長野県高山村の温泉旅館「松川館」を運営していた梅の屋リゾート(株)(長野県上高井郡高山村)が、2026年10月8日、長野地裁から破産手続開始決定を受けた。負債総額は約1億5,000万円と見込まれている。
同社は、1885年頃創業の老舗温泉旅館の再生に取り組んできた企業。サウナを核とする集客策などを展開したが、収益改善には至らず、2026年5月に営業を停止していた。
なお、温泉旅館「松川館」の事業は別会社の(株)One Ismが承継している。現在は施設の改修・再開準備が進められており、破産した梅の屋リゾートと現行運営会社は異なる。
1885年頃創業の老舗旅館、サウナ事業で再生図る
松川館は長野県高山村の山田温泉に所在する温泉旅館で、1885年頃からの歴史を持つ。山田温泉の自然環境や温泉資源を生かした宿泊施設として営業してきた。
2018年頃、旅館再生を目的に事業が引き継がれ、2023年3月には梅の屋リゾート(株)が法人化された。旅館の歴史は約140年に及ぶが、同社自体の設立は2023年となる。
再生事業では、従来の温泉旅館としての営業に加え、貸切露天風呂や特別客室の整備、サウナ施設の展開などを進めていた。
2022年には「森のポルクサウナ」の開設に向けてクラウドファンディングを実施。目標の300万円を上回る約570万円の支援を集め、同年11月に開設イベントを開催するなど、温泉とサウナを組み合わせた集客に取り組んだ。
年商約4,000万円、収益悪化で資金繰りがひっ迫
一方、宿泊事業は新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷などの影響を受けた。サウナを活用した情報発信で知名度向上を図ったものの、売上高への寄与は限定的だったとされる。
近年の年間売上高は約4,000万円にとどまり、収益状況が悪化。債務負担が重く、老朽化した施設の修繕や新たな設備投資も難しくなっていた。
こうした状況から、旧運営会社は旅館事業の継続を断念。2026年5月に営業を停止し、事業を別会社へ引き継ぐこととなった。
その後、同年10月8日に長野地裁から破産手続開始決定を受けた。破産管財人には宮下和貴弁護士が選任され、財産状況報告集会などは2027年1月21日午前11時30分に予定されている。事件番号は令和8年(フ)第224号。
松川館はOne Ismが承継、改修・再開準備へ
温泉旅館「松川館」の事業については、2026年8月20日、(株)One Ismが承継を公表した。
同社は、従来の運営体制を刷新し、老朽化した施設の修繕や設備点検を進めながら営業再開を目指す方針を明らかにしている。
現行の公式サイトでは「The TOJIBA 松川館」として施設を案内しているが、リニューアルのため臨時休業中としており、再開時期は確定していない。
今回破産手続開始決定を受けたのは旧運営会社の梅の屋リゾート(株)であり、松川館の事業を引き継いだOne Ismとは別法人となる。
会社概要
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法人名 |
梅の屋リゾート株式会社 |
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所在地 |
長野県上高井郡高山村 |
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法人番号 |
1100001036214 |
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法人化 |
2023年3月 |
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事業内容 |
温泉旅館「松川館」の旧運営、サウナ関連事業 |
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近年の年商 |
約4,000万円 |
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負債総額 |
約1億5,000万円(見込み) |
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旧会社の営業停止 |
2026年5月 |
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旅館事業の承継先 |
株式会社One Ism |
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法的手続 |
2026年10月8日、長野地裁で破産手続開始決定 |