山形県は2026年10月19日、東京都千代田区の建設会社「株式会社J-BISメンテナンス」に対し、6カ月間の指名停止措置を行うと発表した。期間は10月20日から2027年4月19日まで。
今回の措置は、関東地区のマンション大規模修繕工事を巡る独占禁止法違反に関係するもの。公正取引委員会は9月28日、設計コンサルタント会社と施工会社による受注調整を認定し、関係事業者に排除措置命令や課徴金納付命令を出していた。
同社に対しては山形県のほか、福島県や横浜市なども入札参加を制限する措置を公表しており、自治体ごとに停止期間が異なっている。
マンション大規模修繕で受注予定者や見積価格を調整
公正取引委員会が問題としたのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県に所在するマンションの大規模修繕工事。
マンション管理組合がリノシスコーポレーションまたは翔設計に設計コンサルティング業務を委託し、施工会社を選定する過程で、工事の受注予定者や見積価格などが事前に調整されていた。
公取委は、設計コンサルタント会社と施工会社が協力して特定の会社が工事を受注できるようにしていた行為について、独占禁止法第3条が禁止する不当な取引制限に該当すると認定した。
J-BISメンテナンスも排除措置命令と課徴金納付命令の対象となり、課徴金額は1,766万円。同社は9月28日付で公取委からの命令について公式サイトに発表している。
なお、公取委が認定した違反行為は関東地区のマンション大規模修繕工事に関するものであり、山形県発注工事で受注調整が行われたという発表ではない。
福島県では12カ月、自治体によって異なる指名停止期間
公取委の処分を受け、地方自治体による入札参加制限の動きも広がっている。
福島県は10月19日から2027年10月18日までの12カ月間、J-BISメンテナンスの入札参加資格を制限。横浜市は10月1日から2027年3月31日までの6カ月間、西東京市は9月28日から12月27日までの3カ月間の指名停止措置を公表している。
|
自治体 |
措置期間 |
停止期間 |
|
山形県 |
2026年10月20日~2027年4月19日 |
6カ月 |
|
福島県 |
2026年10月19日~2027年10月18日 |
12カ月 |
|
横浜市 |
2026年10月1日~2027年3月31日 |
6カ月 |
|
西東京市 |
2026年9月28日~12月27日 |
3カ月 |
指名停止措置は、それぞれの自治体の公共工事などに関する入札参加を制限するもので、直ちに建設業許可の取消しや、すべての民間工事の施工禁止を意味するものではない。
1939年創立、旧社名は建設塗装工業
J-BISメンテナンスは1939年創立。前身の鉄道塗装工業から1961年に建設塗装工業へ商号変更し、2025年5月1日から現在の社名となった。
鉄道橋りょうの塗装を祖業とし、現在は橋りょうメンテナンス、鋼構造物塗装、マンション修繕・建築、建設資材販売などを展開している。
同社の沿革によると、1990年代からマンションのリフォーム事業を本格化させ、その後は大型マンションや超高層マンションの改修工事も手掛けてきた。鉄道施設などの社会インフラ維持管理と建築物の修繕を事業領域とする企業である。
マンション大規模修繕工事を巡る独禁法違反に対する公取委の処分から約3週間が経過し、地方自治体による入札参加制限の措置も相次いでいる。
今後の受注活動や業績に及ぼす具体的な影響については、確認できていない。