誰も触れない統合案の背景（黒崎伸子）

白い虚塔－医学部長の力
昨年に急に浮上した病院統合案、これを聞いて「またも権力の乱用？」と驚いた。
長崎市立市民病院の立替計画に対し、市長に日赤長崎原爆病院との統合を提案したのは河野茂・長崎大医学部長でもあり、かつて医局員数が日本一と言われた第2内科の教授である。医学部１５０周年事業を議論した医学部同窓会理事会では、いつも対抗していた。
当初、前学部長の記念会館案は3億近くが必要で、私は「ハードよりもソフト！人材育成へ焦点を！」と主張した。
しかし、反対は私の他１、２名。話はどんどん進み、記念会館建設費総額は４億を超えたが、新学部長は「集まらなかったら、私の首をかけます。」と豪語した。＜首をかけても、どうしようもないのに・・・＞と苦笑した。充分な資金が集まり、この１５０周年記念“良順会館”がオープンした頃に、医学部長の立派な私邸も出来上がった。国立大学医学部教授など、地位と名誉だけでお金に縁がないはずだが、この私邸に皆は首をかしげ、この建設会社が会館を建設したのと同じだとわかり、余計な憶測が飛び交っているのである。