アイコン 中国共産党大会 水面下の攻防

中国共産党第17期第5回中央委員会全体会議(5中総会)が開幕した。日本でも政党や議会は、隅々まで権力争いが耐えないが、中国では権力と巨大利権が絡むだけにその水面下の攻防は熾烈を極めている。
香港BBCやCNNなどの報道によると胡錦濤と温家宝の戦いが、軍事委員会副主席の座をめぐり攻防の山場を迎えている。

胡錦濤(中国共産党中央総書記、中華人民共和国主席、中央軍事委員会主席)にとっては、総書記退任後の影響力を維持するため、自らの派閥である中国共産主義青年団(共青団、その派閥は団派)や中南海(日本での永田町)における権力温存を画作している。そのためには共青団から多くの政治局員を就任させておく必要がある。前国家主席の江沢民が事実上失脚、胡錦濤は同じ轍を踏まない動きでしたたかである。
改革派の温家宝らとの攻防から、5中総会では、次期国家主席の筆頭候補である習近平(序列6位、57歳、副主席)が、中央軍事委員会副主席へ就任するかどうかが注目されている。

胡錦濤としては、次期党大会(第18期、2012年)で、総書記の座を習近平に譲り、江沢民がそうであったように、胡錦濤は最も影響力のある軍事委員会主席の座にそのまま留任することを目論んでいる。
胡錦濤が習近平総書記以降も影響力を持つためには、習近平の軍事委員会入りをできるだけ先送りにしたい。胡錦濤は、かねてより習近平の早すぎる軍事委員会入りに反対を表明しており、習近平が軍事権を握り、勢力を拡張してしまえば、胡錦濤の出身母体である団派メンバーの昇進が阻まれてしまうと警戒するとともに、自らの野望も失してしまう恐れが高い。
中国共産党のエリート集団である共青団は、トップの中央書記処第一書記であった胡錦濤後、後任には宋德福、李克強、周強、胡春華、陸昊(現在)が歴代就任している。当然団派のトップに胡錦濤が君臨している。

一方、軍事委員会副主席の座に習近平を就かせたいのは、改革派の国務院総理(首相)の温家宝(序列3位)、人民代表大会(日本国会に相当)委員長の呉邦国(序列2位)、政治協商代表大会委員主席の賈慶林(序列4位)など党内有力者3人とされ、それに習近平を支持する太子党(中国共産党の高級幹部たちの子弟)や「上海幇」(上海グループ、江沢民一派)も習近平軍事委員会副主席就任を支持する。(江沢民一派は、省都委員会などから徐々に追放され、団派が勢力を拡大している)。
温家宝らは、習近平を軍事委員会副主席に就任させ、次期大会では主席に就任させ、軍事委員会における胡錦濤ら団派の影響を排除する意向である。また、軍事委員会の主席から胡錦濤が失脚すれば、政治への影響力も最小限にとどめられると見ている。

こうしてみると、如何に軍事委員会が金の成る木かが伺えるが、経済発展とともに軍事力の強化(=投資)は共青団・軍事委員会により諮られているかが伺え、軍事委員会における共青団の影響力を押さえる振子役を習近平に、中国共産党最高幹部たちは求めているものと思われる(そうでなければ単なる利権争いであるかもしれない)。
日本の民主党政権も武器輸出を解禁しようとしており、日本の軍需産業と民主党政権が既に水面下では切っても切れない間柄になっているようである。 

中国共産党トップ 

  こうした面からも福岡市長選では、民主党推薦の吉田を当選させてはならない。

 

[ 2010年10月16日 ]
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