アイコン TRNコーポレーション/第3四半期  頭痛いハークスレイ

今ではTRNコーポレーションの親会社となっているハークスレイは、TRN社を株式交換方式で完全子会社にすると発表している。平成23 年2月28 日を株式交換の効力発生日となっている。大丈夫だろうか?
 
TRNコーポレーションは、賃借した飲食店を第三者に業務委託する事業を核としている。しかしながら、長引く消費不況により、料飲食業界は厳しい状況にあり、同社も委託先の契約解除の多くなってきており厳しい状況にある。

TRNコーポレーションは、第3四半期までの業績を次のように分析している。
(1)店舗委託事業は、居抜き業態での出店が進み、安定した顧客基盤を有している。しかしながら、外食業界は、消費者の節約志向が依然強く、低価格化による顧客獲得指向が高まるなど、企業間競争が一層激しさを増しており、当社グループの業務委託先の収益にも大きな影響を与えることとなった。このことにより業務委託先との中途契約解除が増え、新たな業務委託先との契約を締結するまでの家賃負担等の費用が増加した。この結果、店舗委託事業の売上高は、186億17百万円(対前年同四半期比▲7.4%減)、営業損失は、▲4億52百万円(前年同四半期は60百万円の営業利益)となった。

(2)店舗直営事業は、寿司チェーン店(びっくり寿司等)の事業改革を推進した結果、収益面の改善を図ることができ、前年同四半期に比し損失幅を縮小することができた。この結果、店舗直営事業の売上高は、34億26百万円(対前年同四半期比▲14.7%減)、営業損失は、▲83百万円(前年同四半期は▲123百万円の営業損失)となった。

(3)店舗管理事業は、不動産市況に一部底打ちの兆しが見られたものの依然厳しい環境が続く中、当社グループの持つ情報網を駆使し高い入居率を維持することにより、収益を確保することができた。この結果、店舗管理事業の売上高は、4億37百万円(対前年同四半期比95.4%増)、営業利益は、1億55百万円(対前年同四半期比18.3%減)となった。

(4)店舗総合サービス事業は、前々期より与信管理を中心とした事業に転換した為に、前
年同四半期に比して減収となった。この結果、店舗総合サービス事業の売上高は、9百万円(対前年同四半期比▲79.9%減)、営業損失は、▲69百万円(前年同四半期は▲84百万円の営業損失)となったとしている。

 同社のビジネスモデルは、景気上昇局面では一定評価できるが、景気が下降局面や低迷が長く続いた場合、かなり厳しいものと思われる。ただ、景気上昇局面では逆に委託する企業も少なくなると思われる。

同社にとって景気悪化でも利益が取れるビジネスモデルが必要であり、そのあたりをクリアーしなければモデルにならない。病院や介護施設を扱う日清医療食品のような安定した収入の保証がなく、賃借する店舗の形状や立地もバラバラであり、外食のスケールメリット利益も出しにくいものとなっている。

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年2月期第3四半期
24,645
211
67
103
11年2月期第3四半期
22,490
-286
-429
-562
前期第3四半期比
91.3%
 
 
 
11年2月期通期予想
30,059
186
25
-137
10年2月期実績
32,652
256
52
46
09年2月期実績
34,444
-164
-503
-219
通期予想/前期比
92.1%
72.7%
48.1%
 
11年2月期第3四半期
総資産
純資産
自己資本
自己資本率
 
26,424
9,600
9,494
35.9%

 同社の自己資本は、既に資本増資金(105億29百万円=資本金+資本剰余金)を食い込んでいる。

[ 2011年1月17日 ]
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