告 発 状
大村市新庁舎建設工事の木材調達をめぐる入札・契約過程について
長崎地方検察庁 検事正 殿
令和8年(2026年) 月 日
住所 長崎市小曽根町1番14号
請求人・告発人 中山 洋次 印
団体名 JC-net・日刊セイケイ
肩書 編集長
第1 告発人
氏名 中山 洋次
住所 長崎市小曽根町1番14号
所属・肩書 JC-net・日刊セイケイ 編集長
電話・メール
[記入]
第2 被告発人
氏名不詳。具体的には、特記仕様書への「大村市産材供給協議会」名の記載を企画・指示・承認した大村市職員、設計・監理関係者、同協議会の設立・運営関係者及び構成員、並びに入札参加者その他の関係者のうち、捜査により刑事責任が認められる者。
※十分な客観資料を得る前に特定個人を被告発人として断定しない。氏名を追完する場合は、当該者の具体的行為及びこれを裏付ける証拠を併記する。
第3 告発の趣旨
被告発人らの行為には、刑法第96条の6第1項(公契約関係競売等妨害)又は同条第2項(談合)その他の罰則に該当する可能性があるため、関係資料を保全して厳正に捜査し、犯罪の成立が認められる者について適切に処罰されたく告発する。
ただし、本告発は現段階で犯罪事実を断定するものではない。行政内部及び関係事業者が保有する資料を告発人が取得できず、強制捜査を含む捜査機関の権限によらなければ解明が困難であることから、具体的な疑義と根拠資料を示して捜査を求めるものである。
第4 告発事実
1 大村市は、新庁舎(庁舎棟)建設工事の特記仕様書において、使用木材を「原則として大村市産木材(桧材)」とし、参考として、供給可能な事業者に「大村市産材供給協議会」と記載した。
2 特定の協議会名が公契約の設計図書に記載されれば、応札者にとって同協議会又はその構成員からの仕入れが指定又は強い推奨であると受け取られ、仕入先、見積価格及び応札価格の形成に影響する可能性がある。
3 ところが、同協議会の法的性格、設立経緯、構成員、役員、選定基準、価格決定方法、供給能力、利益配分及び大村市・設計者・入札参加者との関係は公表されていない。
4 関係者情報によれば、同協議会の構成員とされる事業者は別紙1のとおりである。この情報は原資料による確認を要するため、捜査により会員名簿、規約、議事録、帳簿、見積書、通信記録等を確認されたい。
5 仮に、発注者側、設計関係者、協議会関係者又は入札参加者が事前に通謀し、特定供給者からの調達を前提とする仕様を作成して他の供給者を排除し、見積価格又は落札価格を不当に形成した事実があれば、偽計その他の方法による公の入札・契約の公正妨害、又は公正な価格を害する目的若しくは不正な利益を得る目的の談合に該当し得る。
第5 犯罪成立を疑う具体的事情
「参考」としながら、公的な設計図書に特定協議会だけが実名で記載されていること
協議会の実態と選定過程が公表されず、第三者が公平性を検証できないこと
大村市産桧材を供給できる他の事業者の調査、公募又は比較見積りの有無が明らかでないこと
設計者、市担当者、協議会関係者及び入札参加者の間で、仕様書公表前にどのような協議があったか不明であること
協議会を経由することにより、価格、供給量又は利益配分が統一・調整された可能性を排除できないこと
第6 捜査を求める事項
特記仕様書の作成・修正・承認に関する起案、決裁、電子メール、チャット、面談記録及びファイル履歴
協議会の設立資料、規約、名簿、議事録、会計帳簿、請求書、見積書及び金融取引資料
市、設計者、協議会、構成員、落札JV及び他の入札参加者間の通信・協議記録
仕様公表前後の見積価格、単価表、数量表及び各社の応札内訳の比較
協議会以外の供給者が参加又は見積提出を妨げられた事実の有無
市職員、設計関係者又は入札関係者に対する金品、便宜、紹介料、謝礼その他利益供与の有無
電子データの消去・改変を防ぐための速やかな証拠保全
第7 適用法条(捜査により確定を求めるもの)
1 刑法第96条の6第1項(公契約関係競売等妨害)
2 刑法第96条の6第2項(談合)
3 その他、捜査により判明する関係法令
独占禁止法違反の成否は、公正取引委員会の調査・告発を要する類型を含むため、本状では安易に犯罪事実として断定せず、必要に応じ同委員会への情報提供を別途検討する。
第8 証拠資料
証拠1 特記仕様書(協議会名が記載された頁)
証拠2 入札公告、入札説明書、質疑回答書
証拠3 落札結果、契約議案、契約書及び市公表資料
証拠4 協議会構成員に関する情報資料(情報提供者、入手日、原資料の有無を整理)
証拠5 市への質問状、情報公開請求書及び回答書
証拠6 他の供給可能事業者及び価格比較に関する資料
証拠7 関係者の陳述書又は録音反訳書(適法に取得したもの)
第9 結語
公共工事の仕様書に特定団体名が記載された経緯は、市民の疑念を招くに足りる重大な事項である。告発人には内部資料へのアクセス権限がなく、関係者間の通謀、価格調整又は利益供与の有無を確定できない。ついては、予断なく関係資料を収集・保全し、事実関係を解明されたい。
別紙1 協議会構成員等(捜査確認対象)
長崎南部森林組合[正式名称・加入時期要確認]
株式会社富建[法人番号・加入時期要確認]
谷川商事株式会社[正式商号・代表者・加入時期要確認]
伊万里木材株式会社[正式商号・加入時期要確認]
株式会社クロダ[「クロダプレカット」の法人名・加入時期要確認]
上記は関係者情報に基づく捜査確認対象であり、構成員であること又は違法行為への関与を断定するものではない。
別紙2 提出前補充事項
工事件名、公告日、開札日、落札日、契約日、契約金額、落札JVの正式名称
特記仕様書の文書番号、版、作成者、承認者及び該当頁
情報提供者の陳述書(匿名希望の場合は、その理由と連絡可能性)
協議会名を記載する提案を誰が、いつ、誰に行ったかを示す資料
価格・供給先への具体的影響を示す見積書、メール、録音等
JC-net・日刊セイケイ 編集長 中山洋次
≪大村市新庁舎建設工事≫(刑事告発)その2