アイコン 民主党公認のホメオパシー/日本学術会議が医療行為について慎むべきと断じる

日本学術会議(法律に基づく機関)は24日、最近広まっている「ホメオパシー」療法について、「科学的に明確に否定されている。治療に使用することは厳に慎むべき行為」との金沢一郎会長(皇室医務主管、東大名誉教授)名の談話を発表した。
談話は、ホメオパシーについて「科学的根拠がなく、荒唐無稽(むけい)。今のうちに排除しなければ、『自然に近い安全で有効な治療』という誤解が広がり、深刻な事態に陥ることが懸念される」と日本学術会議会長は断じている。

金沢談話は、ホメオパシーが、医療関係者にも浸透してきており、また医療関係の資格を持たない人が、療法行為に及んで問題も生じており、統合医療の中にホメオパシーを研究対象とした民主党政権及び長妻大臣に対して、日本学術会議として警鐘を鳴らしたものと受け止められる。
 
ホメオパシー療法では、山口県で頭蓋内出血防止に有効なビタミンK2シロップの代わりとしてホメオパシーのレメディー治療を受けた乳児が死亡、親と助産師の間で訴訟に発展している。
 
日本ホメオパシー医学協会のHP
『ホメオパシーとは、健康な人間に投与するとある症状を引き起こす物質を患者にごく少量投与することにより、似た症状の病気を治すという療法(同種療法)。ホメオパシーでは、「超微量の法則」に基づき、植物や鉱物などを高度に希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませる。この砂糖の玉を「レメディー」と呼び、相談者はこの小さな砂糖の玉を舌下に入れ、溶けるのを待つ、レメディーは原物質のない程薄められており、赤ちゃんや妊婦さんでも安心して使うことができる。ホメオパシーでは、レメディーがバイタルフォース(自然治癒力)に作用していると考えられ、レメディーがその人の抱える不自然なパターンと適合している場合は共鳴し、自然治癒力が揺り動かされ、体が良い方向へと向かうが、適合していない場合には、共鳴し、自然治癒力が揺り動かされる作用はない』
と日本ホメオパシー医学協会のHPに記載されている。
 
ホメオパシーのレメディーについて、日本ホメオパシー医学協会も何が作用しているのか、科学的には証明されていないことを上記文章で明らかにしている。植物や鉱物が何なのか、治療行為者(=ホメオパス)がその成分の効能や詳細情報を知っているのかどうかも不明である(希釈しているため水扱いとか、偽薬ともされている)。療法行為の使用目的により、鉱物・植物などのほか細菌であったりもして何でもありとされている。
 
一方、渥美東大名誉教授(理事長)が設立した「日本統合医療学会」は、全国の多くの医師が加盟しているが、九州大学の病院長である久保病院長も理事を務めている。この団体もホメオパシーを推奨している。
 
問題は現代医学と自然治癒力も含めた200年前の医学との相違である。科学的に立証されなければ、その効果を否定するという現代医学も少しは問題はある。
しかし、ホメオパシー療法の最大の問題点は、現代医学での判断では症状が急悪化しているにもかかわらず、ホメオパシーのレメディーによる治療においては「好転反応」として判断することにある。毒だしレメディーなどによる好転反応により、現代医学による治療機会を失してしまい、死亡に至るケースが報告されている。
 
ホメオパシーの治療行為を行う人をホメオパスという、勉強した医師もいるが、日本ホメオパシー医学協会では、一般人が殆どであり、同協会が運営する学校で受講、同協会から認定された人たちである。その療法行為は殆ど医療行為であり、ホメオパスが必ず用いるレメディーにより問題も生じている。
 
上述の山口の事件では、赤ちゃんも親も助産師も悲劇である。
 
ホメオパシー治療では、鉱物や植物などを希釈(10の60乗)した水溶液を砂糖の塊にしみ込ませた物を、口の中で解けさす治療方法(同薬療法)であるが、人間の細胞は60兆ともいわれている。いくら希釈しても繊細な人の細胞に影響を与えることは物によってはある。それが健康を逆に害することもあろう。治療対象の症状に応じて、鉱物や植物は、いろいろ取り揃えられているから惑わされる。欧州などに今でも多くのホメオパシーの団体があり、レメディーも山ほどの種類が販売されている。
 
世界では、マラリア予防のホメオパシーで、レメディーの材料にマラリア菌を使い希釈して使用したところ、対象者がマラリアに被患してしまった報告もなされている。
 
レメディーは、偽薬とされ、健康食品扱いとなっているが、その成分次第では医薬品にもなる。その原料は日々開発?されており、また希釈倍率が非常に高いため、水ともいえるが、決してそうではない。マラリアの例でもわかるとおり、非常に危険な物もある。主たるレメディーは、発祥地のドイツ・イギリスやインド(イギリス領のとき普及)から輸入されている。
 ドイツでは、ホメオパシー療法は以前からあった医療行為として健康保険が適用されていたが、近年除外された。またイギリスでは、まだ健康保険の適用を受けているが、反対意見も多きなってきている。
 そうしたなか、長妻大臣は、統合医療導入の検討として、保険を適用させる伝統医療・気功など16種の研究対象にホメオパシーも組み入れている。時代錯誤か。
 
 
<長妻昭厚生労働大臣>
2010年(平成22年)1月28日の予算委員会で民主党の長妻昭厚生労働大臣が「統合医療の省内でプロジェクトチームをつくりまして、これを一本にまとめていくということで検討していくということであります。統合医療は、もう言うまでもなく、西洋医学だけではなくて、伝統医学、漢方、鍼灸、温泉療法、音楽療法、芸術療法、心身療法、自然療法、ハーブ療法、ホメオパシーなどいろいろな広がりがあるものでございまして、厚生労働省といたしましても、この22年度の予算でかなりこれまで以上に、研究分野の統合医療の研究について10億円以上の予算を計上しまして、その効果も含めた研究というのに取り組んでいきたい」と答弁している。
当然同協会は、国に認められたとして大宣伝している。
厚労省、代替医療の候補に選定
ホメオパシーが、政府が公的資格化や保険適用を検討する対象となる16の代替療法の1つに入ったことが2010年3月20日に報道された。
 
余談1
長妻大臣に直接、日本ホメオパシー医学協会関係から献金を受けているかどうか訊ねてみたら如何だろうか。もし献金を受けていたら利益誘導とも取られる。
 
余談2
ハンドパワーで病気を治す宗教法人がある。医師に見放された人の病がハンドパワーでよくなるケースは確かにある。それは生きる生命力を刺激したことによるものだろうが、サイエンスでは語れないところもある。創価学会にしても普及期は、勤行で病気が治った報告が学会新聞にいつでも何例も掲載されていた。しかし、信じても勤行しても直らない人は山ほどいるのも事実である。某デベロッパーの会長も一度はハンドパワーで不治の病を克服したとされたが、2度目は克服できなかった。また別のハンドパワー宗教の職員は自らの子供の病気を、教団の教えからハンドパワーで自ら直そうと長期間ハンドパワーを試みていたが、子供が死亡に至り、両親は幼児虐待で逮捕される事件があった。
 
余談3、メドックスグループ野口会長談
今年初め、鳩山前総理、仙谷氏へ国家ビジョン研究会の提言「我国の医療 介護 福祉統合医療改革」を行った。また、健康を手にいれるための大きな柱として、医療・介護・ライフスタイル・心(メンタル)を視野にとらえ、生活者中心のトータルへルスケアをめざすNPO法人IHMAの代表をつとめ、その研究会での代替医療の部で、ホメオパシーのセミナーを実施し、医療関係者に広く由井会長のホメオパシーを紹介した。
 
日本ホメオパシー医学協会とは(JPHMA)由井寅子会長を頂点とする最大の組織。
日本では、1996年に英国で日本人初の認定ホメオパスとなった由井会長(寅子)が、ホメオパシーを日本に導入したとされる。1998年4月に日本ホメオパシー医学協会(JPHMAを発足させ、2005年にはホメオパシー職業保険が適用されるようになったことで、ホメオパスが職業として活動できるようになった。現在、JPHMA認定を受けたホメオパスは全国に約500人。会員は2万人ともいわれている。
由井寅子会長は、政府統合医療プロジェクトで対象の代替医療に取り上げられている「ホメオパシー」について、厚生労働省の担当者の方々に対し、2時間にわたり説明を行ったとHPに記載している。・・・普及宣伝(受講者獲得及び患者獲得)に利用している。
 
 
3つの勢力
日本国民の健康のためにホメオパシーを日本に根付かせ普及させるのは、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師でなければホメオパシーを行ってはならないという「日本ホメオパシー医学会」(JPSH:2000年設立)と、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師のみならずそれ以外の者も一定のカリュキュラムを学んだ者はホメオパシーの専門家として医療行為に従事することができるとする「日本ホメオパシー医学協会」(JPHMA1998年設立)と日本ホメオパシー振興会がある。
 
医学会と医学協会及び振興会の違い
1、 日本ホメオパシー医学会は、ホメオパシーは医療行為としており、当医療行為ではホメオパシーを学んだ医師などに限定している。
   日本ホメオパシー医学会 綱領
① ホメオパシーは医療行為である。
② ホメオパシーを行うにあたって、常に患者の利益を最優先する。
③ ホメオパシーを行うものは近代西洋医学を修めたものとして、自らの専門性の範囲の中で治療を行う。
④ ホメオパシーを行うものは近代西洋医学、補完・代替医療を問わず最適な医療を提供する。
⑤ ホメオパシーを行うものは最良の医療を提供するために、他の医療従事者と積極的に協力する。
 
2、一方、日本ホメオパシー医学協会は、協会が設けた学校で学び資格を与え、資格を取得した者は誰でも医療行為が行えるとしている。国内のホメオパシー最大の組織である。
所詮、ホメオパシー医療は金儲けか。
日本ホメオパシー医学協会は、全国各地に設置した学校運営で金儲け、資格で金儲け、レメディー(薬?)を販売して金儲けということになる。
当協会のホメオパスは組織化され、拡大(健康相談所:全国250ヶ所/201031日現在)し続けているが、療法行為を行っており、組織が拡大するとともに問題も多くなってきているようだ。長妻さんの厚労省により保険が適用されれば、万々歳というシナリオだろう。
日本ホメオパシー医学協会グループの「ホメオパシージャパン㈱」:(元社名:やわらぎ㈱、旧本社:福岡市中央区荒戸、現:東京都世田谷区池尻)では、石鹸やら健康食品やら化粧品やらいっぱい販売している。
 
3、日本ホメオパシー振興会
同振興会では、日本ホメオパシー医学協会は、日本ホメオパシー普及の1団体に過ぎ
ないとしている。しかも、山口県の赤ちゃん死亡事件は言語道断の行為であると日本ホメオパシー医学協会を間接的に非難しているが・・・
同振興会もホメオパス養成専門学校であるハーネマンアカデミーを運営、受講者は認証され、療法行為に当っている。
同振興会では「レメディー42種キット」を15,000円で販売。
 
 
「統合医療を実現する超党派議員連盟の会」
2008 年3 月4 日、東京都千代田区の砂防会館で開催された。綿貫民輔会長(国民新党代表、元衆議院議長)、鳩山由起夫副会長(民主党幹事長)をはじめ、鴨下一郎環境大臣(自民党、医学博士、診療内科医)、白浜一良参議院議員(公明党)、長勢甚遠衆議院議員(自民党、元法相)など、30 名の国会議員が参加、文部科学省、厚生労働省などの関連官庁からも20 名の担当者が出席した。日本統合医療学会からは渥美和彦、阿岸鉄三、川嶋みどり、蒲原聖可、渥美英子、さらに「統合医療を推進する国民の会」の中條高徳会長(アサヒビール会長)、菊竹清訓副会長(建築家)、「統合医療を推進する市民会議」の梶原拓代表(前岐阜県知事)らが出席。
 
「統合医療を普及・促進する勉強会」
民主党議員が「統合医療を普及・促進する勉強会」を開催(民主党の国会議員85人で結成された勉強会)
民主党の先生方は、カジノやパチンコなどの法制化に熱心な方々が多い。金集めの手段
なのかなぁ。金になるニッチ産業を狙っているようだ。
 
渥美和彦東大名誉教授が自ら組織した「日本統合医療学会」と法律に基づく「日本学術会議」の金沢一郎東大名誉教授(会長、大御所)との反目はないのかなぁ。
[ 2010年8月25日 ]
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