アイコン 生き残った長谷工(5)

 これまで同社を分析してきたが、特に借入金が急激に増加している点が気になる。その原因は棚卸資産の増加であるが、棚卸資産は08年12月と08年3月を比較した場合、添付資料のように431億円増加していない。
一方、借入金は773億円増加していることから、残る約342億円はどこへ使用されたのであろうか。総資産は08/3月4,862億円から08/12月5,058億円と196億円増加している。
 

現預金と売掛金は、20/3期1,574億円から20/12期1,226億円と348億円と逆に減少している。その他の投資等で内容不明な「その他」科目 が131億円増加していることぐらいである。借入金の行方がまだ不明のままである。貸倒引当金は20/3月▲26億円から20/12月▲97億円と71億 円計上が増加しているが、キャッシュフローベースでは関係ない。
焦げ付きが発生しているが上述の貸倒引当金繰入額を90億円計上するとしている。留置権を行使できるものは未成工事支出金のまま計上できることから、まだ借入金の行方はすっきりしないままである。
今期の決算予想は、売上高5,080億円、営業利益170億円、経常利益135億円、最終利益▲60億円となっている。
 
[ 2009年4月18日 ]
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