アイコン NYダウ 1年ぶりの安値 景気後退と欧州金融危機のWショック

週明け3日のニューヨーク株式相場は、世界景気に対する先行き不透明感が強まる中、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥るのではないかとの懸念が再燃して大幅続落、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比▲258.08ドル安の1万0,655.30ドルと、2010年9月23日(1万0,662.42ドル)以来約1年ぶりの安値で終わった。
3日は、前週末のダウ急落の流れを受け継ぎ、アジアや欧州の株式相場も軒並み値を下げたことから、世界的な株安連鎖に歯止めが掛からなかった。

ギリシャ政府は2日、景気鈍化により、2011年の財政赤字が対国内総生産(GDP)比8.5%(IMF合意7.8%)、12年は同6.8%(IMF合意6.5%)と、いずれも国際通貨基金(IMF)などと合意した目標値を、クリアーできず上回る見通しを発表していた。
こうしたことから、ギリシャやポルトガル・スペイン・イタリアのソブリン債(=国債)を持つ、ドイツやフランスなどの財政健全国の銀行株価が軒並み下落、欧州市場の株価を押し下げ、ドイツのDAX指数も5,376.70と▲125.32(▲-2.28%)となった。
これを受けたNYダウも下落、個別銘柄では、前週末に引き続き金融株が軒並み急落している。バンク・オブ・アメリカは▲9.6%安、JPモルガン・チェースは▲4.9%安、モルガン・スタンレーは▲7.7%安、ゴールドマン・ サックスは▲4.7%安と下げている。

株式市場は、ギリシャがデフォルトに陥った場合を想定し、同国のソブリン債を21兆円あまり抱えている欧州の銀行が、まずターゲットになり、不安定な金融情勢により景気も後退。こうした悪循環により、株から他の債券にシフトする大きな流れを食い止めることはもはや、ギリシャ問題がどっちに転んでも、片付くまで収拾が付かなくなっている。
しかも、もしギリシャがデフォルトに陥れば、上記予備軍の危機に飛び火し、フランス・ドイツの健全国では到底支えようもなく、ユーロ圏の経済崩壊へと至る可能性すらある。
ユーロ加盟各国のデフォルト基金の増額もこうした状況を踏まえ、渋っていた加盟各国の国会が、増額の承認に漕ぎ着けているが、今回の増額では、既にギリシャのデフォルトを食い止めることができないのではと心配され始めている。

こうした欧米の景気後退と金融危機に、世界の株価が下落、また輸出で現経済が成立している新興国の為替レートも対ドルで、ここ1ヶ月大きく下げている。1年半前の自国益のための為替安誘導世界金融戦争とは明らかに異なり気になる。

しかし、その中で日本の為替だけは、バブル時代 自動車などの輸出と引き換えに買わされたアメリカ国債を大量に保有(2010年12月時点:8,820億ドル・・・一ドル85円換算で74兆97百億円、76円換算で67兆03百億円)していることが原因して、独歩高の円高となっている(市場により大きく目減りさせられている)。

こうしてみると、東日本大震災や福島原発水素爆発で大きな痛手を負っている日本に対する世界の債券市場は、リーマン・ショックから何も改善もされず無秩序のまま、世界経済は確実にデフォルトに向かっているようだ。
 

[ 2011年10月 4日 ]
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