アイコン オリエンタル白石(日本橋梁子会社)/5億円の課徴金支払命令/公取委

公取委は昨年6月15日、同社に対して過去の関東地整・近畿地整・福島県発 注のPC橋梁工事の受注談合により、課徴金支払いを命じていたが、同社が会社更生法の適用申請(平成20年11月申請、負債額約605億円、同23年12 月日本橋梁の子会社となり終結)していたため、それ以前の案件として免責を求めて審査請求していた。
しかし、審判において、課徴金は税金と同じ扱 いと法解釈すべきであり、罰金と同じ制裁金であり、免責や更生債権として扱われるべきものではないと審決し、今回の支払命令を下した。(会社更生法や民事 再生法において、こうした取り扱いが明記されておらず、最高裁の判断も出ていない)

<本件の経緯>
平成23年6月15日 :課徴金納付命令
9月7日  :審判請求に基づき審判開始決定
11月11日 :第一回審判
平成24年6月8日  :第4回審判(審判手続終結)
8月24日 :審決案送達
9月6日  :審決案に対する異議の申立て
9月25日 :課徴金5億3,730万円の納付を命ずる審決

<争点>
1、本件課徴金債権は,更生債権に該当するか。
2、本件課徴金債権は,更生計画認可の決定により免責されるか。
3、本件課徴金債権が更生計画認可の決定により免責される場合,公正取引委員会は,課徴金の納付を命ずることができるか。
何れも、公取委のこれまでの判断を追認した審判決となった。

<主文>
被審人は,課徴金として金5億3730万円を平成24年11月26日までに国庫に納付しなければならない。
(内訳:平成23年(判)第76号につき金1億574万円,平成23年(判)第77号につき金3億7581万円,平成23年(判)第78号につき金5575万円)
 なお、制裁金の課徴金は、受注額の100分の6として算出されている。

<JC-NET記者コメント>
 当審判決は、メーカーなどが大口の談合を行い、会社更生法や民事再生法を申請した後にそうした談合が発覚した場合、その制裁金たる課徴金額において、その金額次第では会社更生法や民事再生法による再建が困難になる可能性もある。
会社更生法や民事再生法より、課徴金が税金のように100%優先するとするならば、こうした企業へのスポンサーによる再建支援も、過去の見えないリスクを抱え、困難になる恐れがあり、審決ではなく、法律による規定が求められよう。
 
法律に基づく再建途上に課徴金の支払命令を受け、再建が困難となり破産しますでは、企業の更生や再生の法趣旨にも反することにもなる。再度、経営破綻に至り、一般債権者も増やす結果を招くことにもなる。
指示・勧告・改善命令・課徴金など行政処分にはいろいろある。

なお、日本橋梁は、今後の対応については明確にしていない。
最高裁判決が求められる。
 

[ 2012年9月28日 ]
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