アイコン シノケングループ研究2011年⑤ 回復への原動力④

<対応してきた金融機関>
同社にとって、日本振興銀行の破綻により逆に安定した借入金となった63億円は、今後とも長期に安定した借入かといえばそうでもない。同行にスポンサーが決定して、経営が移行しない限り、同行からの新たな借入は厳しいものとも思われる。現在でも担保に拠出していた物件の売却などで同借入金は減少し続けている。

 

同社の新たな開発を福岡で支えている金融機関は、福岡銀行のほか九州リースサービスである。九州リースサービスは、④回目の資料に、銀行借入状況推移を記載しているが、08年3月期の借入残高の1回だけ登場している。同社と九州リースサービスは、06年4月不動産事業に関する「販売代理委託契約」の締結しており、以前から関係は濃い。

両社は最近では、共同開発方式を採用している。九州リースサービスも純然たる貸付より、SPCを同社と共同設立して、当該のSPC会社に融資、共同開発した方が、実質利回りも大きいものとなり、今ではそうした共同開発方式としたようだ。

そろそろ日本の金融機関も何か手を打ってこなければならないドン詰まり状況となっており、同社を取り巻く環境も、ドン底に落ちた不動産市況も改善の動きもはっきりしてきたことから、同社との融資取引を増加させてくる銀行も多くなるものと思われる。
同社もまた業績を回復させない限り、金融機関の信用は厳しいものと思われるが、2010年12月期の決算が黒字浮上し、また今期も四半期ごとに業績改善が進めば、銀行も目の色を変えてくるものと推量される。

シノケンの借入残高推移
借入先   /百万円
07/3
08/3
09/3
09/12
福岡銀行
1,966
1,806
1,752
1,203
みずほ銀行
2,589
1,840
1,596
 
九州リースサービス
 
2,288
 
 
関西アーバン銀行
 
1,840
1,400
1,300
三菱東京UFJ
 
 
849
 
オリックス信託銀行
 
 
2,065
613
日本振興銀行
 
 
 
4,564
新生プロパティファイナンス
 
 
 
680
 
 
 
 
 
合計借入残高
16,887
16,127
12,409
11,660

・日本振興銀行からの20108月末の借入残高は6375百万円となっていた。
[ 2011年1月21日 ]
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