アイコン シャープの業績と有利子負債の推移

米国でサブプライムローン問題のようなバブル貸付が横行していた世界的なハゲタカ好況経済は、リーマンショックにより化けの皮が剥がされ、その綻びの修正 が未だ続いているどころか、欧州では更に悪化している。そのため、米国の景気が少し回復してきたものの、輸出依存度が高い日本・韓国・中国の輸出企業の業 績が悪化している。特に中国への輸出が増加している日本は、欧州向けに加え中国向けも厳しくなってきている。

家電業界は、特に液晶TVに関しては、サブプライムローン問題発生以前から、韓国勢に世界のシェアーを奪われていた。

世界的な好景気に経済が発展してきたブリックス諸国に対して、安価な液晶TVを投入してブラウン管TVから液晶TVに切り替えさせた韓国、日本の家電メーカーは高価な高性能液晶TVを富裕層に投入した。賃金が上昇したとしても裕福ではない大多数の大衆向けに安価な液晶TVを投入した韓国勢に市場を奪われたのは当然の結果である。リーマンショック後は特にそれが顕著となり、日本の家電メーカー勢は全社輸出に苦しんでいる。
日本では、リーマンショック後一時的にエコポイント・地デジ効果で家電製品の売上高は急回復したものの、世界ではますます韓国勢にシェアーを奪われ、エコポイントが終了した途端、世界での現実が日本の家電メーカー各社の業績を襲った。

特にシェープの場合、亀山モデルに代表される液晶事業が、経営の柱となっていたため、そのダメージが大きく、この間も液晶の高性能化へ研究開発や堺工場建設など膨大な投資を行ってきていたことから、社会ニーズとの乖離が拡大し続け、今回の事態に至っている。
液晶部門は、液晶TVの製品部門と部材で供給する部品部門に分かれるが、両部門とも韓国勢に喰われ、今では日本の家電量販店でさえもサムスン・LGの液晶TVが幅を利かせているのが現実となっている。世界の携帯電話を席捲しているスマホのiPhone(アップル)もGalaxy(サムスン)も液晶部分はサムスン製である(シャープは先般、新製品をiPhoneに投入すると発表したが、サムスン製との価格差があり、かなり叩かれての販売となった模様)。

シャープの業績推移
連結/百万円
平成19年3月
平成20年3月
平成21年3月
平成22年3月
平成23年3月
平成24年3月
売上高
3,127,771
3,417,736
2,847,227
2,755,948
3,021,973
2,455,850
営業利益
186,531
183,692
-55,481
51,903
78,896
-37,552
経常利益
170,584
168,399
-82,431
30,995
59,124
-65,437
当期純利益
101,717
101,922
-125,815
4,397
19,401
-376,076
包括利益
 
 
4,389
-384,880
純資産額
1,192,205
1,241,868
1,048,447
1,065,860
1,048,645
645,120
総資産額
2,968,810
3,073,207
2,688,721
2,836,255
2,885,678
2,614,135
自己資本率
39.9
40.1
38.6
36.8
35.6
23.9
現金・現金同等物残高
329,286
339,266
317,358
328,125
241,110
193,772
有利子負債
567,699
659,410
806,480
794,453 
820,961
1,094,467
従業員数
48,927
53,708
54,144
53,999
55,580
56,756
 
 
 
リーマンショック決算
エコP
エコP・地デジ
事業再生費
 
最近の大型設備投資
平成16年1月 :三重県亀山市に亀山工場を建設。
平成16年12月:広島県三原市に電子デバイス事業本部三原第2工場を建設。
平成18年5月 :三重県亀山市に亀山第2工場を建設。
平成21年10月:大阪府堺市に液晶パネル工場を建設。
平成22年3月 :大阪府堺市に太陽電池工場を建設。
 
シャープの有利子負債推移
期/百万円
短期借入
社債
CP
社債
新株社債
長期借入
合計
H19/3
147,353
57,687
22,865
57,333
204,643
77,818
567,699
H20/3
147,789
2,491
158,168
54,198
203,926
92,838
659,410
H21/3
61,477
1,502
335,426
104,818
203,211
100,046
806,480
21/9
72,233
30,742
188,225
224,962
202,854
72,493
791,509
21/12
103,420
30,568
202,639
225,035
202,676
73,056
837,394
H22/3
97,886
30,698
165,755
225,057
202,497
72,560
794,453
22/6
124,123
0
208,476
225,057
202,318
88,967
848,941
22/9
122,132
0
246,731
225,057
202,140
100,479
896,539
22/12
173,918
0
210,683
225,063
201,961
125,652
937,277
H23/3
128,453
10,290
139,766
215,046
201,783
125,623
820,961
23/6
147,023
30,128
253,375
195,038
201,604
109,640
936,808
23/9
132,330
31,477
249,808
195,035
201,426
105,820
915,896
23/12
137,070
31,500
314,848
195,028
201,247
114,266
993,959
H24/3
212,321
22,130
351,000
194,996
201,068
112,952
1,094,467
24/6
336,551
7,104
362,473
190,000
200,890
123,630
1,220,648
24/6-19/3
189,198
-50,583
339,608
132,667
-3,753
45,812
652,949
短期借入金とCPによる資金調達が目立つ。特にCP調達は魔物。
 
 
[ 2012年8月20日 ]
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