「北九州銀行」いよいよ準備始動へ/山口フィナンシャルグループ
山口フィナンシャルグループ(=以下、山口銀行)は、3月26日地元金融界をあっと驚かせる「北九州銀行」設立を発表した。山口銀行の本店は北九州市の隣町の下関市、これまでも深い関係はあったものの、旧規制の関係から福岡銀行や西日本シティ銀行が出店のメインであり、県の異なる山口県は後手の展開であった。
山口銀行は06年10月地元選出の安倍首相(当時)から、窮地に陥っていた広島のもみじ銀行を抱えさせられた。しかしその不良債権処理を早期に終わらせ、これまで基盤を強化してきた。ところがこれ以上の発展は見込まれず、そこで浮かんだのが「北九州銀行」設立構想。
着目したのが、北九州市には100万都市なのに本社を置く銀行がない。図体の大きな信用金庫はあるが、あくまで信用金庫、作るなら今のうちだと今春発表したのであった。この構想を打ち出した行員は重役候補間違いなし。
北九州市には、福岡銀行が24店舗、西日本シティ銀行が32店舗有している。これに対し山口銀行は13店舗、山口銀行の本店は隣町の下関市といってもそれまで県が違えばいろいろな制約もあり、出せなかったのも事実。ところが金融機関の不良債権処理と同時に銀行法も改定され、デタラメ銀行の日本振興銀行やイーバンク銀行、ソニー銀行、セブン銀行など多くの新銀行が設立された。
山口銀行は、それならば北九州市に新銀行を作ろうと一念発起、福岡銀行・西日本シティ銀行を出し抜き「北九州銀行」設立を打ち上げた。タイミング的には、今回の機会が最良。西日本シティ銀行も公的資金を完済して攻めに転じようし、福岡銀行も金子長崎県知事関係の不良債権(現参議員、金子漁業グループを全面支援して解決)を片付け、親和銀行の不良債権処理も終え、収益を回復させたところであった。
北九州市区別営業店舗数 | |||
山口銀行 | 福岡銀行 | 西日本シティ | |
小倉北区 | 2 | 7 | 9 |
小倉南区 | 3 | 4 | 7 |
門司区 | 2 | 2 | 2 |
八幡西区 | 3 | 5 | 7 |
八幡東区 | 1 | 2 | 3 |
戸畑区 | 1 | 1 | 1 |
若松区 | 1 | 3 | 3 |
計 | 13 | 24 | 32 |
・営業店舗=支店+出張所
・西日本シティ銀行は、地元銀行どうしの合併銀行のため営業店舗数も多くなっている。
・山口銀行の役員は取材に対し、ゆくゆくは50店舗くらい配置する計画としている。
「北九州銀行」設立準備会社の概要
(1) 商 号 :北九州金融準備株式会社
(2) 本店所在地 :福岡県北九州市小倉北区堺町1-1-10
(現在の山口銀行北九州本部所在地)
(3) 代表者 :未定(※)
(4) 事業内 :銀行免許取得のための準備
(5) 資本金 :1億円
(6) 設立年月日 :平成22年10月1日(予定)
(7) 資本構成 :山口フィナンシャルグループ100%
2010年3月期の連結決算比較 | |||
連結/百万円 | 山口FG | ふくおかFG | 西日本シティ |
売上高 | 171,936 | 257,234 | 170,865 |
営業利益 | 57,631 | 65,916 | 55,495 |
経常利益 | 39,087 | 33,059 | 36,233 |
当期利益 | 26,752 | 28,387 | 21,800 |
総資産 | 8,647,534 | 11,836,273 | 7,287,892 |
自己資本 | 461,404 | 564,268 | 309,774 |
資本金 | 50,000 | 124,799 | 85,745 |
自己資本率 | 5.30% | 4.70% | 4.30% |
国内基準 | 11.13% | 10.32% | 10.42% |
第1基準 | 第2基準 | 国内基準 | |
備考 | 山口+もみじ | 福岡+熊本F+親和 | 西日本と福岡シティ合併 |
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/