本のGDP/名目 前年同期比
|
|
|
23年
|
24年
|
25年
|
26年
|
|
1Q
|
2.1
|
-0.9
|
1.6
|
0.5
|
|
2Q
|
1.2
|
-0.9
|
2.1
|
0.7
|
|
3Q
|
0.2
|
1.1
|
0.6
|
|
|
4Q
|
0.1
|
0.9
|
0.4
|
|
スクロール→
|
日本のGDP推移、名目・実質・名目ドル換算値 SNA版
|
|
年率
|
名目
|
実質
|
米ドル換算 名目
|
|
|
兆円
|
前年比
|
兆円
|
前年比
|
百億ドル
|
前年比
|
|
2000年
|
543
|
1.6
|
500
|
3.0
|
504
|
7.6
|
|
2010年
|
510
|
2.2
|
529
|
4.1
|
581
|
9.0
|
|
2015年
|
548
|
3.9
|
562
|
1.8
|
453
|
-9.0
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2018年
|
569
|
0.7
|
580
|
0.8
|
515
|
2.3
|
|
2019年
|
571
|
0.4
|
579
|
-0.3
|
524
|
1.7
|
|
2020年
|
554
|
-3.1
|
554
|
-4.2
|
518
|
-1.0
|
|
2021年
|
573
|
3.5
|
574
|
3.5
|
522
|
0.7
|
|
2022年
|
584
|
1.9
|
581
|
1.3
|
444
|
-14.8
|
|
2023年
|
616
|
5.3
|
585
|
0.7
|
438
|
-1.4
|
|
2024年
|
634
|
2.9
|
584
|
-0.2
|
419
|
-4.4
|
|
2025年
|
663
|
4.6
|
591
|
1.1
|
443
|
-1.2
|