エチオピア連邦軍は、約2週間にわたる激しい戦闘の末、ティグラヤ州の首都メケレに進軍、ティグライ人民解放戦線(TPLF)を含む反政府勢力の連合軍が同市から撤退したという。(政府軍が発表したもので実際は分からない)
先月下旬に勃発した戦闘により、2022年のプレトリア停戦と、壊滅的なティグライ戦争に続く脆弱な平和が、事実上終結した。
紛争地域は、ティグライ州に隣接するアムハラおよびアファルの北部3州に拡大しており、政府軍は9月28日までにティグライ州アラマタの戦略的町を占領した一方、ティグラヤの武装勢力もアファル州へ侵攻した。
エチオピアの陸軍長官は、エチオピアの北東部のエリトリア、西部のスーダンの軍、および北部の南スーダン経由のエジプトが、武装勢力を支援していると非難し、より広範な地域戦争への懸念が高まっている。
政府軍は、自爆型ドローンを多用し、学校や病院なども攻撃、多くがすでに閉鎖されている。
ティグラヤ軍とアファル武装組織ウググモが、アファル州へ進軍しており、ティグライ・アファル国境沿いおよびエレブティ・アバラ周辺で戦闘が報告されている。
一帯には、燃料を含むエチオピアの主要で重要な輸入ルートであるセメラ・ジブチ回廊があり、反乱軍が脅かす可能性もある。
内戦再開の発端は、
2018年4月からのアビィ政権は、エリトリアとの紛争を終結させ、2019年12月には国内で中央集権化を図るため新党「繁栄党」を結成。しかし、各民族州は、民族連邦国家を否定するものだとして反発していた。
(エチオピア政府軍は15万人で構成、ほかの政権寄りの各州の州政府軍も合わせ政府連邦軍という)
アビィ政権の「繁栄党」へ参画した地方勢力+武装勢力、
①アムハラ民族民主運動(ANDM)、
②オロモ人民民主機構(ODP)、
③南エチオピア人民民主運動(SEPDM)
の3政党が合併して繁栄党が結成された。
その後、
④アファル国民民主党(ANDP)、
⑤ベニシャングル・グムズ人民民主統一戦線(BGPDUF)、
⑥ソマリ人民民主党(ESPDP)、
⑦ガンベラ人民民主運動(GPDM)、
⑧ハラリ国民連盟(HNL)も「繁栄党」への合併に参加した。
2026年9月20日、エチオピアの武装および政治団体7団体が、アビイ首相の政権を罷免し、包括的な移行政府を樹立することを目指した同盟を発表した。
アビイ政権罷免の反政府同盟軍結成
①ティグライ人民解放戦線(TPLF)
②アムハラ・ファノ国民運動(ファノ派閥連合体/AFNM)
③アファル革命民主統一戦線(別称:ウググモ)
以上3団体が政府連邦軍と戦闘中
④オロモ解放軍(OLA)
⑤オガデン民族解放戦線(ONLF)
⑥アファル革命民主統一戦線(別称:ウググモ)
⑦ベニシャングル人民解放運動
⑧グムズ人民民主運動
以上8団体が同盟軍に参加
更に⑨シダマ民族解放戦線も参加を表明済み。
同月23日には戦闘が急激に激化。ティグラヤ軍(TPLF)はメケレ、アクスム、シャイアの空港を占拠し、隣接するアファルとアムハラに侵攻した。
一方、政府連邦軍は、TPLF とアファル武装組織ウググモに対して、航空機やドローン、砲兵部隊による攻撃を行い、戦闘はアムハラ北部、北ウェロ地域のコボとギダン周辺、ワグヘムラ地域、セコタなどへ拡大し激化している。
エチオピアでは政府軍は中央の政府軍と各民族の州政府の軍の2本立て、1995年にエチオピア連邦民主共和国が設立され、各州の軍も地方政府軍として中央政府軍に組み入れられた。しかし、メレス政権下、反政府勢力を弾圧したため、民族の氾濫を引き起こし、1993年に独立したエリトリアとも1998年には国境地帯の領有権を巡り戦争に突入した。
2018年に現在のアビィ政権が誕生、エリトリアとの紛争を解決し、ノーベル平和賞を受賞したものの、中央政権の支配を強めるため、民族連邦国家体制を否定するものだと、政府軍に組み入れられていた地方政府の軍や武装勢力が、アビィ政権に対して反旗を翻したもの。
このままでは、各民族は独立志向が強くエチオピアは空中分解する可能性もある。
中国との関係
中国は一帯一路の模範国としてエチオピアを位置づけし、携帯電話の通信網構築、首都からインド洋に通じるジブチ間の鉄道構築、各地の鉄道や高速道など巨額のインフラ投資を行ってきた。しかし、エチオピアはあまりに借り過ぎて借金の漬物国になり、中国が新規のインフラ投資を大幅に減らしたことから、インフラの未整備の地方州などで不満が蓄積していた、そうした中、アビィ氏の新党派設立を機に、開発が遅れた地方州の不満が爆発しているもの。
中国の一帯一路覇権戦略は借金の漬物国を大量生産、高利の利息も払えず、元本が雪ダルマ式に増加している。
代表例はパキスタンであるが、IMFに融資を求めたところ、中国からの借金や利息の返済に充当しない条件を突き付けられ、パキスタンは対応できず、中国は利息を元本に組み入れ難局を乗り切らせた経緯がある。現在も大洪水など頻繁に発生し、インドやアフガンとは戦争状態にある。
インド側カシミールでのテロ事件、パキスタン軍の中国製戦闘機がインド軍の仏ラファール戦闘機を空中戦で撃墜したことから、インド嫌いのトランプがパキスタン軍を褒め称え、パ将軍をホワイトハウスに招聘、今回のイラン戦での仲介もトランプお気に入りのパ将軍が大活躍している。
パキスタンは膨大な中国からの借金を抱え、中国の傘下に収まっていたが、今では借金は別物だとし、米国に急接近、サウジとも安保条約のリャド協定を締結し、中国から完全に乳離れしている。ただ、中国は、クーデター国であろうと借金がある以上離さない絶対離さない国(日本は東南アジなどの国から、気前よく借金を棒引きしてくれるお行儀のよい国=お人好しのバカ国家として知られている)。
民族と州と武装勢力
ティグレ人はエチオピアの人口1.3億人のうち8百万人しかいないが、TPLFの戦闘力は格段に強く、政府軍に対しても多くの実績があり、国境の領土を巡りエリトリア軍と戦闘も行っている。今回は特に各民族州がアビィ政権に対して反旗を翻しており、特別自治区の首都アジスアベバ、アビィ政権に代わるよほどの人物が出てこない限り、エチオピアは分裂の危機にもある。
アラビア半島のイエメンもフーシ派と暫定政府軍との内戦、フーシ派とサウジの戦争により、サウジタンカーが攻撃された紅海やアデン湾もリスクが高まっている。
エチオピアの内戦は拡大すれば、紅海側のエルトリアに戦線拡大、エチオピアに南東部で隣接するアデン湾側のソマリアも再び内戦状態に陥る可能性もある。
今後の戦線次第では、紅海もアデン湾もエチオピア内戦が影響してくる可能性は否定できない。


エチオピアは80以上の民族が集合した民族連邦国家、しかし、民族は主に所在する州を支配しており、独自の武装組織を有している。特に最北部のティグラヤ州は、政府の干渉も遠く、反政府運動が激しい北部州、元々隣接のエリトリアもエチオピアから独立した国であり、エチオピア北部はいまだ独立運動盛んとなっている。
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エチオピアの民族構成
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構成率
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万人
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総人口
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100.00%
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13,205
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オロモ人
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34.40%
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4,543
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アムハラ人
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27.00%
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3,565
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ソマリ人
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6.22%
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821
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ティグレ人
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6.08%
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803
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シダモ人
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4.00%
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528
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グラゲ族
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2.52%
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333
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オメト族
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2.27%
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300
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アファル人
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1.73%
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228
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ハディヤ人
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1.72%
|
227
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ガモ人
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1.49%
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197
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その他
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12.60%
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1,664
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エチオピアは元々王国の歴史があり、200年前後にはエジプトからキリスト教が当時のアクスム王国に入り、333年ころには王もキリスト教に改宗していた。長期にわたったソロモン朝では1900年代に入り、イタリアやイギリスの実質支配下に置かれた。交易が盛んになるにつれ、アラブのムスリムによりイスラム教が浸透。軍部のクーデターにより1975年に帝政は廃止された。
1991年にエリトリアがエチオピアから独立、エリトリア人民解放戦線(EPLF)は、ティグレ人のTPLFとともに政府軍と戦い独立を勝ち取ったが、その後、EPLFはエチオピア政府軍と組み、ティグレ州を攻撃して独立を許さなかった経緯がある。
2018年4月からのアビィ政権は、エリトリアとの紛争を終結させ、国内では新党「繁栄党」を結成した。しかし、各民族州は、民族連邦国家を否定するものだと反発、特に北部のTPLFと南東部のオロモ解放軍が政府軍と戦闘状態に入り、戦闘は首都に至り、2021年11月の停戦まで続いた。
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エチオピアの公用語
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エチオピアの宗教
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アムハラ語
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宗教
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宗教人口率
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アファル語
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キリスト教
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62.8%
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オロモ語
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イスラム教
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33.9%
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ソマリ語
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アニミズム
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2.6%
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ティグリニャ語
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その他
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0.6%
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・キリスト教はコプトはでアムハラ人の55%が信者
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・オロモ人、ダナキル人、ソマリ人にはイスラム教徒が多い
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エチオピアは民族連邦国家で州は14州で構成されている
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