アイコン 「敵は建築家にあり」⑰/福岡の設計デザイン会社の住宅瑕疵問題

北九州市の施主が、建築ジャーナル社の本に掲載されていた福岡市の有名な設計デザイン事務所の建築家に、デザインから施工会社手配まで住宅建築のすべてを依頼。

しかし、住宅が完成して住んだものの、補修工事が2年以上発生し続け、しまいには床下浸水、建築基準法違反内容なども発覚。そのため施主が訴訟を起こしたものである。施主の奥さんが建築について全くの素人ながら「敵は建築家にあり」というブログで、ブログ閲覧者からアドバイスを得ながら裁判を闘っているブログを追った。

建築家

⑮に続き、渡り廊下について
渡り廊下について↓ の反論、書き直しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/ramonet0916/30875336.html

原告は、渡り廊下を造る鉄骨の梁が、材料として「二次部材」を使用して造られていたとしても、屋根・天井・壁・床があり、人間が生活をする場である廊下は、当然、「建築物」であり耐震性能が必要であると主張する。
設計を行う際には、建築士は、どの部分が本体で、どの部分が附属物かを最初に考る。本体は当然、自立しなければならないが、附属物は自立しなくても良い場合もある。
例えば、バルコニー等や庇がそれに当たる。ただ、その場合、当然であるが、バルコニー等の構造は本体に悪影響を与えない様に安全に造らなければならない。被告設計デザイン事務所が主張するように、この屋根と天井・壁・床を持つ渡り廊下、冷暖房も効く外部空間ではない室内が、主張どおり「それ自体、耐震性能を持つ必要はない」計画で、地震時崩れ落ちる設計であれば、室内の一部を耐震性がない構造にするなど、許されない行為である。また施主である原告は、当然では有るが、このような危険性を説明されていない。
また、被告設計デザイン事務所は、構造上、施行令81条4項の適用があると主張するが、
1、構造計算は構造躯体の計算であって、意匠や仕上げの構造計算をしているわけでない。
2、契約図面「矩計図(2)」図面番号A-15においては、木側はピン、RC側はエキスパンションのその他の応力を伝えない方法での接合の図面になっていて、構造計算上は、二次部材でできたこの渡り廊下のことは考慮せずに、理論的にはRCと木造のそれぞれ切り離された2つの建物とみることができるが、実際のEXP・J施工は、構造的に図面と大きく食い違いが生じ、意匠的には渡り廊下は危険なガラスの箱となっている。この危険な渡り廊下を、RC側からの「持ち出し」でしっかり固定していない、さらに、木造側に荷重を預ける設計でもないので、現状はガラスの箱が、空中にユラユラの状態で置かれている状況である。そして地震時、この鉄骨渡り廊下は、木造を破壊する凶器となる。
「確認申請において設計者として記名捺印した者」は住宅の設計において、設計責任者であり、意匠・構造・設備の設計を調整し、万が一にも食い違いが発生して建築物の安全性を損ねる事がないように、建築基準法に則って設計の統括をする義務がある。
構造において原告の住宅は、構造的に「一の建物で3つの構造体がある」と見るが、その3つをどのようにモデル化して構造計算するかは、構造設計者の考え方である、鉄骨渡り廊下の荷重が、RCか、木造かのどちらかに計算上負担されていれば良いが、渡り廊下の存在を消す事はできない、構造計算の必要な建物では、できる方法でする必要がある。
設計をした建築士が、渡り廊下部分を「独立した建築物」とは捉えないのであれば、当然渡り廊下が接続されている「RC棟+渡り廊下」、「木造棟+渡り廊下」、「RC棟+渡り廊下+木造」の構造モデルのいずれかで、構造計算による安全性の検証が必要である。
全体を取り纏める設計責任者にとって、渡り廊下の自重と、渡り廊下の床に乗る積載荷重を元に検討した渡り廊下自身の構造的な安全性の検証をして、地震時に人がいる可能性がある渡り廊下の安全を考える事は、「渡り廊下」設計の最優先事項で有ったはずである。

<ブログ閲覧者のコメント>
①「意匠建築士」は「確認申請において設計者として記名捺印した者」もしくは「本建物の設計者(誰が設計者か不明の場合は相手に聞いて下さい)」と変えたらどうでしょう。そこだけ引っ掛かりました。意匠建築士と書くと構造を全く知らなくても良いのだと誤解されそうです。設計者(建築士)は最低限の構造の知識を有している事を国家試験により確認されている人間です。意匠専門だからといっても構造の基本設計に手を出して、それを間違えた場合には責任を負います。

②ドラです。相手方の主張する「にじぶざい」とは「虹部材」かもですねえ。虹のように、太陽の光を浴びて浮かんで消える・・・、でも、実際の建築はそんなもんじゃなくて、何トンもある部材構成の組み合わせです。虹部材が地震の揺れで木造の2×4を木っ端微塵に打ち壊すイメージができないならば、Sさんは「オーバーザレインボー」で消えてチョ!

http://blogs.yahoo.co.jp/ramonet0916/29541555.html
↑何度もアップされていたこの写真と、最近の記事(とarcさんの解説)で、今回、何が起きたのか、ようやく理解出来ました。おそらく、こういう事ですよね?
 貴邸は、2x4棟から片持ち梁によって渡り廊下を作ってある。渡り廊下の先端部は垂れ下がらない様に、RC棟の出っ張りに載せてある。渡り廊下部分は鉄骨造で作ってある。それを支える柱は鉄骨柱であり、2x4の壁内に埋め込まれて、2x4と一体化している。
今まで、写真と図面を別個に見ていて理解していませんでした。
私のこの解釈で正しいのならば、この内容がハッキリ分かる様に、一度記事を書くと良いと思います。今よりももっと具体的で有利なアドバイスがたくさん貰えると思います。

 

[ 2010年1月22日 ]
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