アイコン 時代錯誤の長妻大臣と民主党政権か ホメオパシー問題

長妻厚労相は、日本学術会議がホメオパシーに対し、会長談話を通じて問題提起したことに関連して、ホメオパシーや統合医療の効果については厚労省内で研究するとした上で、「仮に患者の意思に反して病院に行かないようなことがあるとすれば問題。省内でも議論し、実態把握が必要であれば、それに努めていく」と述べた。

統合医療そのものは必要だが、ホメオパシーは「レメディー」を口に含ませることにより病状を回復させるという、科学的には立証されていない魔法の領域の治療方法である。 
発祥の地ドイツやイギリスでは、昔から健康保険の適用を受けていたが、ドイツでは現代医学により否定され、今では健康保険適用から除外されている。イギリスにおいても、国会で健康保険適用について論議されたりしている。

<長妻大臣によりコケにされた科学技術の最高峰「日本学術会議」の青木会長>
民主党政権でも内閣府の特別機関として存在する「日本学術会議」の会長が25日談話という形で警鐘を鳴らしたホメオパシーによる医療行為について、それを無視したかのような長妻大臣は26日、今後とも統合医療の研究対象(伝統医学、漢方、鍼灸、温泉療法、音楽療法、芸術療法、心身療法、自然療法、ハーブ療法、ホメオパシーなど計16)に、ホメオパシーも含めて研究していくと述べたのであった。

コケにされた「日本学術会議」
「日本学術会議」は、内閣府の特別機関であり、政府に対して政策提言や政策意見具申などの権限を有しており、実質政策提言とも取れる今回の会長談話に対して、それなりの回答もせず、長妻大臣はイトも簡単に切り捨てたものである。イヨイヨ臭い。

日本ホメオパシー医学協会の油井会長は、ホメオパシーが代替医療の研究対象になったことから、厚労省に出入りして、担当者にいろいろ説明したりしている。油井会長はそれ以前より、ロビー活動の本場イギリスにおいて、ロビー活動について教えられ、日本で実践していたのであろう。一般には殆ど知られていないホメオパシーが何で急に長妻大臣によって厚労省による代替医療の1つとして研究対象にあがったのか不自然なところが多い。これは油井会長による本場ロンドン仕込みのロビー活動の成果と見るが・・・。
代替医療の16候補全部が国により認められ、健康保険が利用できるようになったら、どの候補が一番儲かるのだろうか。
どう見ても一番儲かるのは1997年から油井会長(=日本初のホメオパス)により、日本に持ち込まれた「ホメオパシー」ということになる。当然「レメディー」は本場イギリス(ドイツ・インド)からの輸入となり、イギリスのレメディー会社=ホメオパシー協会などが儲かるということになる。 
イギリスのホメオパシー協会が、日本におけるロビー活動費としていくらでも日本に資金を送り込んでいるとも考えられる。

ホメオパシー

「ホメオパシー」についての会長談話 (原文)
ホメオパシーはドイツ人医師ハーネマン(1755 - 1843年)が始めたもので、レメディー(治療薬)と呼ばれる「ある種の水」を含ませた砂糖玉があらゆる病気を治療できると称するものです。近代的な医薬品や安全な外科手術が開発される以前の、民間医療や伝統医療しかなかった時代に欧米各国において「副作用がない治療法」として広がったのですが、米国では1910年のフレクスナー報告に基づいて黎明期にあった西欧医学を基本に据え、科学的な事実を重視する医療改革を行う中で医学教育からホメオパシーを排除し、現在の質の高い医療が実現しました。
こうした過去の歴史を知ってか知らずか、最近の日本ではこれまでほとんど表に出ることがなかったホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、ホメオパシー施療者養成学校までができています。このことに対しては強い戸惑いを感じざるを得ません。
その理由は「科学の無視」です。レメディーとは、植物、動物組織、鉱物などを水で100倍希釈して振盪しんとうする作業を10数回から30回程度繰り返して作った水を、砂糖玉に浸み込ませたものです。希釈操作を30回繰り返した場合、もともと存在した物質の濃度は10の60乗倍希釈されることになります。こんな極端な希釈を行えば、水の中に元の物質が含まれないことは誰もが理解できることです。「ただの水」ですから「副作用がない」ことはもちろんですが、治療効果もあるはずがありません。
物質が存在しないのに治療効果があると称することの矛盾に対しては、「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているため」と説明しています。当然ながらこの主張には科学的な根拠がなく、荒唐無稽としか言いようがありません。
過去には「ホメオパシーに治療効果がある」と主張する論文が出されたことがあります。しかし、その後の検証によりこれらの論文は誤りで、その効果はプラセボ(偽薬)と同じ、すなわち心理的な効果であり、治療としての有効性がないことが科学的に証明されています。英国下院科学技術委員会も同様に徹底した検証の結果ホメオパシーの治療効果を否定しています。
「幼児や動物にも効くのだからプラセボではない」という主張もありますが、効果を判定するのは人間であり、「効くはずだ」という先入観が判断を誤らせてプラセボ効果を生み出します。
「プラセボであっても効くのだから治療になる」とも主張されていますが、ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、時には命にかかわる事態も起こりかねません(ビタミンKの代わりにレメディーを与えられた生後2ヶ月の女児が昨年10月に死亡し、これを投与した助産婦を母親が提訴したことが本年7月に報道されました)。こうした理由で、例えプラセボとしても、医療関係者がホメオパシーを治療に使用することは認められません。

ホメオパシーは現在もヨーロッパを始め多くの国に広がっています。これらの国ではホメオパシーが非科学的であることを知りつつ、多くの人が信じているために、直ちにこれを医療現場から排除し、あるいは医療保険の適用を解除することが困難な状況にあります。 
またホメオパシーを一旦排除した米国でも、自然回帰志向の中で再びこれを信じる人が増えているようです。
日本ではホメオパシーを信じる人はそれほど多くないのですが、今のうちに医療・歯科医療・獣医療現場からこれを排除する努力が行われなければ「自然に近い安全で有効な治療」という誤解が広がり、欧米と同様の深刻な事態に陥ることが懸念されます。そしてすべての関係者はホメオパシーのような非科学を排除して正しい科学を広める役割を果たさなくてはなりません。
最後にもう一度申しますが、ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います。
平成22年8月24日
日本学術会議会長
金 澤 一 郎

・ WHOは世界の一部の国でホメオパシーが広く使用されている現実に配慮して、その治療効果には言及せずに、安全性の問題だけについての注意喚起を行っています。
・ホメオパシーについて十分に理解した上で、自身のために使用することは個人の自由です。

上記の金澤談話に対して、日本ホメオパシー医学協会グループのホメオパシージャパン㈱は、同社のホームページで25日金澤談話に対する日本ホメオパシー医学協会のコメントを掲載するとしていたが、25日になり後日に変更されている。
 

[ 2010年8月26日 ]
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