【熊本書店閉店情報】TSUTAYA・明林堂など4店が閉店 金龍堂まるぶん店も年末営業終了
熊本県内で書店の閉店が続いている。
2026年は熊本市内だけでも、3月に「TSUTAYA AVクラブ 植木店」、5月に「TSUTAYA AVクラブ 健軍店」、8月には「明林堂書店 長嶺店」が営業を終了した。
さらに、熊本市中心部・上通で半世紀以上営業してきた「金龍堂まるぶん店」も、2026年12月30日をもって閉店することが明らかになった。
各店舗の閉店理由は同一ではなく、経営不振や倒産による一斉撤退が確認されたものではない。一方、熊本県内では長期的に書店数が減少しており、地域で本を購入できる場所の縮小が続いている。
2026年に熊本市で閉店・閉店予定の主な書店
| 店舗名 | 地域 | 営業終了 |
|---|---|---|
| TSUTAYA AVクラブ 植木店 | 熊本市北区 | 2026年3月22日 |
| TSUTAYA AVクラブ 健軍店 | 熊本市東区 | 2026年5月6日 |
| 明林堂書店 長嶺店 | 熊本市東区 | 2026年8月30日 |
| 金龍堂まるぶん店 | 熊本市中央区 | 2026年12月30日予定 |
TSUTAYA AVクラブ植木店、3月に閉店
熊本市北区植木町で営業していた「TSUTAYA AVクラブ 植木店」は、2026年3月22日に閉店した。
運営していたのは熊本市に本社を置くニューコ・ワン株式会社(法人番号:6330001026195)。同社は書籍、CD・DVDなどの販売・レンタル事業を展開している。
植木店は2017年、ファミリーマートとTSUTAYAを組み合わせた複合型店舗として開業。郊外型の大型店舗として営業してきた。
閉店に至った具体的な理由については確認できておらず、運営会社の倒産や事業停止による閉店ではない。
跡地では、良品計画が「無印良品 植木」を2026年9月11日にオープンする予定。所在地も旧TSUTAYA植木店と同じ熊本市北区植木町舞尾545番2となっている。
TSUTAYA健軍店も5月に営業終了
同じニューコ・ワンが運営していた「TSUTAYA AVクラブ 健軍店」も、2026年5月6日に閉店した。
熊本市東区健軍で書籍、映像・音楽関連商品のレンタルや物販などを展開していた店舗で、レンタルの最終利用日は5月5日、物販は翌6日まで営業した。
植木店の閉店から約1カ月半後に健軍店も営業を終了したことになり、2026年春にはニューコ・ワン運営のTSUTAYAが熊本市内で相次いで閉店した。
ただし、ニューコ・ワンが全社的な店舗削減や不採算店舗整理を進めているとする公式発表は確認できていない。このため、両店舗の閉店理由を同一と判断することはできない。
明林堂書店長嶺店は8月30日閉店
熊本市東区月出の「明林堂書店 長嶺店」は、2026年8月30日に営業を終了した。
運営会社は株式会社明林堂書店(法人番号:2320001006615)。書籍・雑誌販売を中心に九州などで書店を展開している。
熊本市の大規模小売店舗に関する公表資料では、「ゆめマート長嶺店・明林堂書店長嶺店」は2015年3月に新設されており、長嶺店は約11年にわたり地域の書店として営業してきた。
閉店後、同店で受け付けていた定期購読や取り置き注文などについては、熊本市東区上南部の「明林堂書店 サンピアン店」へ引き継ぐことが案内されている。
長嶺店の具体的な閉店理由は確認できておらず、明林堂書店自体の事業停止や倒産によるものではない。
「かっぱの本屋さん」金龍堂まるぶん店も年末閉店
さらに熊本市中央区上通町では、老舗書店「金龍堂まるぶん店」が2026年12月30日をもって閉店する。
同店は1970年11月に開店し、入口に設置された「かっぱ像」から「かっぱの本屋さん」の愛称で親しまれてきた。営業期間は約56年に及ぶ。
現在の運営会社は愛媛県松山市に本社を置く株式会社明屋書店(法人番号:3500001003378)。同社は書籍・雑誌・文具などの小売事業を全国で展開している。
まるぶん店は2016年の熊本地震で建物に被害を受け、一時営業を休止。約7カ月後の同年11月に営業を再開していた。
今回の閉店について店舗側は、入居する建物の老朽化と建物所有者の事情を理由としている。建物は老朽化に伴い解体される予定とされており、書店の業績不振を直接の理由とした閉店ではない。
また、完全な熊本撤退ではなく、上通周辺などで再出店先を探している。店舗のシンボルとなっているかっぱ像についても処分せず、今後の取り扱いを検討するとしている。
熊本県では10年で書店が約4割減少
2026年に確認された4店舗の閉店は、それぞれ事情が異なる。
TSUTAYA植木店・健軍店、明林堂書店長嶺店については具体的な閉店理由が公表確認できておらず、金龍堂まるぶん店は建物の老朽化と明け渡しが直接の理由となっている。
したがって、4店舗すべてを「書店不況による閉店」とまとめることはできない。
一方、熊本県内の書店数そのものは長期的な減少が続いている。
熊本放送が2026年6月に報じたところによると、熊本県内ではこの10年間で書店が約4割減少した。
ネット通販や電子書籍の普及、出版市場の変化に加え、地方では人口減少や商圏縮小なども書店経営を取り巻く環境の変化につながっている。
書店がなくなれば、本を購入する場所が減るだけでなく、子どもや高齢者などオンラインで本を購入する機会が少ない住民にとっても影響が生じる。
熊本市では中心部・郊外の双方で書店が減少
2026年の閉店を地域別に見ると、熊本市北区の植木、東区の健軍・長嶺、中央区の上通と、市中心部から郊外まで広い範囲に及ぶ。
郊外型のTSUTAYAや明林堂書店が相次いで営業を終了する一方、中心市街地では56年の歴史を持つ金龍堂まるぶん店が建物事情から閉店する。
各店舗の閉店背景は異なるものの、熊本県で書店数の減少が続くなか、地域住民が日常的に利用できる「街の本屋」がさらに少なくなる状況は続いている。
なお、今回確認した店舗について、運営会社の破産や倒産を理由とした閉店は確認されていない。
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