アイコン ソニー今期2,200億円の赤字へ 3月期第3四半期

SONY開発力をなくしダッチロールを繰り返すソニーの第3四半期は、次の要因により大幅な赤字に転落した。

1、連結売上高は、タイの洪水の影響や、先進国における市場環境の悪化、及び為替の悪影響(円高)などにより、前年同期に比べ大幅に減少。
2、連結営業損益は、前述の要因に加え、持分法による投資損益の大幅な悪化により、前年同期の利益に対し、当四半期は損失を計上。
3、持分法による投資損益の悪化は、2012年1月に売却したS-LCD持分の減損及びソニー・エリクソンの繰延税金資産に対する評価性引当金計上。
などの要因により、2,014億円の赤字を計上した。

<主に液晶TV・カメラ・ゲーム機事業のCPS分野>

CPS分野の売上高は、前年同期比▲24.4%減少の9,965億円となった(前年同期の為替レートを適用した場合、▲19%の減収)。
外部顧客に対する売上は、前年同期比▲25.3%減少。これは主に、日本、欧州ならびに北米の市場環境悪化などによる価格下落の影響を受けた液晶テレビの減収や、タイの洪水の影響、ならびに為替の悪影響によるもの。なお、前年同期の日本での液晶テレビの売上には、政府による補助金制度などの好影響があったが、この補助金制度は2011年3月末に終了した。
営業損益は、前年同期の635億円の利益に対し、当四半期は▲857億円の損失となった。これは主に、販売費・一般管理費の減少があったものの、持分法による投資損益の悪化、減収による売上総利益の減少ならびに売上原価率の悪化などによるもの。

<技術を持っていかれた合弁事業>
ソニーは、当四半期において、保有するS-LCD(サムスンとソニーの50%づつ出資の合弁会社)持分の減損634億円をCPS分野の営業損失に含まれる持分法による投資損失に計上した。
なお、2012年1月、ソニーは、保有するS-LCDの持分すべてを1.07兆ウォン(売却日為替レート換算ベースで、723億円)でSamsung Electronics Co.,Ltd.に売却した。
構造改革費用は、前年同期の36億円に対し、当四半期は10億円を計上した。構造改革費用及び前述のS-LCDにかかる減損を除くベースで分野全体の損益変動にマイナスの影響を与えたカテゴリーは、原価及び費用削減よりも価格下落の影響が大きかった液晶テレビ、ネットワークサービス拡充のためのマーケティング費用の増加及び戦略的な価格改定による「プレイステーション3」ハードウエア売上の減少の影響があったゲームなど。なお、当四半期の営業損失には、S-LCDの低稼働率に起因する追加的な液晶パネル関連費用及び前述の液晶テレビ関連資産の減損21億円が含まれる。

<携帯電話事業>
  2011年12月31日に終了した四半期におけるソニー・エリクソンの売上高は、前年同期比▲15.7%減少し、1,288百万ユーロ(1ユーロ100円換算:1兆,2,880億円)。当四半期は▲233百万ユーロ(同▲233億円)の損失となった。
構造改革費用は、前年同期の10百万ユーロに対し、当四半期は78百万ユーロを計上した。四半期純損益は、前年同期の7百万ユーロの利益に対し、当四半期は▲853百万ユーロ(同▲853億円)の損失となった。これは、主に、税引前損益が悪化したことに加え、ソニー・エリクソンが米国会計原則にもとづいて同社の繰延税金資産の一部に対し654百万ユーロの評価性引当金を計上したことによるもの。
この結果、ソニー・エリクソンの持分法による投資損益は、前年同期の4億円の利益に対し、当四半期は▲431億円の損失となった。
なお、ソニー・エリクソンの合弁事業をソニーが解消する見込みと昨年10月大々的に報道された。ソニー側は否定しているが、火がないところに煙は立たず、何ら、水面下で動きがあるものと思われる。

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
11年3月期第3四半期
5,600,447
273,189
273,155
129,217
12年3月期第3四半期
4,892,786
-65,863
-82,700
-201,447
前年同期比
87.4%
 
 
 
12年3月期予想
6,400,000
-95,000
-115,000
-220,000
11年3月期実績
7,181,273
199,821
205,013
-259,585
今期予想/前期実績比
89.1%
 
 
 
12年3月期第3四半期
総資産
純資産
自己資本
自己資本率
 
12,916,000
2,655,542
227,584
17.2%
 
ソニーの業績推移
連結/百万円
2007年3月
2008年3月
2009年3月
2010年3月
2011年3月
2012年3月予
売上高
8,295,695
8,871,414
7,729,993
7,213,998
7,181,273
6,400,000
営業利益
150,404
475,299
-227,783
31,772
199,821
-95,000
税引前利益
180,691
567,134
-174,955
26,912
205,013
-115,000
当期純利益
126,328
369,435
-98,938
-40,802
-259,585
-220,000
純資産額
3,240,953
3,741,938
3,216,602
3,285,555
2,936,579
 
総資産額
10,607,753
12,552,739
12,013,511
12,866,114
12,924,988
 
自己資本率%
28.8
27.6
24.7
23.1
19.7
 
主力:液晶TV・カメラ・ゲーム機器・携帯電話・保険・銀行事業
 
[ 2012年2月 6日 ]
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