アイコン コカ・コーラウエスト/青汁のキューサイ買収 その目的は

コカ・コーラウエストがキューサイを10月1日付で買収すると発表した。
上場企業であったキューサイは、2007年3月TOBにてエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(大和證券と三井住友銀行の合弁会社)の投資ファンド「グリーンパートナーズB」が完全子会社化した。しかし、09年10月三井住友銀行がシティから日興コーディアル証券を買収するにあたり、大和證券と三井住友銀行が仲違い。そうした過程で、キューサイはNIF-JIP投資事業組合などの投資ファンドに売却されていたようだ。

<コカ・コーラウエストの状況>
キューサイを買収してコカ・コーラWの動きが面白そうであるが、消費者は各種飲料水も健康に気使っており、キューサイとのコラボで新商品の開発ができ、バカ当たりすれば、何百億(最低で純資産額+のれん代)で買うのか今のところ表明していないが、安い買い物となる。
しかし、キューサイの業績は2期連続して赤字を出しており、青汁も固定した客層は持っていようが過去の遺物、大きな伸びは期待できない。また、最近はコラーゲンやヒアルロン酸・石鹸など何でもありの商品構成になっている。消費不況もあり通販業界全体の売上高が伸び悩んでいる(富士経済)、今期のキューサイも多くは望めないものと推察される。
そうしたことから、コカ・コーラウエスト社の買収目的は、ボトリング時代にジョージアを開発して、その後全国のコカ・コーラ販売会社が販売しているような、化け物商品の開発が求められるところにある。

各種飲料水業界では、伊藤園のように急成長してきた会社も稀にはあるが、強豪が揃い、各種飲料水でコンビニも自販機も溢れている。コカ・コーラ社は、トクホ市場でも乗り遅れ、コーラゼロでもペプシの後塵に甘んじ、市場でのウェイトも低くなってきていることから、早期にバカ当りの新商品開発が、コカ・コーラ社自身に求められている。無駄骨と見られるボトルの形状に力を入れるより、有望な新商品開発が望まれる。景気が少し回復すれば、製造工場の人たちが休み時間ごとに飲む人が多く、売上高は少し回復してこようが、せっかく回復途上にある経済を民主党政権がグチャグチャにしてしまっている。

<コカ・コーラウエストの業績推移>

連結/百万円
05/12
06/12
07/12
08/12
09/12
売上高
245,874
327,821
409,521
395,556
369,698
営業利益
11,830
12,321
16,056
10,521
2,242
経常利益
12,256
13,225
17,493
11,048
2,085
当期純利益
7,305
7,570
9,375
129
-7,594

 売上高が一見大幅に増加しているように見えるが、06年7月近畿コカ社を吸収、07/4月には、南九州コカ社を持分法適用会社として、売上高が伸びただけである。営業利益率が大幅に悪化しており、傘下のグループ企業の再編もコスト面から必要であろうが、漸落傾向の売上高を喰い止めることが先決である。

 <キューサイの概要>
名 称:キューサイ株式会社
所在地:福岡市中央区草香江一丁目7番16号
代表者:代表取締役社長 藤野 孝
事業内容:健康食品・健康関連商品の製造販売
資本金:349,975千円
設立年月日:平成18年9月8日
大株主及び持株比率:NIF-JIP投資事業組合:57.45%、ポラリス第一号投資事業有限責任組合:27.12%、ポラリス第一号共同投資事業有限責任組合No.1、日本産業第二号パラレル投資事業有限責任組合。
 

<キューサイの連結決算推移>
連結/百万円
08/10
09/10
売上高
30,846
28,704
営業利益
3,019
2,467
経常利益
1,577
1,723
当期純利益
-514
-258
純資産
20,088
19,877
総資産
56,629
53,040
純資産率
35.47%
37.48%
赤字だったんだぁ。

コカコーラウエスト

コカ・コーラウエストが、今後キューサイをどのように運営していくのか、キューサイが赤字だけに注目されるところである。
自販機やコンビニでペットボトル入りの青汁を販売したら結構売れるかも。

 

[ 2010年8月31日 ]
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