アイコン いよいよ前原市長選、20日告示

 今回の前原市長選は、来年1月1日前原市が二丈町・志摩町と合併、合併後の糸島市長選もあり、2ヶ月半という短命の市長選挙である。税金である選挙経費がムダである、法律もこうした特殊事情下では融通を持たせることが必要であろう。

 今回の選挙は、松本氏・佐藤氏・加納氏の3氏が立候補を予定している。しかし松本氏と佐藤氏は前衆議院選挙の政党選挙を田舎の前原市に持ち込み、既にこのお二人は前哨戦を戦っている。政党のおすそ分けで勝とうとするおぞましいレベルの低い選挙戦を繰り広げている。
 今回の選挙は、一市二町が合併して行われる選挙の前哨戦になっており、選挙で問われるのは、一市二町の30年後50年後のグランドデザインをどう描き、市民生活をどう向上させていくかである。ベッドタウンの前原市と福岡市から離れ過疎化が進む二丈町と志摩町を一体化させ、農業・漁業を核とする産業を振興するとともに新興住宅街の市民生活・文化向上、九大との融合、観光事業の再興など多くの課題をクリアーしていかなければならない。決して一過性の九大移転に伴う景気に一喜一憂して決定されるものであってはならない。
糸島市民にとってそれほど重要な今回の選挙である。

 

候補予定者
加納氏、地元の行政書士。加納氏が選挙に出るきっかけになったと思われるのは、福岡沖玄界地震義援金問題や前原リサーチパーク内の産廃問題を追及してきたことで行政の問題点を市民の目で深く学んだ点であろう。
福岡県が購入したリサーチパーク用地の産廃問題は、加納氏の追及により、県議会でも取り上げられ、今年4月には福岡県が重い腰を上げ、購入した相手会社に損害賠償請求訴訟を起した。マニュフェストには、「①九州大伊都キャンパスと西九州道を結ぶ“中央ルート”建設、②小学校給食の民営化、③九州電力の高圧送電線設置計画・・・・などの白紙撤回」を掲げている。当然行政手腕は未知数である。

佐藤氏、前原市長選をにらみ、衆院選で民主党から当選した藤田候補と共に行動して知名度アップ、前原市に選挙まで民主の風を吹かせ続けることが出来るかが鍵となる。
佐藤氏は、㈱環境デザイン機構という会社の社長。「大きな可能性がある前原市で、当事者としてビジョンを描き、循環社会モデル、子育て支援、教育政策でモデルとなる地方都市をつくりたい」と述べている。行政手腕はネット上でアイランドシティについて「私の考えでは、本来、あの土地はあそこにあってはならない土地です。ですから、住民を住まわせない前提で、例えばごみ処理場など福岡市内の迷惑施設をすべて集約する、というのも1つの利用法だったかと思います」デザイナーであり、現実離れし何かトンチンカンな点が気になる。また「究極の廃棄物処理場である葬儀場と斎場」と申されている点は驚く。行政手腕は未知数、地域社会・地域経済・地域住民の30年先のグランドデザインを描ききるかどうかだろう。

松本氏、現市長、元福岡県企画振興部長、初当選は前市長に対する「市長の資質を問う」とするリコールの住民投票の結果を受けて河野市長が「選挙で審判を」と辞職したため実施された選挙に勝利した。しかし当時の選挙と今回の選挙では全く様相が異なる。
今回選挙でも、自公政権に批判及び飽きた選挙民を意識もせず、自民・公明の推薦を受けており、民主の風が前原市長選でも吹いていれば、大きな逆風となり厳しい戦いとなろう。ただ衆院選での太田氏の敗北は、民主の風も吹いたが、前々回の衆院選落選同様、言葉多過ぎの自滅型選挙の感もあった。
松本市長は、インフラ整備は進めてきたが1期目の行政手腕が問われる選挙となる。前原市のホームページには市長用のページが設けられているが、衆院選前の記事から更新されておらず、これで若い人を惹きつけられるかはなはだ疑問である。

以上、選ぶのは選挙民である前原市民である。
 

[ 2009年9月14日 ]
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