アイコン アメリカの住宅市況/あいも変わらずアメリカが風邪引けば日本は寝込む

アメリカの日本タタキは今に始まったものではない。バブル当時、日本企業はアメリカの不動産や企業を買占めに走ったことから、日本車が燃やされ貿易摩擦問題が急浮上。

そこでバブル後期、日米通商代表団が日本にやってきて、輸出の自主規制を求めた。その結果自動車メーカーはアメリカで現地生産する方法を採り問題を解消したが、アメリカが誇るGMが破綻した今、その根本問題が再燃している。トヨタが名古屋商法の拝金主義者にならず、大野耐一氏のウサギと亀論の教えを守るだけでも違っていたと思われるが、大きなスキをアメリカに与えてしまった今、選挙を控え日本タタキが再燃している。アメリカは選挙のためならば戦争も辞さないお国柄であり、そうした事情を日本の政府も輸出各社も肝に銘ずべきである。
マイクロソフト社が、現在の地位を築き上げたのは、当時の日本タタキの際、米政府がスーパー301号を発し、坂村教授が開発したOS・トロンを日本政府に抹殺させたからである(現実的には、自動車輸出問題で輸出自主規制との見返りにされたとされる)。

さて、アメリカの住宅市況であるが、200万戸以上の新築着工があった米版バブル時代から、一機に50万戸台まで落ち込んでいるのが現在の状況であり、その衝撃たるものや日本の比ではない。また市場にはサブプライムローンで建築された住宅が現在中古物件として市場に溢れ、殆ど新古住宅のため、経済波及効果のある新築住宅着工へ結びついていない。

アメリカの新築着工件数
2010年1月、年換算59万1千戸、

グラフ

市場に溢れた中古住宅の販売が進まなければ、新築住宅の着工件数は頭を抑えられ、伸びないことは誰が見てもわかる。また欧米人は日本人のように新築にこだわられないことから、中古住宅市場そのものも大きく存在している。当中古住宅市場も昨年11月649万戸の販売がなされ、回復して来たかに思われたが、1月は505万戸まで落ちており、アメリカ経済の状況を反映したものとなっている。
アメリカの経済問題は、ザプライムローン問題から、プライムローン問題へ、そして商業不動産問題へ移行してきている。日本と銀行制度が異なるものの銀行の破綻が、高水準のままであるのもそうした問題の表れである。
アメリカの車両販売台数は1月、69万8378台、前年同月比6.3%増と堅調に増加しているとされる。しかし、アメリカの自動車販売手法は、サブプライムローン同様あの手この手で販売されており、個人所得の推移や耐久消費財受注動向を見なければ、底堅いものかどうかの判別は付けづらい面もある。
総じてアメリカ経済の回復は、国内経済とともに欧州の経済危機も現実化してきており、先行きがまだ見えないものとなっている。

[ 2010年3月12日 ]
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