HOYA創業家株主/ペンタックス買収で元役員への提訴要求
HOYAが2007年にカメラメーカーのペンタックス(旧旭光学、08年にHOYAが合併吸収)を買収した結果、会社に損害が発生したなどとして、HOYAの株主が同社の監査委員会に対し、昨年退任した元最高技術責任者を相手取り損害賠償請求訴訟を提起するよう求めたことが21日明らかになった。
提訴を監査委員会に求めたのは、創業家株主の山中裕氏。「シェアが低く収益性の低いカメラメーカーを、多額の費用を払い取得するという、会社や株主の利益に反する意思決定をした」と批判している。
賠償請求額は2,103億円、会社側が60日以内に提訴しなければ、株主代表訴訟を起こすことも検討するという。
請求額は、TOB(株式公開買付)にかかわる費用の945億円、買収時の有利子負債額、買収後の営業赤字などの合算額としている。
当該の株主の言いたいことは分かるが、事業は常に先へ進める必要があり、一喜一憂すべきではない。長期戦略で企業が繁栄すればよい。元役員に対して2,103億円の損害賠償を求めるとは、さすが創業家であるが創業者ではない。ハゲタカの様な言いかがりのようにも受け止められる。
会社側は今回の問題提起を謙虚に受け止め、早期に実績を上げることも必要であろう。
HOYAは、半導体用ブランクス、光学レンズ強く、ペンタックス買収で内視鏡深耕へ展開している。
<HOYAの業績>
連結/百万円 | 2008年3月期 | 2009年3月期 | 2010年3月期 |
売上高 | 481,631 | 454,194 | 413,524 |
営業利益 | 95,073 | 59,094 | 64,327 |
経常利益 | 100,175 | 71,080 | 57,805 |
当期利益 | 81,725 | 25,109 | 37,875 |
総資産 | 689,443 | 591,096 | 549,736 |
自己資本 | 391,084 | 335,313 | 349,053 |
資本金 | 6,264 | 6,264 | 6,264 |
有利子負債 | 134,639 | 158,184 | 105,418 |
自己資本率 | 56.70% | 56.70% | 63.50% |
氏名又は名称 | 所有株式数 | 割合(%) |
JP モルガン チェース バンク | 343,885 | 7.9 |
日本トラスティ・サービス信託銀行 | 291,914 | 6.71 |
日本マスタートラスト信託銀行 | 178,879 | 4.11 |
ザ チェース マンハッタン 系 | 107,705 | 2.47 |
ステート ストリート バンク 系 | 98,647 | 2.26 |
ステート ストリート バンク 系 | 97,737 | 2.24 |
山中 衛 | 90,197 | 2.07 |
ドイチェバンク系 | 77,090 | 1.77 |
第一生命保険相互会社 | 69,186 | 1.59 |
ステート ストリート バンク 系 | 68,933 | 1.58 |
計 | 1,424,176 | 32.73 |
<HOYA単体の業績>
HOYA単体/百万円 | 平成20年3月 | 平成21年3月 | 平成22年3月 |
売上高 | 258,008 | 279,618 | 252,027 |
経常利益 | 35,439 | 8,971 | 137,258 |
当期純利益 | 31,546 | -16,953 | 135,498 |
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