アイコン 一建設研究/パワービルダーの全貌④

一建設は、利益を出すためどうしているのか
建設業者の課題は常に工程管理の期間である。同社では土地仕入から販売引渡しまで120日を想定しており、年間3回転(10/1月期実績は2.5回転、148日)させる計画。そのため、設計も規格化され(注文住宅でさえ、豊富な規格化されたバリエーションから選ぶシステム)ており、施工体制も大工・材料屋の工程管理がしっかり、ロスタイムなく最速の時間で建築している。こうしたことは逆に解すれば、都会周辺だから可能となっているともいえる。 

建築資材は、年間契約における調達メリットも大きい、そうした徹底したコスト管理(原価管理)により10年1月期は前期に比し粗利率を5ポイントも改善させている。
土地取得から開発・引渡しまでをマニュアル化して計画的に事を運ぶ・運ばせることに、最大の利益を生じさせている。土地も寝かせておいては金がかかるものである。
同社の場合、原価管理だけにとどまらず、販管費も当然コスト削減対象であり、10年1月期は、販管費率を6.5%から6.1%と0.4ポイント前期より下げている。販管費率もムダ・ムリ・ムラを取り除き非常に低い比率になっているにもかかわらず下げている。

ケース①
土地+建物を平均2,561万円で販売、15.2015%の粗利 ⇒土地含む建物原価2,171万円
試算:土地原価25万円×40坪=1000万円、建物原価1,171万円・・・外溝まで入れて1,171
万円~で家が作れるか??? 外溝工事を差し引いた価格が本体価格。
ケース②
同社の規格型注文住宅の「リーブルセレクト」は価格980万円となっている。外溝込みの価格であり、延床面積27坪?となっている。粗利率が20%あるとして831万円。外溝工事は最低180万円として、651万円が工事費込みの本体価格となる。建築坪単価24万1千円。なお、上記980万円には消費税も込みとなっている。
こうした規格型注文住宅を同社では、今期550棟、売上高66億円を達成するとしている。
タマホームも500万円住宅を販売しており、デフレで競争も過激。

なお同社では、今期全ての戸建分譲住宅を住宅版エコポイント対象物件に!新規に建築確認申請を行うすべての物件について、住宅版エコポイント(フラット35S)対象物件となるよう仕様変更を行うとしている。
同社は広告を殆ど出さない。開発する物件を販売掛ける時にチラシを近隣に大量に配布するが、それ以外広告をしないため、年間11億1百万円(10/1期、売上高の0.54%程度)の使用である(タマホームとの違いがここにもある)。

つづく
 

[ 2010年4月16日 ]
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